主演の仲野太賀 (C)2020「泣く子はいねぇが」製作委員会

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 新鋭・佐藤快磨監督がメガホンをとった「泣く子はいねぇが」の本編映像が披露された。主演を務めた仲野太賀がナマハゲとなり、家々をめぐって厄払いするシーンを収めている。

 是枝裕和監督が率いる映像制作者集団「分福」が企画協力し、秋田・男鹿半島の伝統文化である「男鹿のナマハゲ」から、「父親としての責任」「人としての道徳」というテーマを見出した、佐藤監督(「ガンバレとかうるせぇ」「歩けない僕らは」)の完全オリジナル作品。親になることからも、大人になることからも逃げてしまった主人公・たすく(仲野)が過去の愚行と向き合い、不器用ながらも青年から大人へ成長する姿を描く。

 披露されたのは、たすくたちがナマハゲに扮し、厄払いを行うシーン。神社でのナマハゲたちの雄々しい雄たけびから始まり、家に入っては子どもたちを追いかけまわる。

 脚本を書き上げるため、約5年間男鹿に通い続けた佐藤監督は「毎年、子どもたちの泣き顔が違うことが醍醐味だと思ったので、“ふり”にしたくなかった」という理由から、出演する地元の子どもたちにこのシーンの内容は明かさず、本当にナマハゲに怖がる様子を撮影。真に迫った仲野の演技と相まって、リアルで迫力ある「男鹿のナマハゲ」が映し出されている。

 佐藤監督は、幼少期に男鹿の友人の家でナマハゲが家に来る体験をしたそうで、「号泣して父親に抱きつく友人の隣で、私には抱きつける家族がおらず『父親がいてくれたら』と泣くのを我慢した記憶があります。そうした記憶と取材を通じ、ナマハゲは、子どもをただ泣かせるということではなく、親が子を守り、子を守ることで男の心を父親にする行事なのではないかと思い至りました」と、本作の着想を得たことを語っている。

 「泣く子はいねぇが」は、11月20日から東京・新宿ピカデリーほか全国で公開。