相手と競り合うMF原口元気

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[11.17 国際親善試合 日本0-2メキシコ グラーツ]

 ワンチャンスを決めるか決めないか、その差だった。前半12分、MF鎌田大地のサイドチェンジを受けた日本代表MF原口元気(ハノーファー)がPA左手前から右足で強烈なミドルシュート。決まっていてもおかしくないコースと威力だったが、メキシコGKギジェルモ・オチョアが全身を目いっぱい伸ばしながら左手で弾いた。

「前半の立ち上がりから僕らのペースでやれていたが、そこで決め切れなかった。僕ら前の選手のクオリティーの部分」。直後の前半15分にもFW鈴木武蔵の決定機をオチョアに阻まれ、責任は攻撃陣にあると噛みしめるように振り返った。

 勝てそうだと思ったタイミングで瞬時に流れを変えられたのは、18年ロシアW杯決勝トーナメント1回戦のベルギー戦と同じだったという。ベルギー戦では後半の立ち上がりに原口とMF乾貴士が立て続けにゴールを決めて日本が2-0とリードしたあと、長身選手の投入で修正を図ってきたベルギーに逆襲され、2-3の逆転負けでW杯を去ることになった。

 原口が「フラッシュバックしましたね」と言うように、メキシコは戦術的対応で一気に流れを変えた。「まさにしたたかというか、修正力というか。僕らがいけると思ったときに彼らが良い修正をした。逆に僕らは苦しい時間帯に、そこから修正できなかった」。

 試合の中で修正できるチーム作りを標榜する森保ジャパンだけに、その部分で相手に上回られたのは痛恨だった。「自分たちが求めていることをやられた。実力がある相手に対して、終わったあとに“なんで毎回こうなるんだ”という感情になった。2年前のベルギー戦のように、勝てたんじゃないかという感情が来るし、簡単に勝たせてくれないレベルの相手だった」。

 試合前、「世界のトップ10に入るためには確実に倒さないといけないレベルの相手。分かりやすい指標になる」と語っていたメキシコにしてやられ、現在地が見えた。カタールW杯まであと2年。「今日がW杯でなくてよかった。この2年間を無駄にせず、W杯で同じ思いをしないようにしたい」と力を込めた。

(取材・文 矢内由美子)