iPhoneのキーボードで快適に入力するための技を紹介する。手前がiPhone 12 Pro、奥がiPhone 12 Pro Max(筆者撮影)

iPhone 12シリーズは、5.4インチのiPhone 12 miniを除けば、大画面モデルが多い。6.7インチのiPhone 12 Pro Maxはもちろん、4機種の中で真ん中のサイズになるiPhone 12やiPhone 12 Proでも、6.1インチと比較的大型だ。ディスプレーのサイズが大きいと、文字や映像が見やすく、迫力も出る反面、片手での操作がしづらくなるのが難点だ。


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とくに日本の場合、iPhone 3Gが導入された際に、パソコンのキーボードのようなQWERTYキーではなく、携帯電話のそれをモチーフにした10キー入力が導入された経緯もあり、フリック入力が主流になっている。親指でキーを弾くように入力する仕組みのため、どうしても片手持ちでの入力のしやすさが重視される傾向にある。そのため、画面サイズの大きなiPhoneでは、入力方法に一工夫が必要になる。

また、iPhoneはiPhone 11シリーズから圧力を検知する3Dタッチが廃止されたため、カーソル移動の方法も変わってしまった。一般的なスマホの機種変更は2年から3年サイクルになるため、iPhone 12シリーズでどうやってカーソル移動をすればいいかわからないユーザーもいるはずだ。そこで今回は、iPhoneのキーボードで快適に入力するための技を紹介していこう。

1.キーボードの「左右寄せ」はマスト

サイズの大きなiPhoneを片手で持って文字を入力しようとすると、どうしても画面の端に指が届かないことがある。iPhone 12で横幅が71.5ミリ、iPhone 12 Pro Maxに至っては78.1mmもあるため、手の大きな人でも、なかなか片手で入力するのは難しいはずだ。そのようなときには、キーボードを左右に寄せるように設定しておきたい。

設定は簡単で、キーボードが表示されている際に、地球のマークを長押しして、左右どちらかに寄ったキーボードのアイコンをタップするだけだ。「設定」の「一般」にある「キーボード」で「片手用キーボード」を選び、「右側」か「左側」を選択してもいいが、入力時に設定してしまうほうが簡単だ。

ただし、これでも筆者の場合、いちばん端のキーは少々タッチしづらく、無理に指を伸ばすとバランスが崩れて、本体が手からこぼれ落ちそうになってしまうことがある。このようなときには、よりカスタマイズの幅が広いサードパーティーのアプリを導入してもいいだろう。例えば、ジャストシステムのATOKは、1720円と少々コストはかかるものの、キーボードのサイズをある程度自由に変更できる。


サードパーティーのキーボードは、標準キーボードよりも自由にサイズを変更できるものが多い。写真はATOK(筆者撮影)

文字入力アプリを追加したら、キーボードの1つとして追加する必要がある。「設定」の「一般」で「キーボード」を選び、その下の「キーボード」の画面で「新しいキーボードを追加」のボタンをタップ。

ATOKのようなサードパーティーアプリを導入している場合、そのアプリが選択肢に表示される。サードパーティーの文字入力アプリが追加されたら、そこをタップして、「フルアクセスを許可」をオンにしておくといいだろう。オフのままだと、学習機能など一部が使用できなくなる。

ATOKのサイズ変更をしたい場合は、アプリを開いて「設定」から「キーボードのスタイル・デザイン」を選び、「サイズ・位置」を開く。

テンキーとQWERTYキーのそれぞれに対してサイズや表示位置を決めることができるので、親指が届きやすい位置にキーが来るように調整するといい。筆者の場合、標準のキーボードよりやや小さめに設定したところ、指が届きやすくなって操作性が上がった。入力がしづらいと感じている人は、ぜひ試してみてほしい。

「空白」キー長押しでカーソル移動モードに切り替わる

タッチパネルを押した圧力を検知する3Dタッチを搭載したiPhoneは、キーボードを強く押し込むとカーソルが移動できるモードに切り替わっていた。ただし、3Dタッチは、iPhone 11シリーズで廃止になり、以降は代わりとなる触覚タッチが搭載されている。


触覚タッチ対応のiPhoneは、「空白」キーの長押しでカーソル移動モードに切り替わる(筆者撮影)

触覚タッチは、長押しした際にバイブが細かく振動してフィードバックが返ってくる仕組みのこと。いわゆる長押しと操作自体には違いがない。

3Dタッチの廃止によって、キーボードを押し込んでのカーソル移動ができなくなったかと言えば、そうではない。代替策として、触覚タッチ対応のiPhoneでは、キーボードの「空白」の長押しに、その機能が割り当てられるようになった。iPhone 12シリーズも、キーボードの「空白」を長押しすると、カーソルを移動することができる。

ただ、「空白」キーは、日本語入力の場合、キーボードの右端に配置されているため、カーソルをさらに右に移動させるにはコツがいる。このようなときには、「空白」キーを長押しした後、いったん指を画面の左端まで移動させてから、カーソルを移動させるようにしよう。それでも少々使いづらいときには、QWERTYキーボードに切り替えるのも手だ。

QWERTYキーの場合、スペースキーの長押しにカーソル移動が割り当てられている。スペースキーは画面中央の下にあり、横に長いため、左右どちらにもカーソルを移動させやすい。カーソル移動のためにキーボードを切り替えるのが少々手間だが、操作性を優先するならやむをえないところだ。

ちなみに、先に挙げたATOKでは、カーソルを左右に移動させるための「←」「→」キーが実装されている。わざわざカーソル移動モードに切り替える必要なく、ピンポイントで入力したい箇所に移動できるため、正確な操作が可能。サードパーティーのキーボードには、このようなメリットもあることは覚えておいてもいいだろう。

2.意外と操作しやすい「横画面」の日本語入力

iPhoneの日本語キーボードは、縦横で異なるレイアウトを採用している。文字入力中に本体を横向きにすると、キーボードの配置が大きく変わり、右にキーボード、左に予測変換が表示されるようになる。横向きに持ったとき、キーボードがちょうど右手の親指が届く位置に表示されるため、両手が使えるときには、こちらのほうが入力がしやすい。

また、左手の親指が当たる位置には、変換候補の一覧が表示される。右手でキーボードを打ち、左手で変換後の文字を選択する流れになるというわけだ。片手で縦向きに持った場合、変換候補はキーボードの上部に表示されるため、指をいったんキーボードから離して変換後の文字を選ばなければならないが、横向きで両手持ちした場合、右手の親指はつねにキーボードの上に置いておくことができる。


対応アプリは限定されるが、長文を打つときは横向きにするとキーボードと変換候補が左右に分かれて入力しやすくなる(筆者撮影)

そのため、慣れてしまえば、本体を横向きにして両手で持ったほうが、入力の効率はよくなる。左右にキーボードが分割されるのは日本語キーを表示した場合だけだが、QWERTYキーも両手の親指で打つことができ、キー1つ1つが大きくなるため、押し間違えも少なくなる。移動中などにサッと片手で使うには向かないが、いすに座って、じっくりに入力したいときには、横向きのほうがいいだろう。

ただし、残念ながら、先に挙げたATOKは、レイアウト変更に対応しておらず、横向きにしてもキーのサイズが大きくなるだけだ。

また、アプリによっては、そもそも横表示に対応していないことがある。例えば、Twitterアプリで入力しようとすると、画面が横向きにならないため、左右に分割されたキーボードを表示できない。Facebookアプリも同様だ。逆に、メールやメモなどではこのスタイルでの入力ができるため、長文を入力する際に利用するといいだろう。