安倍晋三氏

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 安倍晋三前首相は16日、都内の五輪ミュージアムで国際オリンピック委員会(IOC)が五輪ムーブメント推進に功績があった人物に授与する「オリンピック・オーダー」の授与式に出席した。日本人受賞者は4年ぶり63人目で、歴代首相では初めて。最高位にあたる金章を受賞するのは、日本人3人目。来日中のトーマス・バッハ会長、組織委の森喜朗会長らも出席した。

 スピーチに立った安倍前首相は「わたくしは、ただいまいただきました賞の、その重みをどう受けとめたものか、胸の奥に自ら尋ねまして、言葉をさがしあぐねております」と、感無量の様子で話した。

 「2021年7月23日、東京の空高く、いまふたたび、ブルー・インパルスが天翔ける時、世界の、どんなところに住まう方も、一度は絶望の淵にくれた人々でさえ、天を、青空を、はるかに仰ぐことでしょう。

 その日、東京にラッパが鳴る。ファンファーレは世界に響き、人の心に凍りついた恐怖を解かし、希望に置き換えてくれることでしょう。

 いまこの栄誉あるオーダーをいただき、わたくしは、その確信が、いよいよ身のうちにみなぎるのを感じます。

 そしてバッハ会長。会長は、まさしく同じ確信をおもちなのではないでしょうか。日本国民に対して、頑張れ、絶対に成功させろと、励まし、エールを送るおつもりで、このオーダーをくださった。そうではありませんか、バッハ会長。TOKYO2020は、全人類に希望のビーコンを送ります。どんなにうちひしがれても、何度でも、また立ち上がる、人間の気高さを称える大会になります。オーダーにかけて、わたくしはそう申し上げ、受賞の言葉といたします。本当に、ありがとうございました」と、スピーチした。

 安倍前首相は2013年に招致が決まった際の首相で、最終プレゼンテーションにも登壇した。16年リオデジャネイロ五輪では、閉会式で行われた東京大会のパフォーマンスで、人気ゲームキャラクター「マリオ」に扮して、巨大な土管から登場し、話題を呼んだ。今年3月に新型コロナウイルスの感染拡大で当初計画の開催が困難になった際は、1年延期をIOCに提案した。

 バッハ会長は「1年延期という歴史的決断できたのは安倍前首相との絆のおかげ。わずか30分の議論で決定できたのは、我々の相互理解と信頼を示している」と、称した。「2016年リオデジャネイロオリンピックの閉会式で、(安倍前首相の)オリンピックへの献身が新たな高みに達しました。スーパーマリオに扮し、五輪スタジアムの真ん中に現れた瞬間を、誰も忘れることはないでしょう。あなたはオリンピックの歴史で、忘れられない創造的な方法で世界の舞台に日本文化を宣伝しました。同時に、世界中の多くの人をそのユーモアで驚かせました」と、“安倍マリオ”を称賛。そして、「東京五輪の開会式を楽しみにしております。どんなコスチュームで出てくるのか」と、期待を込めた。