介護生活の気分転換に両親憧れの熱海へ移住した綾野憲夫さん

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 新型コロナウイルスで生活様式も変わるなか、“人生最後に住む場所”を真剣に考える時がきているのかもしれない。50歳以上の男性300人を対象にし本誌・週刊ポストがアンケート調査を行ったところ、「夢の移住先」トップに選ばれたのは、「熱海」だった。

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 実際の暮らしやすさは先輩移住者に聞くのが一番。介護生活の気分転換に両親が憧れた熱海へ移住した綾野憲夫さん(73)が熱海の良さを語る。

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 そもそも私は熱海が好きで移住したわけではないんです。熱海には派手なイメージがあって、落ち着かない街だなと思っていたからです(笑い)。

 移住すると決めたきっかけは、介護していた両親が「いつか憧れの熱海で暮らしたい」と話していたことと、当時、私も介護に疲れていたので、定年をきっかけに気分転換をしたかったからです。63歳の時のことでした。

 住んでみて思ったのは、それまで抱いていた熱海のイメージとはまったく違っていたということ。その昔は社員旅行や新婚旅行の聖地として大変な賑わいでしたが、私が移住した10年前は不景気で、華やかさは一切ありませんでした。

 ところが不思議なもので、住んでみると、その街がどんどん好きになってくるものなのですね。愛着がジワジワ湧いてきて、今では私も熱海に住む一員として、何か貢献ができないか、と考えるようになりました。

 暮らし始めて気づいたのは、遊ぶことだけを考えていたら2〜3年で飽きてしまっただろうなということです。見知らぬ土地に飛び込むからには、「これまでと違う何かをやりたい」という、高齢者の気概みたいなものを持つといいのではないでしょうか。

 現在、首都圏から熱海へシニアの移住をサポートするNPO団体で副理事長を務める傍ら、東京で結成された和太鼓チームに参加しています。残念ながら今はコロナで中断していますが、それまでは月に2回ほど、東京を行き来していました。熱海と東京は距離的に近いので、とても便利ですよ。

※週刊ポスト2020年11月27日・12月4日号