今度は母目線で?

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 産休と育休を合わせれば1年に及ぶことが一般的な昨今にあって、“早すぎる”復帰には違いない。TBS「NEWS23」でキャスターを務めるフリーの小川彩佳アナ(35)が番組に戻ってきた。歓迎ムードの一方で彼女を新たな試練が待ち受ける。番組の存続に直結する「視聴率」である。

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 昨年6月、メインキャスターに就任した彼女は、今年2月に第1子の妊娠を発表後、7月から産休に入っていた。つまり、3カ月強でのスピード復帰である。その背景に彼女の報道志向がある、とTBS局員が言う。

「産休に入った直後、森友問題で自殺した財務省職員の奥さんへのインタビューがあったのですが、彼女は休みを返上。インタビュアーを務め、生放送にもリモート出演していました。そもそもこちらに移ってきたのも、“報道をやりたい”という一心でしたから、早く現場に戻りたかったのでしょう」

今度は母目線で?

 彼女がテレ朝時代に師と仰いだジャーナリストの田原総一朗氏がエールを送る。

「アナウンサーは感情を露わにしてはいけないと言われるけれど、彼女は自分の感情を出して意見を言える人。中立的な番組なんて面白くない。環境が整うなら早く復帰してどんどん意見を言ってもらいたいね」

 その彼女の産休中、穴を埋めていたのがTBSの山本恵里伽アナ(27)だった。

「スポンサーも…」

 別のTBS関係者が言う。

「小川アナの報道姿勢を尊敬していて、山本さんも関心のあるニュースを独自に取材していますよ。仮にそれが報道できない事案でも現場に足を運んでいます」

山本恵里伽アナ

 スタッフにも好評の山本アナは小川アナの復帰後、サブキャスターに戻った。見事な連係プレーを見せていただきたいところだが、

「ネックは視聴率なんです」

 と、この関係者が続ける。

「産休前と後では視聴率は4%台半ばでほとんど変わりませんでしたが、むしろ、山本さんになって約0・1%上がったほどです。普段は3%から5%をうろうろ。同時間帯、有働由美子さんの『news zero』(日テレ)の半分程度という体たらくです。最近はスポンサーも見つかりづらくなっています」

 制作陣も手をこまねいていたわけではなく、

「小川さんが就任した時は黒い背景のセットで暗かった。それを春先に白を基調にし、オープニング映像やエンディング曲も変えるなど、細々(こまごま)リニューアルしているのですが……。『zero』は意識的に若者や女性をターゲットにした企画を出す一方、『23』は政治などおじさん受けするニュースを重視。ウリの“硬派”が、逆に視聴者層を狭める結果になっています。このままでは番組終了なんて話にもなりかねません」(同)

 大先輩である元TBSアナウンサーの吉川美代子氏は番組にこんな“異論反論”。

「彼女がニュースの感想を述べても視聴者の中高年には“何を偉そうに”と思われてしまいます。報道キャスターが時の人にインタビューするのは当たり前ですから、それよりは彼女が数カ月取材し、掘り下げたテーマを報じれば独自色が出るのではないでしょうか」

 さらに、フリーアナに頼り切りの制作陣にも一言。

「山本アナ、良いじゃないですか。小川さんは優秀だけど局アナを使ってあげないと、辞めてしまいますよ。局アナも育てていかないと」

 低空飛行を続ける番組の存在が“多事争論”の状態なのである。

「週刊新潮」2020年10月29日号 掲載