ボディサイズは4045mm×1695mm×1505mmと55mm短く、15mm低くなった(写真:日産自動車

日産自動車は2020年11月24日、同社のコンパクトカー「ノート」をフルモデルチェンジ(全面改良)し、12月23日に発売すると発表した。

日産のホームマーケットである日本での最量販車種である「ノート」は、事業構造改革「Nissan NEXT」においても、非常に重要なモデルだ。第2世代ノートが8年の長きに渡り生産されたことや、他に新型車のリリースが少ないといった事情からも、待望の新型車である。


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日産自動車最高執行責任者 アシュワニ・グプタ氏は、この新型ノートについて次のように述べている。

「『e-POWER』は、日本のお客さまの厳しい目によって認められ、累計で43万台を販売してきました。そのe-POWERにさらに磨きをかけ、パワーとレスポンス、静粛性をより一層向上させた第2世代のe-POWERを、新型ノートに搭載します。日産は、今回発表した新型ノートで、e-POWERファンをさらに増やしてまいります」

「3年連続NO.1」からのフルモデルチェンジ

初代ノートは「これまでのコンパクトカーになかった爽快な走りと、使いやすい装備で自在に楽しめるコンパクトカー」をコンセプトに2005年に発売。2代目ノートは2012年9月に発売され、その4年後となる2016年11月には、シリーズハイブリッド方式の電動パワートレイン「e-POWER」搭載モデルが追加された。

このe-POWER搭載モデルは、100%モーター駆動ならではの力強くレスポンスの良い加速と優れた静粛性を実現し、ノートの販売台数を押し上げ、2018年の登録車販売台数No.1を獲得。さらには、2017年から2019年のまで、3年連続で国内コンパクトカー販売台数No.1となった。

今回、発表された新型は、ノートとして3代目に当たるモデルだ。「コンパクトカーの常識を超える運転の快適さと楽しさが詰まった先進コンパクトカー」をコンセプトに、車づくりの基礎となるプラットフォーム(車台)を新設計。

2代目ノート躍進のきっかけとなったパワートレイン、e-POWERを第2世代に進化させて初搭載するだけでなく、日産のコンパクトカーとしては初となる運転支援技術「プロパイロット」も搭載される。

第2世代e-POWERは、パワートレインのハードウェアとその制御が刷新され、より力強く上質な走りと効率化を高い次元で両立。モーターは先代「ノート」に比べ、トルクを10%、出力を6%向上させるなど、よりパワフルで気持ちの良い発進加速と中高速からの追い越しでの力強い加速感を実現したという。

インバーターは第1世代よりも40%小型化、30%軽量化され、さらにエンジンの効率も高められたことで、加速性能だけでなく同時に燃費も向上。加えて、路面状態からロードノイズが大きいと判断した場合には、積極的に発電を行う制御システムを世界で初めて開発し、さらなる静粛性の向上を果たしたと発表される。

「アリア」と一貫性を持たせたエクステリア

デザイン面では、新世代に移行する日産デザインのキーワード、「タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム」を具現化。先に発表された電動SUV「アリア」との一貫性を感じるものとなっている。


電動化戦略第1弾のクロスオーバーEV「アリア」(写真:日産自動車)

フロントグリルと一体化された薄型のヘッドランプや、そこにつながる新型のVモーションクローム、フロントからリアまで1本の線でつながるキャラクターライン、その下に広がる見る角度により豊かにうつろう張りのある面の抑揚、水平に広がる横一文字のシェイプを持つ特徴的なシグネチャーのリアコンビランプなど、先進的でクリーンかつダイナミックなデザインを採用し、コンパクトながらも存在感を放つ。

また、フロントグリルには、日本の伝統工芸である組子からインスパイアされたパターンがあしらわれており、「日本の風景に溶け込むデザイン」を謳う。オプション設定の16インチアルミホイールには、日本の刀からインスパイアされたシャープで洗練されたデザインが施され、「e-POWER」の走りのパフォーマンスを想起させるデザインとなっている。

ボディカラーは、2色の2トーンを含む、全13色の幅広いカラーバリエーションが用意された。先進的で躍動感ある「ビビッドブルー」や新型ノート向けに開発された新色、「オペラモーブ」は、洗練された大人に似合うカラーリングだ。 

インテリアデザインは、外に向かって広がるようなインストルメントパネルにセンターディスプレイと一体化したメーターを装備。電動化に相応しい先進感と使いやすさを兼ね備えた、日産の新たなインテリアデザインの思想を体現した


水平基調のデザインへと一新されたインテリア(写真:日産自動車)

小型の電制シフトレバーがつくブリッジ型のセンターコンソールには、大型の収納スペースやロングリーチのアームレストが装備されており、革新的なデザインとともに、快適なドライビングの両立が楽しめる仕様だ。

後席にはリクライニング機能が備えられ、ニールーム、ヘッドルームともに、クラストップのゆったりとしたスペースが確保されている。荷室においては、広い開口部と荷室幅が確保されたことで、ストレスなく荷物を収納することが可能となった。

インテリアカラーには、3種類のバリエーションを用意。最上級グレードの「X」には、グラデーションストライプのジャージーシートと合皮レザーアームレストのコンビネーション、インストルメントパネルにはカーボン調の加飾が配され、水平に広がる長いマットクロームのフィニッシャーが特徴的な、すっきりとしたモダンなカラーコーディネートとなっている。

日産復活の要となるか?

まずは、前輪駆動(FF)の2WDモデルを12月23日に投入。同じく12月には前後に備えた2つのモーターで4輪を駆動する、電動4WDモデルが発売される予定だ。パワートレインは1200ccのエンジンと電気モーターを組み合わせた「e-POWER」のみとなる。

グレードは3タイプで、価格はそれぞれ「S」202万9500円、「F」205万4800円、「X」218万6800円となる(いずれも2WD、税込み)

e-POWERは日産が独自に開発した電動パワートレインで、ガソリンを燃料にしてエンジンが発電機を回し、作った電気で大出力モーターが100%駆動するため、電気自動車そのものの走りを楽しむことができる。日産の表現を借りると、「充電のいらない電気自動車の新しいかたち」で、エンジンは発電専用なのだ。

この他社とは違った形のハイブリッドシステムを第2世代に進化させたことに加え、アリアとデザインイメージを共通化したことで、ほかとは一味違うEVモデルとして、日産復活の要となることが期待される。