13勝目を挙げ、2度目の優勝に王手をかけた貴景勝(右)

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 完全復活だ。大相撲11月場所14日目(21日、東京・両国国技館)、大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が関脇御嶽海(27=出羽海)を突き出して1敗を守り、2年ぶり2度目の賜杯へ王手をかけた。大関での初優勝を果たせば横綱挑戦権も手に入れるが、ここまでの道のりは平坦ではなかった。昨年は右ヒザの大ケガで一時は大関から陥落。高校時代の恩師が復活の猊饌耄↓瓩鯡世した。


 貴景勝が御嶽海を一方的に突き出す完勝で2年ぶり2度目の優勝に王手をかけた。取組後は「今日の一番に集中していくだけ。一生懸命いくことしかできないので」。表情を変えることなく、淡々と振り返った。2横綱2大関が休場する異常事態の中、ここまで牋貎預膣忰瓩箸靴突ゾ〜茲い寮萋を走ってきた。

 苦しいと感じる場面は何度もあったはずだが、精神面でも強さを発揮。「自身の支え? 自分の精神力じゃないですか。それは『今、強くなれ』と言われても強くなれないし、すぐにどうこうできない。今、持っているものを発揮できたらなと思っています」と言い切った。

 そんな貴景勝には大きな試練もあった。新大関で臨んだ昨年夏場所で右ヒザの靱帯を負傷し、途中休場。続く名古屋場所も全休し、わずか2場所で大関陥落となった。その後は1か月以上の間、部屋を離れて母校・埼玉栄高で治療やリハビリに専念。恩師の山田道紀監督によると、貴景勝は落ち込むどころか目の色を変えて励んでいたという。

「靱帯を痛めていたので2〜3か月で治すのはそう簡単じゃない。でも、復活できたのはメンタル面で弱さを見せることなくパーソナルトレーナーの指示を実践したり、食事に気を配ったり自己管理のたまものだと思う」と明かした。山田監督は食事面でもサポート役を担い、在学当時の寮生活で舌鼓を打った当時の味を提供した。

「懐かしんだり、おいしいと感じたのが、いい方向に行ったのかも。それからちゃんこに揚げ物、サラダ、煮物と全部手作りだったからか、血糖値、尿酸値ともに正常になっていた」。母校でのリハビリ生活は、心身をリフレッシュするための機会にもなった。

 こうした周囲の支えもあり、秋場所では1場所で大関復帰を果たしてみせた。そこには、かつての「やんちゃ坊主」の姿はなく「もう立派な大人。(大関昇進の)口上にもあったように(周囲への)感謝の気持ちや思いやりを持っているし、勝負師として『この人たちのために』という思いがあるのでは」(山田監督)。教え子の成長を実感したという。

 今場所で優勝を果たせば、初場所(来年1月10日初日、両国国技館)では綱とり初挑戦となる。一気に番付の頂点に駆け上がることができるか。