過去に100万円の値引きも!? トヨタ「アクア」やスズキ「ソリオ」は今が狙い目? 小型車の最新事情

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新型モデルに押されるも、大幅値引きで勝負?

 2020年度上半期(4月から9月)では、新車販売台数ランキングトップ10のうち半分をコンパクトカーが占めています。
 
 まさに「コンパクトカー戦国時代」ともいえますが、かつて売れ筋だったモデルの現在はどうなっているのでしょうか。

ヤリスやカローラ人気に押され気味? かつての燃費王者「アクア」は今が狙い目?

 この上半期でトップに輝いたのは、トヨタのコンパクトカー「ヤリス」です。これまで「ヴィッツ」として販売されたモデルが名前を変えたほか、2020年8月にコンパクトSUV「ヤリスクロス」、9月に「GRヤリス」を加えてヤリスシリーズとしてラインナップされています。

【画像】小さくてもカッコイイ!トヨタ新型コンパクトカー「アギア」(65枚)

 次いで、2位にコンパクトSUVのトヨタ「ライズ」、4位にホンダ「フィット」、6位にトヨタ「ルーミー」、9位に日産「ノート」と、合計で5車種のコンパクトカーがランクイン。

 では、コンパクトカー戦国時代と呼ばれるほど各モデルがしのぎを削るなか、かつての売れ筋モデルはどうでしょうか。

 数年前までトップ10の常連車種であったトヨタ「アクア」は14位となっています。世界トップクラスの燃費性能をセールスポイントとしていましたが、ヤリスにその座を奪われてしまったことから、販売が伸び悩んでいます。

 また、トヨタではダイハツ「ブーン」のOEM車である「パッソ」も、かつてはトップ10入りする人気車種でしたが、現在は20位と大きく順位を落としています。

 かつての売れ筋であったアクアとパッソの現在について、あるトヨタの販売店スタッフは以下のように話します。

「現在は新型モデルが販売の中心ですので、アクアやパッソは『売れ筋』とはいえなくなりました。しかし、セカンドカーとしてや値引き前提での需要は今でも高いため、一定数の販売はあります。

 とくに、値引きに関しては非常に柔軟に対応することができます。細かいオプションや下取りなどの関係から一概に値引き額はお伝えできませんが、先日は実際に50万円近い値引きをおこなった例もあります。

 新型モデルよりも装備や性能で劣ることは否めませんが、オプションをたくさん装備すれば今でも十分に高性能車といえるモデルもありますので、狙い目であることは間違いありません」

※ ※ ※

 新型モデルとモデル末期車で大きく差が出るポイントとしては、安全装備が挙げられます。アクアでいえば「Toyota Safety Sense」は最上級グレードのみにしか標準装備されていません。

 しかし、最上級と最安グレードの価格差はおよそ30万円ですから、交渉次第では同価格かそれ以下まで値引きが見込めるかもしれません。

 また、同スタッフによれば、パッソでは過去に下取りを含め100万円近い値引きをおこなった例もあるとのことで、こちらも大幅値引きが見込めそうです。

 新型車人気の影に隠れるものの、価格を抑えることでモデル末期ならではの需要があるようでした。

モデル末期フルチェン前、今が狙い目「ソリオ」

 12月にフルモデルチェンジの噂が出ているスズキの売れ筋コンパクトトールワゴン「ソリオ」も、今が狙い目かもしれません。

 あるスズキの販売店スタッフは以下のように話します。

「ソリオは年内にフルモデルチェンジを予定しているため、新型への問い合わせが相次いでいます。

 しかし、それと変わらないほどに現行モデルの値引きについても多くの質問が寄せられています。

 今はまだ新型モデルの発売日など細かい日程がわかっていないため、大きく注文が増えたというわけではありません。しかし、正式にアナウンスされれば、現行モデルへの駆け込み注文が増えると予想しています。

 値引きについては、下取りなどの影響で金額はそれぞれとなりますが、モデルチェンジが確定していれば私どもも『非常に柔軟な』交渉をすることが可能です。新型モデルにこだわりのない人であれば、現行モデルは今が狙い目といえます」

間もなくフルモデルチェンジ!? スズキ「ソリオ」は現行モデルなら今が狙い目?

 新型ソリオの変更点としては、ボディサイズの拡張(主に全長)や、安全装備の強化などが中心となる予定だといいます。

 とくに、安全装備では、これまで約40km/hからしか対応していなかった「アダプティブクルーズコントロール」が、全車速追従機能付となるとのことです。

 しかし、販売店スタッフのいうとおり、ソリオは現行モデルでも充実の安全装備を持っています。

 まず、速度制限付きではありますが「アダプティブクルーズコントロール」はほとんどのグレードで標準装備。また、「スズキセーフティーサポート」は、「デュアルカメラブレーキサポート」や「後退時ブレーキサポート」などの装備も充実しています。

 加えて、持ち味である燃費性能でも、JC08モードでガソリン車は22.0km/Lから24.8km/L、マイルドハイブリッド車は23.8km/Lから27.8km/L、ハイブリッド車は32.0km/Lと高い数値を誇っています。

 前出とは別のスタッフによれば、値引き額は「最低でも二桁万円は頑張れます」と話します。

 現行の新車価格は、148万6100円から227万2600円ですから、最上級グレードでも200万円を切ることも期待できるかもしれません。

 各メーカーから新型モデルが続々と登場している今、モデル末期ならではのメリットが多いかつての売れ筋モデルにも、注目してみてはいかがでしょうか。