現地時間11月25日(水)、新聞「ニューヨークタイムズ」に署名入りのエッセイを発表したメーガン妃。今年7月に第2子を流産していたことを明らかにしている。妃は「いつもと変わらない朝を迎えた。朝食を作り、犬に餌をやり、ビタミンをとった。行方不明になっていたソックスの片方を見つけ出し、テーブルの下に転がっていたクレヨンを拾った。髪をポニーテールにして息子をベビーベッドから抱き上げた」と綴っている。「息子のおむつを変えた後、鋭い痙攣を感じた。息子を腕に抱いたまま私は床に崩れ落ちた。息子と自分を落ち着かせるために子守唄を口ずさんだ。その明るい調べは”何かよくないことが起きている”という感覚と正反対だった。私は1人目の子どもをしっかりと抱きしめながら、2人目の子どもを失ったことを知った」。

その数時間後、病院に運ばれたメーガン妃はベッドでヘンリー王子の手を握っていた。妃は王子の手をとり、2人の涙で濡れたその手にキスをしたと綴る。「病院の冷たい白い壁を見つめる私の目は曇っていた。私たちはこの傷をどう癒すのだろうと私は想像しようとした」「子どもを失うことは耐えきれないと言える悲しみであり、多くの人が経験している。でもそれについて語ることはほとんどない。喪失の痛みの中で、私と夫は100人の女性のうち10人から20人の女性が流産を経験していることを知った」。経験する女性は多いにもかかわらず、それについて語ることは今もタブーで根拠のない恥の意識が伴うと妃。「一部の人は勇気を持ってその経験談を語る。彼女たちは誰かが真実を話せば、それが私たち全員に同じことをする許可証を与えると知っているからドアを開ける」。

エッセイで妃は昨年秋、南アフリカを外遊中に受けたインタビューのことを振り返っている。インタビュアーは妃に「(マスコミによるバッシングを受けて)大丈夫ですか?」と尋ねた。「自分の言ったことが多くの人- 新米の母親や経験のある母親、誰であれ1人で静かに傷ついている人- の心に響くとは思わずに、私は彼に率直に答えた」「病院のベッドで夫が彼自身も傷ついていながら、私の粉々になった心をかき集めようとしているのを見ながら私はこう思った。『あなたは大丈夫?』、相手にそう尋ねることが癒しへの唯一の道への一歩であると」。心を開いて、そう尋ね答えを聞くことで「私たちはみんな悲しみを軽くすることができる。痛みを分かち合うことで、私たちは癒しへの一歩を踏み出せる」。

メーガン妃はロイヤルファミリーで流産を告白した2人目の人物。2018年にはエリザベス女王の孫であるザラ・ティンダルが流産を2回経験したことを明かしている。今回のエッセイは流産を話題にすることに対するタブーを払拭しようという勇気ある試みに他ならない。妃の言葉がどのような影響を及ぼすのか見守りたい。そして妃と王子の傷が癒えることを祈りたい。