「電気代にうるさくなった」会社は危ない? 倒産&リストラの前兆

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 新型コロナウイルスの感染拡大は収まる気配はなく、経済状況の逼迫は拡大の様相を見せている。企業の倒産は右肩上がりで、厳しい舵取りが予想される。窮地に瀕した会社が出す「サイン」とは何か? 予兆を見抜く術は? 会社が傾いた経験者300人アンケートから紐解く。

◆通常業務に関わるコストの削減は倒産の予兆?

 過去に勤務先の倒産やリストラを経験した300人を対象に、アンケートを実施。社内の変化について、「備品の新規購入にうるさくなった」(103人)、「冷暖房など電気代にうるさくなった」(75人)、「出張費が減額された」(52人)など、通常業務に関わるコストの削減が浮き彫りに(※詳細は文末参照)。

 数々の中小企業を相手に資金繰り・事業再生支援を手がけてきた道家健一氏はこう分析する。

「経営再建の相談に来られるなかで、『経費をカットする以外に、どんな手を打ったらいいかわからない』と嘆く社長は大変多い。手をつけやすいところから削っていこうという経営者心理が、このアンケート結果に反映されていると思います。

 ちなみに、経費を削減することで、社内で不正を働いている人への牽制としたり、社員同士の監視の目を強化する効果を狙う社長もいます」

◆清掃業者との契約を切って従業員に掃除を…

 とはいえ、平時からコスト削減に取り組んでいる会社ならいざ知らず、これまで緩いチェックで支出していたコストを急に絞るようになったら倒産の赤信号だ。特定社会保険労務士の内藤秀和氏はこう語る。

「傾いた会社が行うコスト削減の例としてよく見られるのは、『清掃業者との契約を切って従業員に掃除をさせるようになった』、『ホームページの管理業者との契約を切って、更新がされなくなった』などがあります。

 通常の企業経営で考えると、コア業務以外は外部のプロに任せたほうが時間の節約と高品質を期待できるもの。にもかかわらず従業員の時間を犠牲にして目先のコスト削減を優先させてしまうんです」

 本来の業務に支障をきたすほどのコストカット要求は、会社が通常の状態にない証拠なのだ。

◆顧客からの信頼を失った企業の末期の姿とは

 取引先に関するアンケートでは、ビジネスの最重要な基盤である、顧客からの信頼を失った企業の末期の姿が浮き彫りになった。

「取引先が減った」(99人)、「取引先から売り掛けを断られ現金取引になった」(61人)はその最たるものだろう。

 その結果として「取引する商品の量が急激に減った」(76人)状態に陥ってしまうのだ。そうなる前に取引先の信頼をつなぎ留める手を打たねばならないが、道家氏によれば、多くの社長が資金繰りを回すことに必死で、足元を見る余裕がなくなってしまっているという。

「支払いや納品に遅れが出た会社との付き合いは、どこの会社も敬遠します。経営者が足元を見られなくなると、『取引先から経営を心配された』(103人)、『取引先からのクレームが増加』(56人)というようなことが起こり始めます。

 そして、いよいよ支払いが遅れてしまったとき経営状況について社長はある程度社員に開示して協力を求めるべきですが、社員に不安を与え、取引先に情報が漏れるのを恐れるあまり、『経理上のミスだ』『請求書が届いてなかった』などと言ってしまいがちなんです」

◆社員に経営情報を伝えたら裏目に

 もっとも、社長が勇気を出して社員に経営情報を伝えても、裏目に出てしまう場合もある。

「従業員に間違った伝わり方をしてしまうと、そこから話を聞いた一部の取引先が、債権回収に来る可能性があります」(内藤氏)

 自分の会社ももしかして……改めて周囲を見回してほしい。