パナマ戦で空中戦を競り合う植田(C)共同通信社

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【森保J再出発 欧州組たちの現在地】

酒井宏樹「ポジティブな佑都君からいい刺激をもらってる」

 植田直通(セルクル・ブルージュ・DF・26歳)

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「自分の得意なヘディングでチームを助けたい思いが強かった」。そう語気を強めたのは、10月のコートジボワール戦で決勝弾を叩き出した植田直通だ。11月のオーストリア遠征初戦・パナマ戦でも先発したが、次なる目標は定位置奪取である。

 アギーレ元監督時代の2015年アジア杯でA代表に初招集され、約2年後の17年12月のE―1選手権で代表デビューを飾った植田。代表戦に出られない状況が長く続いた。

 18年ロシアW杯も出番がなく、森保日本発足後も主将の吉田麻也(サンプドリア)と若き新星・冨安健洋(ボローニャ)の厚い壁に阻まれている。

「代表に呼ばれている回数はかなり多いけど、足りない部分はたくさんある。DFとして目の前の相手に負けないこと、失点しないこと。その質を上げたい」と意気込むのもよく分かる。代表13試合・1得点というのは、6年近く代表にいる人間として納得いかないはずだ。

 それでも3シーズン目を迎えたベルギーでは着実に存在感を高め、プレーの幅を広げている。

「鹿島にいた頃の自分は空中戦に絶対の自信があった。普通に飛んでも勝てる相手はたくさんいた。でも欧州には2メートル超のFWもいるし、速くて強い選手は少なくない。そういう相手にどう対峙するかをベルギーに来てから取り組み続け、守りもうまくなったという実感がある。相手に自由に競らせない駆け引きとかスライディングで相手を止める技術も学びつつ、身に付けたい」と1年前にも語っていたが、本人は地道な努力を続けている。

 ロングフィードにも磨きをかけ、パナマ戦でも最前線の南野拓実(リバプール)らに正確なボールを通し、チャンスをつくっていた。 

 飛躍を遂げ、そして今度こそは代表レギュラーを取りに行きたい。カテナチオの国・イタリアで研鑽を続ける吉田と冨安を超えるのは容易でないし、板倉滉(フローニンゲン)ら若手も追い上げているが、カタールの大舞台に立ちたければ、高い目標に挑むしかない。

「主力(CB)の2人はミスが少ないし、縦パスの質といった技術も高い。レベルを上げていくことが第一」と彼は自らにそう言い聞かせる。

 小学生時代にテコンドー日本3位になった男の秘めたポテンシャルに期待したい。

▽うえだ・なおみち 1994年10月24日生まれ。熊本県出身。大津高から2013年に鹿島入り。18年、ベルギー1部セルクル・ブルージュに移籍。16年リオ五輪出場。17年12月、日本代表デビュー。10月13日のコートジボワール戦で代表初ゴール。185センチ、82キロ。

(元川悦子/サッカージャーナリスト)