今年度開園した市立保々こども園。かつての幼稚園(左)と保育園(右)が渡り廊下でつながれていた=2020年11月9日、三重県四日市市西村町

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 三重県四日市市の市立幼稚園に通う園児が激減している。

 この10年で約800人が減って、廃園も相次いだ。昨年10月に始まった幼児教育・保育の無償化で、保護者が私立幼稚園を選択するハードルが下がったことも一因となり、減少に歯止めがかからない状態だ。

 市保育幼稚園課によると、2011年度には24の市立幼稚園に計1279人が通っていた。ところが、16年度に1千人を割ってからは、年間100人以上の減少が続く。今年度は休園中の1園を含む20園で、計472人になった。

 また、廃園や保育園との統合で、教育と保育を一体的に提供する「認定こども園」になる施設も相次ぐ。一方、市内の私立幼稚園は今年度の園児数が3088人と、10年前とほぼ同じ水準を維持している。

 私立幼稚園が3歳児からの3年保育を実施しているのに対し、四日市市の市立幼稚園が実施しているのは4、5歳児の保育だけだ。私立幼稚園が導入しているバスでの送迎や、教育時間終了後の「預かり保育」も実施していない。

 課の担当者は「女性の社会進出などで、幼児教育の低年齢化や長時間保育のニーズが高まるなか、市立幼稚園は厳しい状況にある」と指摘。「昨年に導入された幼保無償化で、費用面でも私立を選択しやすくなった」と分析する。