「カトリーナ」をモチーフにしたバービー人形。メキシコの首都メキシコ市にある博物館「Museum of the Old Mexican Toy」で(2020年10月20日撮影)。(c)ALFREDO ESTRELLA / AFP

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【AFP=時事】着せ替え人形「バービー(Barbie)」はこれまで、王女や大統領、海兵隊の軍曹や宇宙飛行士、さらに映画「スター・ウォーズ(Star Wars)」シリーズのストームトルーパーになってきた。そして、メキシコが来月に迎える「死者の日(Day of the Dead)」に向けて、今度は骸骨になっている。

 メキシコの伝統行事に敬意を表するものとした好意的な意見がバービーファンの間ではある一方で、文化の盗用にすぎないと批判する声も上がっている。

 メキシコの著名なイラストレーター、ホセ・グアダルーペ・ポサダ(Jose Guadalupe Posada、1852〜1913年)が1912年に描いた骸骨の貴婦人「カトリーナ(Catrina)」に由来するこのバービー人形は、米玩具大手マテル(Mattel)が去年に引き続き発表したものだ。カトリーナは、メキシコで最も有名な行事の一つである11月1日と2日の「死者の日」を象徴するイメージとなっている。

 マテルは、骸骨バービーは死者の日の「伝統、象徴や儀式を尊ぶ」人形であるとしている。だが、72ドル(約7500円)の価格がつけられたこのバービーをめぐっては、大手ブランドがメキシコの伝統文化で金もうけをする一例との声が同国の一部からは出ている。

 社会学者のロベルト・アルバレス(Roberto Alvarez)氏は、「メキシコにとって死者の日が持つ文化的、歴史遺産的、そして象徴的な重要性がビジネス機会として捉えられ、こうした企業によって利用されてしまっている」と指摘する。

 一方、バービー人形のファンらは、同国の著名画家フリーダ・カーロ(Frida Kahlo、1907〜1954年)とどこか似ている「カトリーナ」のバービーからは敬意の表れを感じることができるとしている。

 バービー人形を2000体所有するという、アーティストでドールコレクターのゾイラ・ムンタネ(Zoila Muntane)さん(54)は、「私たちの伝統が注目されているということ」と捉えていると話す。

 昨年のバービー人形は、黒いドレスに身を包んでいたが、今年は淡いピンクのレースのドレスを着て、バラとマリーゴールドを持つ骸骨の手を模した髪飾りがあしらわれている。

 メキシコでは、死者の日に「あの世」と「この世」を隔てている門が開くと信じられており、亡くなった人に思いをはせる日となっている。

【翻訳編集】AFPBB News

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