GoToキャンペーンを利用して割安なホテル選びを楽しもう(写真:fotodesign/PIXTA)

筆者は旅することが趣味であり、それが仕事にもつながっている。「Go Toトラベルキャンペーン」などあろうがなかろうが、「旅行するときはするし、しないときはしない」と思っていた。しかし、結果的に「Go Toトラベルキャンペーン」ではずいぶん得をさせてもらったので報告したい。


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ホテルは検索サイトから安い宿を見つけて予約しているが、いつも通りに予約をすれば、「Go Toトラベルキャンペーン」が適用されて割引になる。宿泊費が5000円なら35%割引の3250円になり、さらに1000円の地域共通クーポンがもらえるので、5000円の宿が実質2250円になる。これはかなりお得である。

1泊1430円のホテルも

以下は筆者が実際に、2020年秋に利用したホテルの料金と「Go Toトラベルキャンペーン」割引後の料金である。

広島インテリジェントホテル 4000円 割引後2600円 1000円クーポン付き
ホテルアルファーワン第2松江 4800円 割引後3120円 1000円クーポン付き
ハイパーイン メイアップ徳島 4000円 割引後2600円 1000円クーポン付き
ホテルリブマックス小倉 2200円 割引後1430円
福岡 サンビジネスホテル 2600円 割引後1820円
*福岡市は1泊200円の宿泊税が加算される
ホテルアルファーワン徳山 5400円 割引後3510円 1000円クーポン付き
岡山 ビジネスホテル新子 4600円 割引後2990円 1000円クーポン付き
ホテルテトラ京都駅前 2泊で5400円 割引後3510円 1000円クーポン付き
*京都市は1泊200円の宿泊税が加算される

北九州のホテルリブマックス小倉などは、そもそもの宿泊料金が2200円とかなり安く感じられるが、カプセルホテルなどではない。夜遅くに到着する予定だったので、24時以降にチェックインするという条件付きのプランである。

そのほかのホテルも7日前までの予約によるプランなどの割引料金が多いのだが、「Go Toトラベルキャンペーン」はそれらホテルが設定している割引料金からさらに35%を税金で補填するので、利用者は割引のさらに割引になってうれしい限りである。

ホテル側も設定した料金が入ってくるので、客からもらう金額は少なくても痛くもかゆくもなく、キャンペーンの趣旨通り、旅行需要発掘に寄与しているわけだ。また、そういう意味では、この「Go Toトラベルキャンペーン」は納税者としては使わないと損ともいえるだろう。

現在は海外旅行ができない日々が続いているが、この時期に国内旅行をおすすめしておきたい。コロナ以前は日本の観光都市中心に外国人観光客で賑わっていたので、ホテル代が高騰し、日本人が利用しにくい状況であったが、現在はその頃に比べるとホテルの値段がかなり安くなっているからである。

たとえば、上記の京都駅近く(駅から徒歩6分)のホテルが2泊で3510円(11月上旬)というのはかなり安い。例年だと紅葉時期の京都駅近くのホテルは1万5000円以上が相場で、それでも予約できればいいほうで、そもそも部屋の確保が難しかった。

私はいつも京都ではドミトリーと呼ばれる外国人バックパッカーなどが泊まる1泊2000円以下の宿泊施設を利用するか、京都に用があるときでも大阪や滋賀の宿を利用していたくらいである。外国人観光客がいなくなったことで京都はかなり泊まりやすくなっていることは確かである。

利用したホテルテトラはインド最大で世界でも有数のホテル客室数を誇るOYOホテルグループである。私がチェックインしたときのフロント係はベトナム人で、日本語、英語、そして母国ベトナム語ができる。おそらく外国人観光客が多い京都ならではの展開で、2019年にオープンしたばかりのピカピカのホテルであった。

このような傾向は京都に限ったことではなく、「Go Toトラベルキャンペーン」の適用は受けていないが、8月には札幌駅近くのアパホテルに3000円台で宿泊することができた。

1000円のクーポンも有効に使いたい

宿泊料金の割引とともにうれしいのが、1000円の地域共通クーポンがもらえることである。

上記の表では、小倉と福岡のホテルではクーポンが付かなかったが、これは宿泊料金そのものが安すぎて、クーポン付与の対象にならないためである。京都のホテルも1泊で考えると対象にならないが、2連泊しているので2泊に対して1000円クーポン1枚だけ付与された。

これらクーポンは1泊であればチェックインした日とチェックアウトした日に、その地域で使うことができ、おもに旅行者が使いそうなお店が対象となる。土産物店、旅行者が多く利用しそうな飲食店などである。利用できる店には入口に地域共通クーポン取扱店である旨の表示がある。1000円分の買物ができると思えばよく、1200円の商品購入ならこのクーポン+200円を払うことになるが、お釣りが出ないので1000円以上のものをひとつのお店で買うように考慮しなければならない。

筆者は鉄道旅行だったので、おもに1000円以上の駅弁購入に充てたが、適当な使い道がなく、お土産などにも興味がない場合は、コンビニエンスストア(コンビニ)で利用できるので、コンビニが重宝する。また、大都市に限られそうだが、デパートでも利用できた。現在は、コロナも気にしなければならないので、会食や居酒屋は避け、購入したお弁当をほおばる寡黙なひとり旅を楽しみたい。

「地域共通クーポン」なので、利用できる地域が決まっていて、京都のホテルでもらったクーポンの場合、京都府、そして隣接する滋賀県、三重県、奈良県、福井県、大阪府、兵庫県が利用できる範囲になる。

クーポンはフェリーを意識した「地域」だった

実は島根県で地域共通クーポンをもらうので、私は岡山駅で「桃太郎の祭ずし」(有名駅弁)購入にでも充てようかと目論んでいたのだが、米子駅でふとクーポンを見ると岡山県が含まれておらず、あわてて米子駅で「かに寿司」を購入した。地図で確認すると確かに島根県と岡山県は県境を接していなかった。


地域共通クーポンは発行都道府県(囲み付き)と隣県で利用できるが、隣県にはフェリー航路も含まれるようだ(筆者撮影)

かと思うと、徳島でもらったクーポンには和歌山県が含まれていて、徳島と和歌山がフェリーでつながっているからだそうだ。同様に広島でもらったクーポンには愛媛が含まれていて、しまなみ海道でつながっているので納得だ。

山口でもらったクーポンには大分が含まれていて、これは、徳山〜竹田津(大分県の国東半島)を結ぶスオーナダフェリーがあるからだなと思った。この地域共通クーポン、かなりローカルなフェリー航路を意識しているのだなと苦笑してしまった。

クーポンを「どこで有効に使おうか」と、あれこれ悩むのも現在の旅の楽しみである。