丸の痛恨併殺打からにじむ“焦り” 巨人の脳裏に昨年の残像?

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タカ番記者コラム「好球筆打」

 ◆日本シリーズ第1戦 巨人1−5ソフトバンク(21日、京セラドーム大阪)

 二十四節気の一つに「小雪」とある。「こゆき」と書くが、読みは「しょうせつ」だ。雪の降り始め、冬の入り口に差し掛かったことを意味するものだが、今年は暦の上できょう22日が「小雪」だそうだ。

 それなのに、どうだ。まだまだこちらは旬だぞと言わんばかりに秋の「栗」が大暴れした。今シリーズ初スイングで放ったシリーズ初安打が決勝本塁打と「シリーズ男」に名乗りを上げた栗原だ。球界を代表する右腕の菅野から、その後も2安打2打点。チームを勝利に導く活躍だった。

 なんてくだらない書き出しはさておき、V4を狙うホークスは最高の形で初戦をものにした。相手の大黒柱、菅野の攻略。6回は2死走者なしからの追加点。リードオフマン周東のシリーズ初盗塁を生かした8回のダメ押し点。個人的にはこの1点が、相手に強さを示す攻撃になったとみる。

 まだある。セットアッパー・モイネロの圧巻の3奪三振。これも今後を戦う上で、相手に脅威を植え付けたはずだ。守護神森は9回に1点を失ったが、リードが大きいとよく見られる光景でもあり、通常運転と捉えるファンも少なくないだろう。抑えの役目は点を与えないことではなく、試合を勝って終わらせることだ。

 とにかく、ホークスにとっては「いいことずくめ」の先勝となった。勝利監督インタビューに立った工藤監督は「何があっても一喜一憂しないように。またみんなで力を合わせて、明日のゲームをしっかり勝てるように頑張りたい」と当然のようにかぶとの緒を締めていたが、内心はかなりの手応えを感じ取った勝利だったように思う。

 一方、昨年の雪辱に燃える巨人にとって痛恨だったのは、4回の攻撃だろう。先頭からの連続四球で無死一、二塁と絶好の反撃機を作りながら、ポイントゲッターの5番丸が遊ゴロ併殺打に倒れた。しかも、2ボールと打者有利なカウントにありながら、外角低めのボール気味の球に手を出した。その時点でビハインドは2点だっただけに、千賀を助ける格好となった。

 この攻撃に、巨人の焦りのようなものを感じた。4連敗と屈した、昨年のホークスの圧倒的な強さという残像がまだあるのかもしれない、とも思えた。昨年のようにすべてがホークスの流れでシリーズが進むとは思っていないが、そう予感させる戦いぶりだったことは間違いない。 (石田泰隆)