インドで女性の生理を描いた壁画の前を通る男性(2019年5月28日撮影)。(c)David TALUKDAR / AFP

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【AFP=時事】英スコットランドは、すべての女性に生理用品を無料で提供することで、世界で初めて、「生理の貧困」を事実上撲滅する。

■何が問題なのか

 少女を含む女性らは、住む場所や、働いたり学んだりする場所によって、トイレなどの基本的な施設の利用ができないことがある。

 世界の一部では、生理にまつわるタブーのために、生理期間中の女性を公共の場に歓迎しないことさえある。これはつまり、生理中の女性が学校や職場に行けなくなる可能性を意味する。

 世界でも人口の多い国の一つのインドでは、少女の4人に1人が初潮を迎えると学校に行かなくなる。

 その他の人々にとって生理の貧困とは、単にタンポンやナプキン、月経カップ、生理痛薬などを購入する金銭的余裕がないことを意味する。

■生理にはいくらかかるのか

 世界では毎日、8億人の女性が生理中だ。

 平均的な女性は一生のうち、累計10年間が生理期間となる。生理が始まるのは平均13歳で、53歳ごろまで続く。

 ある推定によれば、生涯に支払う生理関連商品の累計費用は、女性1人当たり約1万4680ドル(約153万円)だ。

 これら必需品費用に加え、生理痛により就労日数が減り、収入減につながることがある。

■これに対する手立ては何か

 これまでは、あまり手が打たれてこなかった。

 スコットランドは生理用品の無料提供で歴史をつくったが、その前にザンビアでは2015年に、ひと月に1日の生理休暇の取得を許可している。

 フランスでは2016年に、生理用品の売上税が20%から5.5%に引き下げられた。米国でも少数の州で2016年にタンポンの売上税が廃止され、その動きは全米に広がりつつある。

■なぜそんなに時間がかかるのか

 生理の費用をめぐる運動が表舞台に出るようになったのは、大きくはソーシャルメディアを通してだ。

 生理を表した絵文字から生理追跡アプリ、ロンドン・マラソン(London Marathon)でタンポンなしで太ももに血を流しながらゴールした米ミュージシャンのキラン・ガンジー(Kiran Gandhi)さんの映像拡散まで、インターネットはこれまでにないほど、タブーに挑戦してきた。

 大手広告会社でさえ、この流れに乗っている。英生理用品ブランドのボディーフォーム(Bodyform)は、自社の広告でえん曲な表現である青い液体から実物の月経血により近いものに切り替えて、製品の吸収性能を示している。

 権力の座に就く女性の数が増えたことも一助となっている。この問題に果敢に取り組む最初の国であるスコットランドを率いるのは、女性のニコラ・スタージョン(Nicola Sturgeon)行政府首相であることは偶然ではないのだ。

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