メガロドンの想像図(2020年11月25日公開)。(c)Hugo SALAIS / METAZOA STUDIO / AFP

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【AFP=時事】古代のどう猛な巨大サメ、メガロドン(学名:Otodus megalodons)は、餌が豊富で天敵が少ない浅瀬の暖水域の「託児所」で子どもを育てていたが、寒冷化が進んで海水面が低下したことで子育てに安全な沿岸水域が見つかりにくくなり、それが一因で結果的に絶滅したと考えられるとする論文が先週発表された。

 英国王立協会(Royal Society)の専門誌バイオロジー・レターズ(Biology Letters)に25日に掲載された論文は、メガロドンが子どもが無事に成長するまで「託児所」に頼っていたことが、2000万年も君臨し続けたこの巨大サメの時代が終わる一因になった可能性があると指摘している。

 魚類として史上最大・最強クラスとされるメガロドンは成体になるまでに25年かかり、論文によれば「性的に成熟するのが非常に遅かった」が、十分に成長すると、全長は最大18メートルに達した。これは、映画『ジョーズ(Jaws)』で知られるようになったホホジロザメで最大とされる体長の3倍に相当する。

 英ブリストル大学(University of Bristol)をはじめとする研究チームは、スペイン北東の沿岸部にあるタラゴナ(Tarragona)県の博物館で収集されているメガロドンの歯を観察。論文執筆者の同大学のカルロス・マルティネス・ペレス(Carlos Martinez-Perez)氏とウンベルト・フェロン(Humberto Ferron)氏はAFPの取材に、「収集されている歯の多くは、これほど大型の動物にしては極めて小さかった」と語った。

 研究チームは歯の大きさから判断して、タラゴナ県の沿岸沖は子どものメガロドンの生息域だったのではないかと推測した。

 研究チームはこの他にも米国、ペルー、パナマ、チリの8か所でこれまでに収集されたサメの歯を分析。その結果、4か所(米国とパナマ、各2か所)の歯は比較的若いサメのものであるとの結論に達し、これらの歯が見つかった4か所も子育て場所だった可能性があるとの考えを示している。

 メガロドンは、中新世(約2300万年前から500万年前)には暖かく穏やかな海域で活動していたが、鮮新世(約500万年前から200万年前)の寒冷化にはなかなか適応できなかった。

 獲物が変化に順応してより寒冷な海域へと向かう中、メガロドンは温暖な海域にとどまった。残っている獲物はホホジロザメが好む餌でもあったため、メガロドンより小型で敏しょうなホホジロザメとの競争も激化。気候の寒冷化に起因する海面低下によって浅海域の子育て場が大幅に減少したことも追い打ちを掛け、絶滅に至った可能性がある。

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