菅義偉首相が21日、運用見直しを表明した観光支援事業「Go To トラベル」。感染拡大を阻止するための苦渋の決断と言えるが、新規予約の一時停止対象となる地域や時期が決まっておらず、“生煮え”の公表となった。さらに、「都道府県知事が判断し、政府が最終決定」と責任を丸投げしたことに、小池百合子東京都知事が反発した。新規感染者は4日連続で2000人を超えて過去最多を更新するなか、菅首相の決断は英断になるのだろうか。

 小池知事は21日、一部の判断を都道府県知事に委ねる案に対し、「国が主体的に決めることだ」と突き放した。

 東京が当初、「Go To」の対象から除外され、10月1日から追加となった際の判断を政府が行った経緯も指摘し、「国が判断していただきたい。それが責任だと思う」と強調した。

 予約停止の対象は、感染状況を表す4段階の国基準で「急増」のステージ3相当の地域が想定されている。

 現時点で北海道や東京都、愛知県、大阪府と見込まれているが、西村康稔経済再生担当相は「知事の意向を尊重し、感染状況の分析や病床の状況など共有しながら調整したい」。赤羽一嘉国土交通相は記者団に「具体的にどこがどうだといったことは全く決まっていない」と“生煮え”を露呈した。

 知事会は23日に新型コロナウイルス緊急対策本部の開催する。すでに「3連休」は終わっているが、飯泉嘉門会長(徳島県知事)はコメントで、「厳しい感染状況が続いており、急速な感染拡大へ向かうか否かの重要な局面だ」と、政府の対策に全面的に協力する姿勢を見せた。

 予約済み旅行の取り扱いも不透明さを残した。西村担当相は「キャンセル料を払わなければならないから、解約を躊躇(ちゅうちょ)するようなことがないようにする」と説明。何らかの補償を検討する考えを示唆したが、具体策には踏み込まなかった。

 旅行予約サイト運営会社の担当者は「一番怖いのは、混乱して客から問い合わせが相次ぐ事態。とにかく早く内容を示してほしい」と訴えた。