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「義理の親が嫁である私にいろいろと保険をかけているみたいです。夫と離婚した場合はどうなるのでしょうか」。弁護士ドットコムにこのような相談が寄せられています。

これまで、相談者は自分で保険に入ろうとするたびに、義理の親に「勿体ないからやめた方がいい」と止められてきました。しかし、義理の親が相談者に「亡くなった時などにおりる保険やガン保険など」の保険をかけていることが分かりました。受取人は夫の親となっているそうです。

最近は、夫から「早く死ね」と言われることもあるという相談者。夫とその親が自分の死を望んでいるのではないかという疑念を抱いているようです。

仮に相談者夫婦が離婚した場合、それまでかけていた保険は無効になるのでしょうか。河内 良弁護士の解説をお届けします。

●被保険者の「同意」がなければ、死亡保険契約は無効

ーー相談者は保険の内容に疑問を感じているようです。このような場合はどのような対応をとることが望ましいでしょうか。

相談者が保険会社に対して契約の効力を争う行動を取らなければ、保険会社は契約に問題があることを知り得ません。そのため、契約は有効なまま取り扱われることになります。

ですので、まずは「この保険契約には問題がある」と保険会社に知らせる必要があります。

ーー保険会社に知らせた場合、契約の効力はどうなるのでしょうか。

死亡保険契約の締結には被保険者の同意が必要とされています(保険法38条、旧商法674条1項)。「契約者は夫(もしくは夫の親)、被保険者は相談者」という場合、相談者が本当に同意していないのであれば、死亡保険契約は離婚したか否かにかかわらず、無効ということになります。

なお、がん保険については保険法67条に同様の規定がありますが、旧商法には同様の規定がありません。そのため、がん保険の締結が平成22年4月1日以降にされていなければ無効になりません。●離婚すると「解除請求」ができる可能性も

ーー相談者夫婦が離婚した場合、契約の解除はできますか。

はい。離婚した場合には、保険契約者に対して保険契約の「解除請求」も考えられます(保険法58条1項)。

相談者が「実は同意をした」という覚えがある場合には、同意がないことを理由とした契約無効の主張はできませんが、離婚すると「解除請求」ができる可能性もあります。

ただし、これは保険契約者に対する請求であって保険会社に対するものではありません。また、現在の保険法が施行された平成22年4月1日以降に保険契約が締結された場合に限られ、同年3月31日以前の締結の場合には解除請求はできません。

現実的な方法としては、まずは別居をして、離婚調停を申し立て、その調停の中で保険契約を解約するように求めていくということになると思われます。

(弁護士ドットコムライフ)

【取材協力弁護士】
河内 良(かわち・りょう)弁護士
大学時代は新聞奨学生として過ごし、平成18年に旧司法試験に合格。平成28年3月に独立した。趣味はドライブと温泉めぐり。
事務所名:河内良法律事務所
事務所URL:http://www.kawachiryo-law.jp