2020シーズンのなでしこリーグは6年ぶりの浦和レッズレディース優勝で幕を閉じた。ここでは全18節の戦いで光った麗しきプレーヤー7名を厳選。来秋に開幕するプロリーグのWEリーグでも、より一層の活躍が期待される面々だ。

■塩越柚歩(しおこし・ゆずほ)
所属:浦和レッドダイヤモンズレディース/MF/166cm
1997年11月1日生まれ。埼玉県出身。

 166僂箸いΨ辰泙譴真板垢如▲棔璽襪鮖くこともできれば、自らゴールへ向かうこともできる。今シーズン序盤からスタメンに定着し、随所でチームを救う得点を奪った。スタートポジションにこだわらず、空気を読みながら広域を動き回る塩越は、あらゆる場面で顔を出してボールに絡んでいく。

 厳しい攻防のなかでも柔らかなプレーで、ボールロストも少なく絶妙な塩梅で好機につなげていた。トップから2列目全般をこなすことができるユーティリティ性は高く評価され、なでしこジャパンにも初招集された。彼女の成長は浦和が優勝を手にする上で、なくてはならないものだった。

■猶本光(なおもと・ひかる)
所属:浦和レッドダイヤモンズレディース/MF/158cm
1994年3月3日生まれ。福岡県出身。

 今シーズン、ドイツから戻ってきた猶本のもっとも大きな変化といえば、シュート力。振り抜くタイミング、スピードが抜群に上がった。同時にドイツで鍛えられたボール際の強さは浦和に戻ってより際立った。

 今シーズンはトップやトップ下という前線での起用が多かったが、ボランチとして培った守備の意識はポジションが上がっても健在で、そこに自信のついたコンタクトプレーが加わり、高い位置でのボール奪取から何度もチャンスを生み出した。序盤は新たなポジションに戸惑いも見られたが、徐々に感覚を掴み、かつてないほど"攻撃的な猶本"を披露したシーズンだった。ファン・サポーターからの人気は絶大だ。

■岩渕真奈(いわぶち・まな)
所属:INAC神戸レオネッサ/FW/155cm
1993年3月18日生まれ。東京都出身。

 言わずと知れた小さな大エース。ベテランの域に入った岩渕は、一つのプレーで空気をガラリと変えられる稀有な存在でもある。調子が悪いときには、黒子になりながら周りの選手を最大限に活かして勝利をもぎとっていく、したたかさも見られるようになった。

 彼女ならではのドリブルのスイッチ、シュートコースの見極めの速さは間違いなく世界トップレベル。わかっていても岩渕を止められない――。相手DFにとっては、最もやっかいな選手だろう。なでしこジャパンでも、苦しい場面で決めることができる選手へステップアップした。彼女のてっぺんはまだまだはるか彼方にある。

■スタンボー華(すたんぼー・はな)
所属:INAC神戸レオネッサ/GK/175cm
1998年12月24日生まれ。東京都出身。

 2018年FIFA U-20女子ワールドカップ優勝時の正GKだったスタンボー。今シーズンからレギュラーの座を掴み、すべての試合にフル出場。INACのゴールマウスを守り切った。俊敏性に富み、GKに不可欠な危機管理能力も備わっている。最後尾から声を張り上げ、指示を飛ばし、味方を鼓舞する姿は21歳とは思えない貫禄がある。

 また、大勝負の試合ではより一層感覚が研ぎ澄まされるのか、ビッグセーブを連発。175僂箸い高身長も世界と戦う上で大きな武器になる。念願の代表初選出を果たし、将来が楽しみな、なでしこジャパンの守護神候補だ。

■清水梨紗(しみず・りさ)
所属:日テレ・東京ヴェルディベレーザ/DF/160cm
1996年6月15日生まれ。兵庫県出身。

 昨年、一足先にプロ契約した清水の成長は著しい。今シーズンは23歳でキャプテンを任されたが、8月に鎖骨骨折で約1カ月の戦線離脱を余儀なくされた。ベンチ入りするまでに回復してからは、ハーフタイムになると、スタメンのチームメイトへベンチから見えている情報を熱心に伝え、キャプテンとしての役割を懸命に果たしていた頑張り屋だ。

 完全復帰後、右サイドバックとして躊躇なく駆け上がるたびにゴールの気配を漂わせ、改めてその存在の大きさを示した清水。時には中央にまで切り込んでくる鋭い攻撃と、粘り強く体を入れて侵入を許さない守備。おっとりとした口調からは想像できないほど、迫力のあるプレーは爽快だ。

■成宮唯(なるみや・ゆい)
所属:ジェフユナイテッド市原・千葉レディース/MF/154cm
1995年2月22日生まれ。京都府出身。

 トップ下という自由度の高いポジションであることを差し引いても、攻撃に守備と、とにかくよく走る。前線からの守備はジェフの真骨頂でもあるが、成宮を最終ラインで見かけることもある。もともとボランチの選手だけあって、攻守に渡って鼻が利く。よくも悪くも彼女がどれだけボールに絡むかで、試合の流れが決まるため、成宮の存在はチームの調子がわかるバロメーターと言ってもいいだろう。

 ドリブルあり、精度のいいキックありで、世代別の代表時代からテクニックの高さには定評がある。今シーズン6ゴールを挙げている決定力もさることながら、広い視野から選択するスルーパスも見ものだ。

■國武愛美(くにたけ・あいみ)
所属:マイナビベガルタ仙台レディース/DF/161cm
1997年1月10日生まれ。熊本県出身。

 ノジマステラ神奈川相模原でレギュラーとして活躍していたにもかかわらず、さらなる厳しい競争下での成長を目指して今シーズンからマイナビベガルタ仙台レディースに移籍してきたセンターバック。FW出身で、その経験を活かし相手から嫌がられるディフェンダーになるべく奮闘中だ。

 前半戦は勝利から遠のく苦しい時期だったが、そこを乗り越えてチームが持ち直した後半戦は國武自身も対人の強さや、読みのいいカバーリングなど自身の特徴を発揮。強いフィジカルで上位チームの攻撃陣とも張り合った。代表経験者が名を連ねるベガルタのDFラインは競争が激しい。23歳のさらなる成長が楽しみだ。

【なでしこリーグ1部 順位表】
18試合
1位 浦和レッドダイヤモンズレディース(勝ち点44/14勝/2敗/2分け)
2位 INAC神戸レオネッサ(勝ち点35/11勝/5敗/2分け)
3位 日テレ・東京ヴェルディベレーザ(勝ち点31/9勝/5敗/4分け)
4位 セレッソ大阪堺レディース(勝ち点30/8勝/4敗/6分け)
5位 アルビレックス新潟レディース(勝ち点27/8勝/7敗/3分け)
6位 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース(勝ち点23/6勝/7敗/5分け)
7位 マイナビベガルタ仙台レディース(勝ち点22/6勝/8敗/4分け)
8位 ノジマステラ神奈川相模原(勝ち点15/4勝/11敗/3分け)
9位 伊賀FCくの一三重(勝ち点14/4勝/12敗/2分け)
10位 愛媛FCレディース(勝ち点12/3勝/12敗/3分け)