デヴィ夫人

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 デヴィ夫人の大炎上がおさまりそうにない。

【写真】デヴィ夫人、問題発言後も意見を曲げなかったツイッター投稿

 10月24日に放送された『胸いっぱいサミット!』(関西テレビ)で「不妊の一番の理由は堕胎」だとして、人工妊娠中絶を禁じるよう求める発言をしたのが事の発端。同番組で“不妊治療への保険適用を早急に実現します”という菅義偉首相の所信表明演説で語った不妊治療に対する保険適用拡大に話が及んだとき、夫人が、

「皆さん知らないけれど、不妊になるのはあの堕胎が原因です。掻爬(そうは)といって子宮の中を掻くわけですよ。だから先生によっては、もう傷をつけちゃう子宮内に。そうすると絶対に着床しないんですよ」

 と持論を展開したのだった。司会者や共演者がなんとか軌道修正を試みたが、夫人は自分の発言を取り下げようとしなかった。数日後にようやくブログで《私の発言によって、不妊治療に当たっている方々、中絶せざるをえなかった方々等を心ならずも傷づけてしまったり、不快な思いをさせてしまったことは残念であり大変申し訳なく思っております》と謝罪することとなったが、非難の声は鳴り止まない。

広瀬すずのファンも激怒

 大騒動に発展してしまったわけだが、業界内では“またやらかしましたか”という声が多い。というのも、夫人の過激発言は今に始まったことではないからだ。

 '14年1月9日、ある番組収録に参加していた一般女性に挑発された夫人は女性の顔を3回平手打ちして収録を途中退席。平手打ちされた女性は被害届を提出し、警察が暴行の疑いで捜査に動くことに。共演していた西川史子が後日、別番組でそのときの様子を語っていたのだが、それが夫人の逆鱗に触れ、今度は矛先が西川に向けられた。

 夫人はブログでこう綴るのであった。

《私が 平手打ちしなければならなかったのは西川史子だったのかもしれませんね》

《男にも女にも愛してもらえない 可哀相な ギスギスと小憎らしいことしか言えない この亀顔の女の顔を平手打ちした方が 良かったかもしれませんね、今 思えば…》

 また'16年12月に『胸いっぱいサミット!』に出演したときのこと。かつて女優の広瀬すずがテレビ番組の照明や音声のスタッフについて「どうして照明になろうと思ったんだろう」「なんで自分の人生を女優さんの声を録ることに懸けてるんだろう?」と発言して職業蔑視だと非難されたことに番組内で言及し、

「こんな小憎らしいこと言う人、あなたたちかわいいですか?」

「しかも18歳よ。こんな子は抹殺しちゃっていいと思います」

 とコメントし、このときも大炎上、すずファンを激怒させたのだった。

 元TOKIO山口達也が“女子高生を家に呼びつけキス”をした事件を起こしたときはツイッターで、《許されない行為と言っているけれど、泥酔男性のたかがKissでしょ。しかもそこにもう一人の女性がいた。“ちょっと失礼” と言ってうがいして帰ってくればよかったのでは》と、さも被害女性が大袈裟に捉えすぎているかのような論調だった。

今後のテレビ出演はどうなる?

 ʼ19年、新井浩文が性的暴行事件を起こした際はイベントで、

「なぜ相手の女性とお話をして被害届を取り下げてもらわなかったのか。どうして逮捕までいってしまったのかわからない」

「(損害賠償などで)たくさんの方に迷惑をかけるなら、1,000万でも2,000万円でも(示談金を)差し上げて、円満解決すればよかった」

 数え出したらきりがない夫人の“舌禍”である。歯に衣着せぬ言動がテレビ番組で起用され続けている理由の1つでもあるのだが、生放送の出演に関しては“要注意”だという のはキー局プロデューサー。

「80歳という高齢のせいなのか、今回のような昔の言い伝えみたいな話を信じ込んでしまっているところがありますね。そして間違っていると指摘されても、自分が正しいと譲らないところがあります。言い争うのも面倒くさいのでスタッフは流してしまうことが多く、それがよくないのかもしれません。

 昔は問題なかったが現在は放送禁止用語となっている言葉なども、気せず発言してしまうこともあり、そのたびに番組として謝罪しなければならないのは負担になります。ですからなるべく生放送に夫人を出演させないというのは各テレビ局共通の認識なんです。関テレがなぜ彼女を出演させ続けているのか疑問ですね」

 また生放送であっても、番組によっては社会ネタや時事ネタなどを扱う場合、本番前に入念な打ち合わせをしたうえでコメントにチェックが入り、不適切なものはNGとなる。出演者のコメントはきっちりと台本化されることもしばしば。夫人が本番であのような発言をしたのは、なぜか。打ち合わせがなかったか、スタッフの指示を無視したかのどちらかだろう。

 はたしてこの騒動をきっかけに、夫人のテレビ露出は減るのだろうか。

「あの年齢でバラエティ番組で身体を張れる女性タレントなんてそうそういません。それに彼女は『元インドネシア大統領夫人』という正真正銘のセレブです。彼女の上をいくセレブタレントはいませんし、今後も出てくる可能性は少ない。テレビ側としては貴重な存在なんです」(前出・キー局プロデューサー)

 生放送の出演がちょっと少なくなるくらいで、活動にさほど影響もないのだという。

 19歳でインドネシアに渡って大統領夫人となり、わずか3年で軍事クーデターにより国を追われた夫人は、日本に戻り娘を出産。その後も波乱の人生を送り今に至っている。そのメンタルは並大抵ではないことがわかるが、謝罪を出した今回はさすがに堪えたということか。

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。