現在、日本を含む世界中で注目されている「非認知能力」。幼児教育のポイントとなるものですが、学習面ではなく「内面」を育てていくことが目的となるため、これといった確実な正しい方法はありません。

とはいえ、これまでの研究により注目すべき力や伸ばし方などがいろいろと分かってきています。導入に遅すぎることはありません。今からでもできることを取り入れてみましょう。

この記事のポイント

気付ける・考えられる環境作りが大切! 遊び方は自由! 面白い手作りおもちゃアイデア 保護者は「必要最低限の声かけ」を意識しよう

気付ける・考えられる環境作りが大切!

現在世界中で注目を集めている「非認知能力」ですが、実は日本の教育は、今までにも「非認知能力」の育成も大切にしてきたと言えます。その理由として、
・相手の気持ちを考えること
・社会でのマナー、ルール
などをしっかり教えてきており、それゆえに行き届いたお店のサービスや、世界で活躍できる企業が存在すると言えるからです。

文部科学省による「幼児期の終わりまでに育ってほしい幼児の具体的な姿」として示されている項目は全部で12個。
・健康な心と体
・自立心
・協同性
・道徳性の芽生え
・規範意識の芽生え
・いろいろな人とのかかわり
・思考力の芽生え
・自然とのかかわり
・生命尊重、公共心等
・数量・図形、文字等への関心・感覚
・言葉による伝え合い
・豊かな感性と表現
となっています。

教育や子育てのなかで、これらすべてをバランスよく伸ばしていくのは大変です。幼稚園や小学校では「指示やルールを大切にする」が必要となりますが、これを重視しすぎると「自由な発想・想像」に結び付かず、個人の個性や考え方が発揮できない……というデメリットにぶつかることも。そのためこれからの教育では「あきらめず考える力・新たな挑戦への意欲など」にも力を入れていくことが大切とされています。

とはいえすべてが整っていて便利かつ、大人が指示する環境では子どもが「考える」必要がありません。だからこそ、非認知能力を育てるために必要なのは「適度に足りない」環境だと言えます。

■「適度に足りない環境」ってどんな環境?

こういうものが欲しいと思ったとき、ネットを探せばなんでも見つかる環境の現在。でもそれをそのまま購入して手元に置いてしまうのでは、「考える」につながらない可能性もあります。

キャンプや大自然に行けば強制的に何もない環境となるため、子どもは身の回りの自然でさまざまな遊びを考え始めます。自宅では「何もない」は無理ですが、欲しいおもちゃをすぐに買わない、という選択がお子さまの「考える」を促すかもしれません。

なぜそれが欲しいのか? を考えると、キャラクターが好きだったり遊び方が好きだったりして、意外と「そのおもちゃ」でなくてもOKな場合もあります。お子さまと相談しながら段ボールにシールを貼ったりして、興味を満たす手作りおもちゃを作ってみるのもおすすめです。

遊び方は自由! 面白い手作りおもちゃアイデア

段ボールなどを使った手作りおもちゃといえば「そのまま絵を描いて車にする」「お金などを作っておままごと」などがあります。でも段ボールは、小さな子どもから大きな子どもまで楽しめる可能性が無限大。考えるきっかけを与えるだけで、いろんな手作りおもちゃアイデアが生まれてきますよ。

【3歳〜6歳】ママ直通! 段ボールスマートフォン
お絵かきや折り紙が大好きなお年頃のお子さまには、段ボールでスマートフォンを作ってあげるのがおすすめです。もちろん本物のようには動きませんが、大きな画面にママの顔を書いてもらう、お気に入りの折り紙でデコレーションしてもらうなどすると、お子さまの満足度も上がります。

紙コップで糸電話をつくるのも「不思議!」を感じられてgood。「なんでかな? 不思議だね!」などの声かけをしながら、興味を持って考えるキッカケづくりができるとよいですね。とはいえ、電話完成後は3分に1回ほどの頻度でママへ電話がかかってきたりして、ママがちょっと忙しくなることも。

【7歳以降】自由なお題の神経衰弱・凝った作りのアイテムなど
手作りの神経衰弱はとても簡単に作れるうえ、内容をお子さまに任せると面白すぎるものが生まれることもあります。「みんなが楽しめて、いやな思いをする人が出ない内容をお願い」とお子さまに頼めば、モラルを教えることにも役立つかも。

また、年齢が上がればきちんとサイズを測って切り取る・組み立てるなどができるため、ロボットやガチャガチャマシーン、アートなオブジェなどを制作するのもおすすめです。現在は工作キットなども販売されているので、考え方やアイデアのキッカケ&腕試しとして利用してみても。

インターネット検索や動画サイトなどを見ると、子どもから大人まで驚くような作品の作り方・作業風景が公開されています。「無いからあきらめる」のではなく「なんとかしてできないかな?」と考え、何事にもチャレンジしてもらえたら嬉しいですね。

■失敗したら修正方法を一緒に考えよう

上手にできなかったときは「失敗だ」で終わらせず、大人だからこそ思いつく「修正アイデア」をお子さまに伝え、一緒にやってみましょう。段ボール工作なら補強やカバーがしやすく、「失敗しても方法はあるんだ」と理解しやすいのも大きなメリットです。

また、失敗した理由を一緒に考えて次に生かすことも忘れずに。親子で話し合いながらひとつのものを作り上げる時間は、とても楽しくて濃い、貴重な時間となります。

保護者は「必要最低限の声かけ」を意識しよう

子どもが何かに興味を持ったとき、大人のモノサシでつい「もっとこっちを見てほしい」という大人の希望へ誘導してしまうこともあります。でももしかするとその声かけでお子さまの「興味への関心」は失われ、想像力を伸ばせなくなっているかも。

子どもが何かに興味を持ったら、生活リズムやライフサイクルはできるだけ変えないよう声かけ・ルール作りをしながら、飽きるまでやらせてあげるのがおすすめです。「満足するまで没頭する」のも、自分自身を見つめて理解するための大切な過程。

保護者はつい「先に勉強をしなさい」と言いたくなりますが、指示ではなく≪声かけ≫の意識を。「やるべきことは先にやりましたか? きちんとできていればあとは自由だよ」など、お子さまの遊びや自由を尊重していることが伝わると、反発心も生まれにくくなるかも。この声かけも何度も言うのではなく、回数や内容共に必要最低限にとどめてみましょう。

まとめ & 実践 TIPS

「非認知能力」はさまざまな体験や経験を通して、考えたり、新たな知識を得たりすることで育っていきます。基本的には「自由にやらせる」ことがメインとなるので、保護者はどうしても「勉強が先でしょ……」と思ってしまいがちですが、自由時間をたっぷり楽しむことで、勉強への意欲が生まれる可能性もゼロではありません。

さらに一緒に楽しんで濃い時間を過ごせれば、「じゃあお互いにやるべきことをやりましょうか!」という切り替えもしやすくなります。ぜひ「子どもの能力を伸ばす」というよりも「一緒にいろんなことを楽しむ」気持ちでサポートしていきましょう。

出典:文部科学省「学校段階等別・教科等別ワーキンググループ等の検討事項等」
URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/057/siryo/__icsFiles/afieldfile/2016/04/07/1368680_06.pdf