台湾・台北で開かれた映画賞「金馬奨」授賞式で、最優秀主演男優賞を受賞しトロフィーを掲げる台湾の俳優モー・ズーイー(莫子儀、2020年11月21日撮影)。(c)SAM YEH / AFP

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【AFP=時事】「中華圏のアカデミー賞」の異名を取る台湾最大の映画賞「金馬奨(Golden Horse Awards)」の授賞式が21日、台北の国立国父紀念館(Sun Yat-sen Memorial Hall)で開催され、中国当局に対する抗議運動に焦点を当てた香港映画2作品が受賞した。中国が不快感を示すのは必至だ。

 新型コロナウイルス流行の影響で多くの映画祭が中止やオンライン開催を余儀なくされる中、台湾は累計感染者611人、死者7人と抑え込みに成功しており、授賞式は予定通り開催された。

 従来は中国作品の独壇場だった金馬奨だが、近年は中台関係の悪化のあおりを受けている。一昨年の授賞式で台湾人映画監督が台湾は独立国だと発言したことを受け、中国は昨年の映画祭をボイコット。今年も、中国本土からはドキュメンタリー作品と短編アニメ作品の2点がノミネートされただけで、いずれも受賞には至らなかった。

 一方、2011年に中国・広東(Guangdong)省の烏坎(Wukan)村で起きた象徴的な汚職への抗議運動を描いた李哲機Jill Li)監督の『迷航(Lost Course)』が最優秀ドキュメンタリー賞を、昨年の香港民主派デモをタクシー運転手の視点から描いた郭臻(Kwok Zune)監督の『夜更(Night is Young)』が最優秀短編映画賞を受賞したことは、中国当局の怒りを買うとみられる。監督は2人とも香港出身だ。

『夜更』の郭監督は授賞式には出席しなかったが、代読された受賞スピーチで中国当局に拘束された香港の民主派活動家12人に触れ、「人々に自由がありますように。夜はまだ始まったばかりだ、われわれは闘い続ける。12人を救おう」と述べた。

 最優秀作品賞と最優秀監督賞はチェン・ユーシュン(陳玉勲、Chen Yu-hsun)監督の『消失的情人節(My Missing Valentine)』が受賞。最優秀主演男優賞は『親愛的房客(Dear Tenant)』のモー・ズーイー(莫子儀、Mo Tzu-yi)が、最優秀主演女優賞は『孤味(Little Big Women)』のチェン・シューファン(陳淑芳、Chen Shu-fang)が受賞した。

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