メドベージェフが優勝の瞬間に見せた「意外な態度」。「僕は勝利を祝わない」

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現地22日に「Nitto ATPファイナルズ」で初優勝を果たした世界4位のダニール・メドベージェフ(ロシア)。自身のキャリアで最大のタイトルを獲得した彼だが、優勝した瞬間の他の選手とは違った姿勢が注目を浴びている。

通常であれば優勝はテニス選手にとって最高の瞬間であり、喜びを爆発させることが多い。実際直近の「Nitto ATPファイナルズ」優勝者は、チャンピオンシップポイントを決めた瞬間、揃ってコートに額をつけてうずくまり、優勝の喜びを身体全体で表していた。


しかしメドベージェフは、優勝した瞬間も飄々としており、何事もなかったように振舞った。準優勝となったドミニク・ティーム(オーストリア)が悔しそうな表情を浮かべる一方で、試合後の挨拶のためにネット際に寄るのもむしろメドベージェフの方が早かったくらいだった。彼は勝利の瞬間、祝わないと決めているのだ。


BBCによると、メドベージェフはその姿勢について「僕は自分の勝利を祝わない。それが僕のやり方でそれが好きなんだ」と語っている。


「テニスでは僕がたぶん最初だと思う。サッカーでは祝わない選手を見たことがあるよ」「観客との間でタフな時間を過ごした"全米オープン"の時に、そう決めたんだ」


メドベージェフは2019年の「全米オープン」で、試合中の態度の悪さから観客から大きなブーイングを受け、「新しい悪役」とまで呼ばれた。その時のことが関係しているという。


また今大会メドベージェフとティームは、それぞれグループリーグと準決勝で世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)と世界2位のラファエル・ナダル(スペイン)を撃破。ティームは今年の「全米オープン」でグランドスラム22大会ぶりの新王者に輝き、改めて世代交代を印象付けた。


「ドミニクと僕にとって間違いなく良かったのは、2人ともラファとノバクに勝ったことだ。信じられない成果だよ」「僕たち若い選手たちはこれからも結果を出し続け、良いライバル関係を築きたいね」とメドベージェフは語っている。


ティームも「僕たちはレジェンドたちと一緒にプレーできること、そして彼らを倒して最大の大会で優勝できることを証明したんだ」「3〜5年の間にBIG3にも引退の時が来るだろう。テニスにとってはエキサイティングな時代が来る」と前を向いている。


新型コロナウイルスの影響が続き、まだ2021年シーズンのスケジュールは固まっていないが、何が起きるのか楽しみだ。


(テニスデイリー編集部)


※写真は「Nitto ATPファイナルズ」でのメドベージェフ
(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)