2019年参院選における一票の格差訴訟の判決が言い渡された最高裁大法廷=18日午後2時58分、東京都千代田区(代表撮影)

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 昨年7月の参院選の「一票の格差」をめぐり、最高裁は18日、合憲と判断した。

 国会が長年にわたって格差是正に取り組んできた姿勢が評価された形だが、最近は国会の選挙制度改革も目立った進展が見られない。判決は「国民の意思を適正に反映する選挙制度」の実現を求めており、解決に向けた選挙制度のさらなる改革は避けられない状況だ。(加藤園子)

 最高裁は一票の格差訴訟で、長年の経緯を省みて評価を決める傾向にある。今回は、平成27年の公選法改正で半世紀にわたり5倍前後で推移した格差を約3倍に抑えた方向性を「維持」した点を評価。改革の姿勢が「失われるに至ったと断ずることはできない」と、やや苦しい表現ながらも判を押した。一方、わずかな是正にとどまった30年改正は「必要な取り組みが大きな進展を見せているとはいえない」とも指摘した。

 個別意見で林景一裁判官は、27年改正の付則で「抜本的な見直し」を宣言した割に、是正の「内容が乏しい」と批判して違憲と判断。宮崎裕子裁判官は「都道府県を選挙区の単位にすることが格差を生む」と指摘した24年判決から7年たっても都道府県制がほぼ改善されていないのは「国会の裁量権の限界を超えている」として違憲を導いた。

 2県を1つの選挙区にする「合区」は27年改正で導入されたが、反対の声も多い。実際、地理的にもこれ以上合区を進めるのは困難で、選挙区制や参院そのものの在り方についての抜本的な議論は必須だ。最高裁は、何倍なら合憲かという線引きを明確にしたことはなく、改革が停滞すれば再び「違憲状態」の評価もありえる。

 判決は「改革の実現は漸進的にならざるを得ない」と時間を要することに理解も示したが、政策研究大学院大学の増山幹高教授(政治学)は「国会が今後、格差是正の取り組みを忘れてもいいという判断をしたわけではない」と警鐘を鳴らした。