長らく現金主義の人が多数を占めていた日本。しかし国をあげた普及事業の効果か、キャッシュレス決済の普及がかなり進んだように感じます。また気軽に導入できるスマホ決済アプリの台頭もあり、 キャッシュレス決済に対応する中小規模の店舗も増えているようです。

キャッシュレス決済の増加は新型コロナの影響も大!

その一方で気になるのは、長らく現金に親しんできたであろう高齢者の方々。スマホ決済アプリもスマホに慣れ親しんでいなければ、なかなか使いこなすのは難しいのではないでしょうか?

しかし三井住友カード株式会社が実施したシニア世代のキャッシュレスに関する意識調査によると、「1年前に比べて、キャッシュレス決済が増えた」と回答した高齢者は全体の58.8%だそう。さらに最もよく利用する決済方法は「キャッシュレス決済」(49.0%)となっていました。現金以外のキャッシュレス決済と現金決済の割合で比べてみると現金派が32.6%でキャッシュレス派が67.4%。今や高齢者でも約7割がキャッシュレス派なのです。

「スマホ決済」を利用している高齢者は、わずか0.4%しかいませんでした。

なぜここ1年で増えたのでしょうか?その理由を調査したところ、以下のような結果となりました。

ここ1年でキャッシュレス決済が増えた理由

キャッシュレス決済ができる店舗が増えたから……65.8%

キャッシュレス・消費者還元事業があったから……40.6%

オンラインショッピングの機会が増えたから……33.6%

便利だと気付いたから……29.2%

お得なキャンペーンが多いから……22.8%

新しい生活様式で推進されているから……16.4%

サインレスのお店が増えたから……12.1%

一番多かったのは「キャッシュレス決済ができる店舗が増えたから」。これは二番目に多い「キャッシュレス・消費者還元事業があったから」の影響や、スマホ決済アプリの普及も影響しているのではないでしょうか?

そして無視できないのが、新型コロナウイルスによる「新しい生活様式で推進されているから」の意見。また「オンラインショッピングの機会が増えたから」という意見も多くなっていますが、これも外出自粛による新型コロナの影響は大きいと感じます。また現金派だったけどキャッシュレス決済が増えた人の具体的な意見としては「お財布の中がスッキリした」(女性 60歳)、「履歴が残り次回に役立つ」(男性 70歳)といった声も。一度使うとその便利さを実感する人が多いようです。

2人に1人の高齢者はチャージによる電子マネーを愛用

とはいえキャッシュレス決済といっても今やいろいろな種類があります。高齢者はどんなツールを使っている傾向にあるのでしょうか?そこで同調査では「ふだんの買物で利用する決済方法」を調査。結果は以下の通りとなりました。

現金しか利用できない店舗がまだある以上、ある程度の現金は持っている必要があります。

こちらの調査結果では僅差で「現金」が1位ですが、「クレジットカード」も90.8%とかなり高い数値。それに続くのは「交通系以外の電子マネー」となっています。代表的なのはイオングループが運営する「WAON」、セブン&アイグループ運営の「nanaco」などが有名ですが、チャージして使うシステムはシンプルなので、高齢者と相性がいいのかもしれません。

6月30日まで実施されたキャッシュレス決済によるポイント還元事業は、かなり効果的だったようです。

ポイント付与やキャンペーンなど、現金と比較すると得することも多いキャッシュレス決済。賢く利用して、少しでもお得と便利さを享受したいものです。

【調査概要】
調査主体:三井住友カード株式会社
調査方法:インターネットリサーチ
調査期間:2020年9月28日
調査対象:60代〜70代の一般男女(三井住友カード保有有無問わず)
有効回答:500サンプル