睨み合い続いたチェルシーとスパーズのダービーは痛み分け! したたかに勝ち点1を持ち帰ったスパーズが首位キープ《プレミアリーグ》

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プレミアリーグ第10節、チェルシーとトッテナムによるロンドン・ダービーが29日にスタンフォード・ブリッジで行われ、0-0のドローに終わった。

 

前節終了時点で3位のチェルシー(勝ち点18)は、格下相手の3連戦を危なげなく勝ち切って今季初のリーグ3連勝。また、チャンピオンズリーグ(CL)のスタッド・レンヌ戦ではジルーの劇的な決勝点によって競り勝ち、2節を残して決勝トーナメント進出を決めた。目下、公式戦10試合負けなしと攻守に安定感を増すチームは元指揮官率いる宿敵撃破に向け、前節のニューカッスル戦で休養を与えたチアゴ・シウバをリュディガーに代わって復帰させた以外、同じ10人を起用した。

 

一方、トッテナム(勝ち点20)は前節にマンチェスター・シティを2-0で撃破し、現体制で初となるリーグ4連勝で首位に浮上。直近のヨーロッパリーグ(EL)では格下ルドゴレツを相手に先発10人を入れ替えた中、4-0の快勝を飾っている。モウリーニョ監督は愛弟子との対戦に向け、シティ戦から先発1人を変更。負傷のアルデルヴァイレルトに代わって加入後初先発となるロドンがダイアーの相棒に入った。

 

ランパード、モウリーニョの師弟対決に注目集まる首位攻防戦となったロンドン・ダービー。チェルシーが普段通りの配置での[4-3-3]を採用し、トッテナムはシティ戦を踏襲する形でソン・フンミンを右、ベルフワインを左に配置した[4-2-3-1]の布陣で臨んだ。

 

立ち上がりはホームのチェルシーがボールを握り、トッテナムがブロックを形成して迎え撃つ形の展開が続く。その中で最初の決定機はアウェイチームに訪れる。9分、自陣でのオーリエのボール奪取からロングカウンターに転じ、レギロン、ケインとボックス付近で繋いで最後はボックス左のベルフワインがシュートを放つが、これはクロスバーの上。

 

直後の11分にはチェルシーがロドンのパスを引っ掛けてショートカウンターに転じ、マウントのスルーパスに抜け出したボックス左のヴェルナーがゴールネットを揺らすが、ここはオフサイドの判定に。

 

互いに1度ずつ決定機を作り合い徐々に試合が活気づき始めた中、15分にはセットプレーの二次攻撃からトッテナムに再び決定機もオーリエの枠を捉えた強烈なミドルシュートはGKメンディが好守で凌ぐ。

 

その後は中盤での睨み合いが続きなかなかフィニッシュの数が増えていかない。それでも、トッテナムはエンドンベレ、ケインを起点にベルフワイン、ソン・フンミンの快足コンビを生かした鋭い攻めでより際どいシーンを演出していく。

 

一方、チェルシーも前半終盤にかけては立ち位置、ボールを入れるタイミングを修正してボールの循環をよりスムーズにし、押し込む形まで持ち込む。だが、シティを完封したトッテナム守備陣を前に決定機まであと一歩というところで前半を終えることになった。

 

互いに選手交代なしで迎えた後半、前半終盤からの流れを継続してチェルシーがペースを握っていく。前半はあまり機能していなかった右サイドを修正したホームチームは、右サイドの高い位置を取り始めたリース・ジェームズが2本の高精度のクロスをゴール前に供給するが、エイブラハムは相手DFの寄せもあっていずれもモノにできない。

 

後半に入ってなかなかフィニッシュまで持ち込めないトッテナムは65分、エンドンベレを下げてロ・チェルソを同じトップ下の位置に投入。この交代で流れを引き寄せたいところだが、劇的な変化を起こすまでには至らない。

 

後半も半ばを過ぎると、ホームチームの攻撃の勢いが落ち始めたことで試合はこう着状態に陥る。ホームでより勝ち点3がほしいチェルシーは70分を過ぎてヴェルナー、エイブラハムを下げてプリシッチ、ジルーを続けて投入。すると、81分にはボックス手前で仕掛けたマウントがペナルティアーク付近で強烈な右足のミドルシュートを放つが、ゴール右下隅を捉えたシュートはGKロリスが圧巻のワンハンドセーブで阻止する。

 

その後、ツィエクに代えてハヴァーツを投入し勝ちに行ったチェルシーに対して、トッテナムはベルフワインとソン・フンミンに代えてベン・デイビス、ルーカス・モウラをピッチに送り出して引き分けやむなしというアウェイ仕様の采配を見せる。

 

93分にはDFロドンの不用意なバックパスに反応したボックス内のジルー、直後にはDFズマの不用意な横パスをカットしたルーカスのお膳立てからロ・チェルソに決定機が訪れるが、いずれも劇的な決勝点とはならず。

 

そして、最後まで睨み合いが続いたロンドン・ダービーは0-0のドローに終わり、共に連勝がストップ。それでも、敵地で最低限の勝ち点1を持ち帰ったトッテナムが暫定ながら首位キープに成功している。