エヴァートン戦で負傷交代したファン・ダイク photo/Getty Images

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粕谷秀樹のメッタ斬り 047

悲観的にならざるをえない──。

フィルジル・ファン・ダイクに続き、ジョー・ゴメスまでもが長期の戦線離脱を余儀なくされる重傷を負った。レギュラーのセンターバックが起用できないのだから、ポジティブ・シンキングのユルゲン・クロップ監督もつらいよ。心中お察しいたします。

短期間であれば、ジョエル・マティプとファビーニョ、ナサニエル・フィリップ、さらにジェイムズ・ミルナーで対応できる。でも、ファン・ダイクとゴメスの復帰は早くて来年5月といわれているでしょ。シーズンの趨勢は決まっているわけで、代役のCBが通じるほどプレミアリーグは甘くない。リヴァプールの連覇は極めて難しくなったね。

とはいえ、クロップ監督が指をくわえて現実をやり過ごすとも思えない。来年1月に再開される移籍市場で、即戦力のCB獲得に動く可能性は特大だ。スポーツディレクターのマイケル・エドワーズとともに詳細なプランを練り上げ、すでに水面下で接触しているかもよ。地元紙『LIVERPOOL ECHO』も、「ダヨ・ウパメカノ(ライプツィヒ)が第一ターゲット」と報じているね。

もうひとつのプランとして、ディオゴ・ジョタの常時起用をお勧めする。最終ラインの不安を隠すためには前線のパワーアップが必要不可欠で、その先兵がポルトガル代表でもあるスーパータフネスだと思うんだ。

リヴァプールのコーチを務めるペピン・リンダース曰く、「ディオゴはプレッシングマシン」。とにかく、足を止めない。相手ボールにしつこく食い下がる。この動きを90分、いやいや、後半追加タイムまで維持できるので、中盤と最終ラインの負担はかなり軽くなるよね。

プレスをかけられるとヘタレになるDFにとって、ジョタのプレスはかなり厄介だ。例えばマンチェスター・ユナイテッドのビクトル・リンデロフみたいなヤツさ。あの野郎、いつになったら……。あっ、いかんいかん、今回のテーマはリヴァプールだった。

要するに、“攻撃は最大の防御なり” ってことなんだ。汎用性豊かなジョタの有効活用が、現時点では最善策じゃないかな。3トップでも2トップでも、中盤インサイドでも高次元のプレイを見せるでしょ。ウパメカノがワールドクラスのCBだとしても、プレミアリーグのプレイ強度に即フィットできる保証はどこにもないわけだからさ。

それにしても、今シーズンのリヴァプールはアクシデントが多発している。主力が負傷に倒れ、新型コロナウイルスにチアゴ・アルカンタラ、サディオ・マネが感染。モハメド・サラーもエジプト代表の合宿中に、陽性反応が確認された。

「われわれは多くの困難を乗り越えて強くなった。今回もうまくやれるさ」

アンドリュー・ロバートソンは強気だけれど、負の連鎖はマイナスの影響を及ぼす。ファン・ダイク欠場に備えた代案なんか、いくらカネを積んだって見つかりっこない。プレミアリーグの目標を、優勝から4位以内に下方修正すべきかもね。

文/粕谷秀樹

スポーツジャーナリスト。特にプレミアリーグ関連情報には精通している。試合中継やテレビ番組での解説者としてもお馴染みで、独特の視点で繰り出される選手、チームへの評価と切れ味鋭い意見は特筆ものである。