攻めすぎ絵柄だなも。あつ森仕様Switch公式マイクロSD、サンディスクが米国発売

米国のサンディスクがラインアップするNintendo Switch用の公式ライセンスマイクロSDカードに、最大容量となる512GB版『SDSQXAO-512G-GNCZN』が加わりました。既に販売中で、米国Amazonでの価格は129.99ドルです。

現行のサンディスク製Switch用カードは、単に公式ライセンスというだけでなく、パッケージとカードに任天堂キャラの入った特別デザイン。今回の512GB版もこの嬉しい仕様です。が、しかし。

しかしと表記したその理由は、改めて上のパッケージ写真をご覧いただければ分かるでしょう。左に「たぬきち」、そして右に「つぶきち」「まめきち」が入った、あつ森こと『あつまれ どうぶつの森』仕様です(未プレイの方はピンと来ないでしょうが、後ほど説明します)。

▲「あつ森のデータ資産の象徴」としてはまったく正しいのです、が。そして右下には輝く任天堂公式ライセンスが

そしてカード本体はこちら。はい、同作の家具などで見られる「あの葉っぱ」です。

……これを見た瞬間、固定電話の受話器を持ったシャミ……いや、猫の表情で「どうして」と言ってしまったのは、きっと筆者だけではないはず。いや本当に、512GBなんて大容量の製品でこのキャラと絵柄は、サンディスクさん攻めすぎではないでしょうか。

▲こちらがたぬきち氏。シリーズを長くプレイしている方は反射的に姿勢を正してしまうところでしょう

さて、ここまでの事情をどうぶつの森シリーズ未プレイの方に紹介すると、まずパッケージの3匹のタヌキは、主人公が取引する商店などにいる重要キャラクターです。

しかし弟子はさておき、店主のたぬきち氏は過去作での所業から辣腕商人(柔らかい表現)として知られており、プレーヤーにとっては「取引はするけれど、ゆめゆめ気が抜けない」キャラなのです(ただしあつ森では、一転してすごく親切キャラになっています)。

また葉っぱは、作中の家具などを示すもの。家具を設置する際には「葉っぱが化けて」出現し、収納する際には葉っぱに戻せます。しかし歴代シリーズをプレイしていると、任天堂作品らしく意味深長な側面が顔を覗かせてくる……といった背景があるのです(興味を持たれた方は「家具 葉っぱ 設定」あたりで検索してみてください)。

そうした事情から本製品を見ると、ポジティブに解釈すれば「あつ森における貴重な資産のアイコン」としてはまさに適切なのですが、ディープなプレーヤーは「これ、本当にデータを保存して大丈夫だよね」と身構えてしまう絵柄になっている――というのがバックグラウンドです。

ということで、ヘビーなぶつ森ファンであればあるほど一抹の不安も感じてしまうこのデザイン。ですが逆に考えれば、これは信頼と実績のサンディスクだからこそできる余裕も感じられるもの。知名度や信頼度の低いメーカーには真似のできない、エッジを効かせたキャラクター選択とも呼べるのかもしれません。

そしてあつ森は、まごうことなき現時点でのSwitch代表作ですし、また今作ではこれまでの「顔キャラ」であるしずえさんの印象が薄いことなどから、たぬきちたちが代表キャラとなる点にも納得がいきます(もちろん異論はあるでしょうが)。

▲こちらは双子のつぶきちとまめきち。作中では「カブ価」告知という大役も担うため、穏やかではないプレーヤーも。

さてマイクロSDカードとして仕様を見ていくと、容量は512GB。原稿執筆時点での同社製マイクロSDの最大容量は1TBですが、本製品はそれより1グレードだけ下となる容量です。

なお、同シリーズの小容量のモデル(64GB、128GB、256GB)は4月より販売されており、絵柄は64GBがゼルダの伝説(ハイラルの紋章)、128GBと256GBがスーパーマリオ(スーパーキノコとスーパースター)となっています。

参考記事:任天堂感マシマシ。サンディスクが米国でSwitch用マイクロSDを刷新、マリオとゼルダの絵柄に(2020年4月)

なおそれぞれの米国Amazonの価格は、64GBこそ16.10ドルですが、128GBは19.99ドル、256GBは39.99ドル。本モデルは256GB版と比べても容量単価が1.65倍ほどとなる計算です。

もちろん必要なユーザーにとっては容量単価など二の次なのですが、このあたりは、そこはかとなくたぬきちイズムを感じるところです(本当は他社製品を含めても、512GBのマイクロSDはまだ容量単価のスイートスポットではない、という話ですが)。

性能に関しては既存のシリーズと同様、現行の『Ultra』シリーズ級。公称速度はリード最高100MB/秒、ライト最高90MB/秒となります。またSwitchでの使用が前提となるためカードには表記されていませんが、パッケージにはUHSスピードクラスは「U3」、ビデオスピードクラスは「V30」との注意書きもあります。

キャラクター商品としての側面を持ちながら、性能をはじめとする実用面もしっかり確保された製品となっており、このあたりも頼もしいところです。

▲カード色が目立つため、万が一落とした際などには一般的な黒いカードより見つかりやすい(かも)

このように本製品は、データストレージ製品として攻めまくった絵柄の裏に、その実しっかりとした性能を兼ね備えたモデルです。

そして昨今のSwitch事情は、ご多分に漏れずどんどん保存するデータが増大しているため、ヘビーユーザーは「もしマイクロSDカードを買うならば、許す限りの大容量を」といったスタンスが基本。その点では、この512GB版はまさに「ユーザーから求められていたモデル」というわけです。

決して安価ではありませんが、あつ森ファン、そして任天堂ファンには魅力的なこの製品。そしてそれだけに、ぜひシリーズを通し日本での正式発売を期待したいところです(64/128/256GBは国内でも販売されていますが、ショップ直輸入品という扱いです)。

Source:米国Amazon、米国SanDisk(直販ページ)

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