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 手軽に持ち運びができて、それ1本で味付けが決まり、肉・魚・野菜どんな食材にも合うとキャンパーや主婦に人気の「万能スパイス調味料」。

「ビッグスリー」とも呼ばれる有名どころが3品ありますが、その中で絶大な支持を得ているのが、北九州で昭和25年に創業した鶏肉専門店『かしわ屋くろせ』が手がける「黒瀬のスパイス」です。どんな特色のあるどんな料理に合う調味料なのか、早速取り寄せて使ってみました。

創業70年の鶏肉専門店が25年前に開発

110g入り550円(税込)

『かしわ屋くろせ』は店頭で鶏肉や唐揚げなどのお惣菜を販売するかたわら、鶏肉が美味しくなる調味料はないものかと、今から25年ほど前に開発したのが「黒瀬のスパイス」なのだそう。

 塩こしょうのほかに醤油、レッドベルペッパー、フライドガーリック、マジョラムにオレガノなど15種類以上の材料が使われています。

 よく「マキシマム」と比較されることがありますが、クミンやナツメグが使われている「マキシマム」はほのかにカレーを思わせる香りで、粒々が細かいのが特徴。これに対し、「黒瀬のスパイス」はガーリック感強めで粒々もしっかり、全体にバランスのとれた配合に仕上がっていると感じます。どんな威力を発揮してくれるのか、早速料理に使ってみました。

「かしわ屋」開発だけに鶏肉との相性はバツグン!

外で食べる唐揚げに負けない本格的な味わいに仕上がる

 牛豚羊なんにでも合う万能スパイスですが、ここはやはり「かしわ」、鶏肉に使ってみたい! ということで鶏もも肉、砂肝を使うメニューで試してみます。

これ1本で絶品に仕上がる「鶏の唐揚げ」

スパイスの量はちょっと多いかな、というくらいがちょうどいい

 こちらのスパイスに醤油、酒などを下味に使うレシピをよく見ますが、実力検証のため、ここはあえてこれ1本で勝負します。

 ビニール袋に一口大に切った鶏肉を入れて、「黒瀬のスパイス」をパラパラ。量はお好みですが、筆者は鶏肉300グラムに対して大さじ1程度を振りかけてみました。

味をなじませるときは空気を抜いて袋の口を閉じて

 袋の上から手でよくもみこんで10分ほどおいて味をなじませます。小麦粉と片栗粉各大さじ1を加えてもんだら、片栗粉大さじ1をふり混ぜるように鶏肉全体にまぶします。170度の油で片面約5分ずつ揚げたら完成。後追いで片栗粉をまぶすことで、二度揚げしなくてもカラッと揚がりますよ。

スパイシーな味と香りはビールのお供にもぴったり!

 アツアツを口に運ぶと、外はサクッと、中はジューシー。香ばしいガーリックとほんのりした醤油の香り、ベルペッパーのピリッとした辛さが加わり、味・香りともに外で食べる唐揚げに負けない美味しさ! 

 いつもはショウガや酒、醤油などで下味をつけて作っていましたが、これ1本でここまで美味しいとは驚きです。

シンプルで簡単、美味しい「砂肝とモヤシの炒め物」

青白い部分は硬いので包丁で切り落とすと食べやすくなる

 次はコリコリ食感がたまらない砂肝で、「砂肝とモヤシの炒め物」を作ってみましょう。砂肝は開いて半分に切り、両端の青白い部分は硬いので包丁で落とし、火の通りがよくなるように縦に切り込みを入れておくといいですよ。

砂肝の色が変わってきたら「黒瀬のスパイス」投入

 薄く油を引き中火で温めたフライパンで砂肝を炒め、色が変わってきたら「黒瀬のスパイス」を振ります。モヤシを入れてサッと火を通したらできあがりです。

振って炒めるだけでピタッと味が決まる

 またもやコレ1本で、ごはんやビールにぴったりの一皿が完成! こちらもピリリとした味わいで、コリッとした砂肝とシャキッとしたモヤシの食感が絶妙。食べ出したらお箸が止まりません。砂肝の代わりに豚バラ、キャベツやニンジン、ピーマンなどを加えて彩りよくボリュームアップしても美味しくできますよ。

スープの素にもなる万能さ!

醤油やパプリカ、レッドベルペッパーなども入っているので薄く色づく

 振りかけて味をつける以外にも、お湯に溶けば簡単スープもできちゃいます。今回は冷凍餃子を煮込んで「スープ餃子」にしてみました。一口飲んでみると、うまっ! バランスのとれた辛みのあるスープが水餃子の美味しさを引き立てます。舌の上に残った粒々がまたスパイシーで後を引きます。

 水菜やレタス、長ネギなど、緑の野菜を加えると彩りもよくなりますよ。スパイスの量は味を見ながらお好みで。多めに入れると、冬の寒い日も体がぽかぽか芯から温まりそうです。

『くろせ』のおすすめ!「手が止まらないポップコーン」

油もスパイスも少なすぎないようにするのがポイント

『かしわ屋くろせ』に教えてもらった意外な活用法がこちら、自家製ポップコーンの味付けです。深めのフライパンに好みの量のコーンを入れて、コーンが浸るくらいにやや多めのサラダ油を入れて「黒瀬のスパイス」を投入。

 スパイスは“ポップコーンを火にかける前”に“ちょっと多め”にかけることがポイント。ポップコーンができあがってから振ると、スパイスが表面に付着しにくく下に落ちてしまい、ピンとこない味になってしまいます。また、コーンが弾けるときに蓋の内側にもスパイスが弾け飛ぶので、ちょっと多めがベターなのです。

蓋をして中火にかけ少し待つと、コーンがポンポン弾け出す!

ほどよい塩気とスパイス風味がたまらない絶品ポップコーンのできあがり!

 自宅でポップコーンを久しぶりに作ってみるととっても楽しい。ほどよい塩気とスパイスがほんのり効いて、手が止まらなくなる美味しさ。隣家にお裾分けしたところ、「映画館で食べるポップコーンみたい!」と絶賛していただきました。ちなみにサラダ油の代わりにバターを使えば、ちょっとリッチな味わいになります。

「黒瀬のスパイス」は、肉や魚にかけて焼くのがベーシックな使い方ですが、ご紹介した使い方の他にも白ご飯のふりかけにしたり、卵かけご飯にかけて味変したり、フライドポテトやカレーの風味付け、ドレッシングのアクセントなど、楽しみ方は無限大! まさに万能なこの1本、ご自宅やアウトドアでぜひ使ってみてください。

(撮影・文◎池田実香)

●DATA

かしわ屋くろせ

https://kashiwaya-kurose.com/