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「約20年の結婚生活の中で私がどれだけ苦しんできたか、夫に思い知らせてやりたい!」。弁護士ドットコムに、40代の藤田サキさん(仮名)からこんな投稿がありました。

暴力、派手な金遣い、不倫という「三重苦」に苦しめられてきた藤田さん。これまでの辛い体験をくわしく話してくれました。

●「夫に散々苦しめられてきた」

サキさんは夫の暴力と金遣いの荒さに悩まされてきました。夫はサキさんに平手打ちや蹴る、突き飛ばすなどの暴力をふるい、当時まだ幼かった長男にも手をあげることも…。

浪費癖もあり、収入の半分以上を自分の趣味に使っていました。そこに追い打ちをかけたのが、不倫の発覚です。

それでもサキさんが結婚生活を続けてきたのは、子どものためでした。

「子どものためには、両親揃っていた方がいいと思って。でも、酒を飲んでは暴れ、暴力を振るう父親を、子どもたちが怖がっていることに気がつき、離婚を決意したんです」

サキさんは「離婚するにあたって夫から生活費や養育費をもらうつもりはない」と話しています。一方で、気になるのが、慰謝料の額だといいます。

「私はこれまでの結婚生活の中で、夫に散々苦しめられてきました。傷ついた気持ちや耐え忍んできた苦悩は、目には見えないから伝わりにくい。慰謝料の金額で提示して、どれだけ私が苦しんで知らしめてやりたいと思ったんです」

「うるさい旦那から逃れて、子どもたちと笑顔で話せる空間がほしい」と話すサキさん。彼女がこれまで夫から受けてきた精神的苦痛は、お金にするならいくら分に相当するのでしょうか。冨本和男弁護士に聞きました。●多くても300万円ほど

慰謝料の金額は、当事者間の話し合いか裁判を経て決まります。

当事者間で合意ができれば、金額の上限は特にありません。当事者間で話がまとまらない場合は、不倫の期間やDVの程度といった諸事情を考慮した上で、裁判所が決定します。

不倫されたり、DVを受けた側からすれば、少しでも多く慰謝料を取りたいと思うのは当然です。しかし、裁判になった場合、たとえ500〜1000万円と高額な慰謝料を請求したとしても、実際に支払う額として認められるのは100〜300万円ほどのことが多いです。

請求された側の収入や資産によっても金額は変わりますが、一般のサラリーマンの収入であれば、認められる額は多くても300万円ほどでしょう。もちろん、これは不倫やDVなどが実際にあったと立証できればの話です。●不倫相手の女性にも慰謝料請求できる

また、不倫相手の女性にも慰謝料を請求できます。ただし、夫がいくらか支払えば、その分、不倫相手が支払う額は減ります。例えば慰謝料の金額が150万円だとして、夫が150万円を支払ったとすると、それ以上の額を不倫相手に請求することはできません。

この金額は少なすぎるとの感想をもつ人もいるかもしれません。今回、サキさんは「養育費はいらない」と言っているようですが、養育費は子どもの権利です。

一時の感情で「あんな男から養育費をもらいたくない!縁を切りたい!」と思わずに、あくまでも子どもの将来を考えて判断することが大切なのかもしれません。

(弁護士ドットコムライフ)

【取材協力弁護士】
冨本 和男(とみもと・かずお)弁護士
債務整理・離婚等の一般民事事件の他刑事事件(示談交渉、保釈請求、公判弁護)も多く扱っている。
事務所名:法律事務所あすか
事務所URL:http://www.aska-law.jp