米ツアーの荒波に揉まれた河本結が国内復帰戦に挑む(撮影:村上航)

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<樋口久子 三菱電機レディス 事前情報◇29日◇武蔵丘ゴルフコース(埼玉県)◇6585ヤード・パー72>
米国に渡ったのが1月。今年から米国女子ツアーに本格参戦している河本結が、「樋口久子三菱電機ラディス」で6月の「アース・モンダミンカップ」以来となる国内ツアーへの復帰を果たす。
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米ツアー初戦では上位争いのすえに8位タイに入り、ツアー再開後の初戦でも優勝争い。その後は結果を出せずに弱音を吐く時期もあったが、歯を食いしばって今月上旬の「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」までを戦い抜いた。
全米女子プロ終了後はすぐに帰国し、2週間の自粛明けで、久しぶりの試合に挑むが、一時の迷いや苦しみからは解放された。その大きな原因が言葉の壁だった。「とにかく空港に着いたときに、見えるものがぜんぶ日本語で、日本語が飛びかっていて、すごくホッとしました」。現地では外国人キャディを起用していたが、参戦1年目は想像以上に厳しい戦いが続いていた。
「ゴルフというか、やっぱり自分の精神力だったり、日常の常識が違うというか生活にすごくストレスを感じていたなという風に思っていて。言葉もそうですし、そういうところから色々と苦しかったんだなと思いました」。帰国して気づいたのは、心の面での苦しみだった。
2週間のうち1週間は「家でゴロゴロ過ごして」と、自宅でゆっくりと羽を伸ばした。その後は練習を再開したが、ラウンドは1回のみ。今週に入って会場入りし、3日間で合計2ラウンドをこなした。心身も整えて、準備は万端だ。
悔し涙を流した米国西海岸、パッティングに苦しんだ東海岸。自分に足りないものをこれでもかと知ることができ、帰国して実感した成長もあった。加えて、それ以上にうれしかったのが、「JLPGA選手の温かさだったり、日本人の優しさ、穏やかさ」だった。そして、慣れ親しんだ自分の居場所に戻ってきた河本には、ある気持ちが芽生えている。
「自分の成長している部分と、これから必要と感じることもあると思うけど、とにかく勝ちたいという気持ちがやっと今年になってはじめて出てきている。優勝目指していきたいなと思います」
このあとは今週を含めて5試合を日本で戦い、12月の「全米女子オープン」で再び渡米。日本で再び元気を取り戻し、今季最終メジャー大会に乗り込む下地をつくっていく。(文・高桑均)

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