三笘薫に田中碧、瀬古歩夢… 東京五輪世代、12月末予定の国内組サバイバル合宿で注目の顔ぶれは?

森保一監督の下で10・11月の合計18日間を活動した欧州組とは異なり、国内組の選手たちは新型コロナウイルスによる渡航制限とJリーグの超過密日程の影響もあって、日本代表への参加のチャンスを得られなかった。となれば、直接的なアピールの機会は減り、指揮官やコーチングスタッフと信頼関係を構築する時間も少なくなる。本大会メンバー入りを考えると不利な立場にいるのは明らかだ。
とはいえ、今季のJでは東京五輪世代が大活躍している。史上最速優勝に王手をかけた川崎フロンターレで新人ながら12ゴールをマークする三笘薫、5得点の旗手怜央を筆頭に、ガンバ大阪の中盤を担う山本悠樹、ここからアジアチャンピオンズリーグ(ACL)に挑むFC東京の安部柊斗、中村帆高、横浜F・マリノスの前田大然ら、著しい真価を遂げている面々がいるのを忘れてはならない。
横内昭展コーチが中心となったチームで国際試合ができるのは、2021年3・6月のインターナショナルデー(IMD)と本番直前合宿だけ。ただ、3・6月は2022年カタール・ワールドカップ(W杯)予選と重なるため、主要メンバーはA代表に参戦するが、それ以外の欧州組と国内組を融合させる貴重な場になる。本番直前も18人決定後の最終調整の機会。このままでは、滑り込みを狙う国内組にとっては不本意な状況と言っていい。
そこで、日本サッカー協会はJリーグ全日程が終了した直後の12月下旬に国内合宿を実施する方向で調整しているという。今年オープンした千葉・幕張の高円宮記念JFA夢フィールドでU-19世代と同時期にトレーニングを行なうプランが進んでいる模様だ。
この時期は天皇杯に参加する川崎と2位のクラブ、そして1月4日に延期されたルヴァンカップ決勝に参戦する柏レイソルとFC東京の活動が残っているが、大一番まで少し余裕があるなら、該当メンバーは数日なら代表活動に合流できるだろう。
数少ないアピールの場で森保監督や横内コーチに「必要な選手」と認められれば、1年延期になった大舞台、そして来年9月スタート予定のカタールW杯最終予選の挑戦権を得られる。このルートに乗れれば、2年後の世界舞台参戦も見えてくるはず。国内組が「成功ロード」を切り開くためにも、協会には何としてもサバイバル合宿を開催してほしいし、選手たちにも好機を逃してほしくない。
今のところ東京五輪代表の軸はA代表入りしている欧州組が担うと目されるため、彼らの手薄なポジションであれば国内組のチャンスが広がる。その筆頭がGKだ。権田修一(ポルティモネンセ)が「才能がある」と太鼓判を押した海外組の小久保ブライアン(ベンフィカU-23)も候補者の1人だが、より近いところにいるのは大迫敬介(広島)、波多野豪(FC東京)、谷晃生(湘南)らJで試合に出ている面々だろう。このうち大迫は2019年時点までレギュラー最右翼を見られたが、今季のJリーグは出たりでなかったり。それ以上に活躍が光っているのが谷だ。湘南では好セーブを連発し、存在感を高めている。U-15世代から菅原由勢(AZ)、久保建英(ビジャレアル)らとともに共闘してきた連携面を含め、アドバンテージを生かせそうだ。