チーム作りの基準は“ロストフの悲劇”…吉田麻也、強豪メキシコ戦は「チャンスになる」

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 日本代表DF吉田麻也(サンプドリア/イタリア)が、オンラインでのメディア対応に臨んだ。

 吉田は13日に行われたパナマ戦でフル出場し、1−0の完封勝利に貢献した。同試合の反省点については、「残り10分で、2、3点目を取って相手の戦意をそぐ(ことが出来なかった)。W杯本戦で考えれば、(パナマは)ポット3のチームとして戦うこともあり得ますが、(本番とは)残り10分の疲労度が全然違う。グループステージを突破した時、その後の戦い方を考えると、(ラスト10分は)非常に大事な時間と感じています。全選手がそこまで考えて、W杯を想定して戦わないといけないな、ということが前回の試合の反省点でもあります」と語った。

 吉田は17日の国際親善試合で対戦するメキシコ代表について、「相手は非常に強いと思います。W杯ではポット1、2に入るチームに対して、『確実に勝ち点3を取らないといけない』と考えたときにいい相手。韓国戦を見ても強いだろうという印象。FWがプレミアリーグでやっている選手(ウルヴァーハンプトンのラウル・ヒメネス)。中2日なので、どう出てくるかわかりませんが、万全の準備をして、より一層本番を想定してプレーしないといけないです」と警戒した。

 メキシコは14日に行われた国際親善試合で韓国代表と対戦。1点のビハインドから4分間で3ゴールを奪って3−2で逆転していたが、同試合が試合を戦う上での参考になると吉田は捉えている。「韓国は日本と似ている部分もあるので、分析しやすいですね。あの時間で3点取られるのはメキシコがよかったというより、韓国がやってはいけないミスを冒した印象でした。だけど、逆に言うと、(メキシコは)ああいうミスから得点する能力があるということ。自分たちがやろうとしているところで『ミスは起こる』というのは把握しているわけで、そこでいかに失点を防げるかがカギになると思います」

 2018年のFIFAワールドカップ ロシアから2年が経ち、2022年のカタールW杯までは残り2年。吉田は森保一監督が進めるチーム作りのベースについて、2018年のW杯ベスト16、2点先行から3失点を許して逆転負けを喫したベルギー戦が基準になっていると語った。

「あの試合でできなかったことをこの4年で追求することがテーマの一つです。試合の中で流れを読んで、自分たちで判断して、よりベターな方向に軌道修正することが、あの試合で足りなかったこと。(そのように)森保さんもミーティングで常々言っているし、僕たちもうまく行かない時に耐える、変化を起こして軌道修正することは意識しています。大会が大きくなるほど、外から変えるものではなく、中で自分たちで判断して自発的に変えることは意識していて、そこは監督に求められています」

「選手だけではなくチームとしての経験値が高くないと、組み合わせやラッキーな部分で突破できる可能性があっても、その次に行くには本当に実力がないと難しい、というのはあの試合(ベルギー戦)で感じました。そのためには個々の経験値を各々が上げることと、チームとしての成熟度を高めること、経験値を増やすことが当面の課題と感じていました。今、多くの選手がそういう理解で、しのぎを削っていると考えると悪くないです。もちろん、もっとレベル高いところ、何人もの選手が毎試合チャンピオンズリーグに出る状況が理想ですが、そこは理想ばっかり言っていてもしょうがない。なので僕も自身もそうですが、サウサンプトンだろうがサンプドリアだろうが、チーム内の競争に各々が勝って、いいコンディションで毎回代表戦に挑むことが大事だと思います」

 今年は10月まで試合ができなかった中、進化・積み上げの状況を問われると、「難しいですね(笑)。自分が考えていた形ではない」と答えた吉田。「レギュラーの形には正直なっていますが、今判断するのは非常に難しい。アジア予選もまだ2次予選で、対戦国のレベルも正直高くない。10月、11月とトレーニングマッチしましたが、言ってもトレーニングマッチということも理解している。FIFAランクの高いメキシコとやれるということは、自分たちの立ち位置を把握できるチャンスになると思う」と語り、メキシコ戦が一つの試金石になるとの見方を示した。