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アヤックス戦同様に苦戦したが…

 チャンピオンズリーグ(CL)・グループリーグD組第2節、リバプール対FCミッティランが現地時間27日に行われ、2-0でホームチームが勝利している。日本代表MFの南野拓実はリバプール加入後としては初となるCLでの先発出場を飾った。しかし、モハメド・サラーと交代するまでの60分間は、非常に厳しいものとなった。(文:小澤祐作)

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 90分間を終えユルゲン・クロップ監督は言った。「理由は様々だが、正直なところ、思った通りにはいかなかった」と。

 リバプールは3日前にシェフィールド・ユナイテッド戦を消化したばかりだった。クロップ監督はその試合からスタメンを4人変更。南野拓実やディボック・オリギ、ジェルダン・シャキリら普段あまり出場機会を得られていない選手をピッチに送り出し、4-2-3-1のフォーメーションを採用している。

 少しフワッとした入りを見せたリバプールは、いきなりFCミッティランに決定機を作られた。2分、最終ラインからのロングボールに抜け出したアンダース・ドレイヤーがペナルティーエリア内でシュート。GKアリソンの好セーブで何とか失点は逃れたが、非常に危うい場面だった。

 その後は攻めるリバプール、守るミッティランという戦前の予想通りの展開となった。右サイドバック、トレント・アレクサンダー=アーノルドの右足は相変わらず脅威となっており、反対サイドのアンドリュー・ロバートソンも良い形で攻撃参加。ディオゴ・ジョッタも随所で持ち味を活かしていた。

 しかし、チーム全体として攻撃の迫力不足は否めなかった。クロップ監督が「彼らは狂ったようにプレスをかけてきて、本当に慌ただしいゲームになり、決定的な場面で落ち着くことができなかった」と話す通り、敵陣深くまで侵入することは簡単だったが、最後の部分で精彩を欠き続けた。事実、リバプールは前半5本のシュートを放っていたが、枠に飛んだのは1本もなかった。

 後半、クロップ監督は南野を右に回しオリギを中央、ジョッタを左に置きシャキリを低めに置いた4-3-3システムで勝負に出た。すると55分、アレクサンダー=アーノルドからのクロスをジョッタがフィニッシュ。待望の先制弾を奪った。

 リードを得たリバプールはサディオ・マネやモハメド・サラーを投入。相手の反撃を受けぬよう攻め続けるかつ追加点を奪うための交代だった。

 そのクロップ監督の狙いは的中した。90分にあわや同点という大ピンチを招いたものの、1分後にサラーがPKを獲得。これを背番号11自ら決め、2-0で試合を締めている。スコアだけをみれば、完勝だ。

 ただ、上記した通りクロップ監督は試合後に「思い通りにはいかなかった」と話している。前回のアヤックス戦同様、このミッティラン戦も苦戦した末に何とか勝ち点3をもぎ取ったと言えるだろう。

南野拓実の最低評価は妥当

 このミッティラン戦で日本代表の南野拓実は、リバプール加入後としては初となるチャンピオンズリーグ(CL)での先発出場を飾った。ポジションは4-2-3-1システムの1トップ。結果が求められた。

 しかし、最終的には0得点0アシスト。チャンスを得たにもかかわらず目に見える結果をまたも残すことはできなかった。それどころか、流れの中でも良いプレーはほとんど見られなかった。

 現地紙『リバプール・エコー』などは南野に最低評価を与えたようだが、それも妥当と言えるだろう。また、試合後のリバプール公式ツイッターには「南野は終わった」、「彼はダメだ。我々のチームから出るべき」といった辛辣な投稿もいくつか寄せられていた。

 そして、クロップ監督も試合後に「タキは非常に生き生きとしていたが、明らかにゲームに参加することができていなかった」とコメント。南野は厳しい現実を突きつけられてしまった。

 先述した通り、リバプールは前半ほとんど大きなチャンスを作ることができなかった。その原因はオリギ、そして残念ながら南野の低パフォーマンスがあったからと言わざるを得ない。

 南野は何度か良い形を作っていた。14分にはアレクサンダー=アーノルドのクロスに絶妙なタイミングで飛び出し、26分には相手選手から離れる動きをみせてアレクサンダー=アーノルドのパスを引き出すなど、らしさがまったくなかったわけではない。

 しかし、ファーストコントロールが定まらず、低い位置で受けてもロストを犯すなど、オリギ同様に起点となるようなプレーは皆無。チームとしての攻撃の芽を何度か潰してしまった。ミッティランのディフェンス陣に守りやすい状態を与えてしまったと言わざるを得ない。

 もちろん南野の強みは周りに生かされることでもあるのだが、その良さもほとんどの時間帯で消えていた。スペースへのランニングは必然的に深い位置で守るミッティランの最終ラインにはあまり通用せず、流れの中でオリギとポジショニングが被り中央がごちゃごちゃする場面もあったので、周りの選手からするとパスを出しづらい。

 後半は右サイドに回ったが、個人での突破力に長けているわけではないので、ここでも存在感は出ない。60分にピッチを退いたのは当然の結果と言えるだろう。

 今夏ウォルバーハンプトンから加入したジョッタは結果を残した。退団が噂されながら残留したシャキリも、良い意味で我々の期待を裏切った。その中でインパクトを残せなかったオリギと南野は、序列等で厳しい状況にあるとみるのが妥当か。

 プレシーズンマッチの時のようにロベルト・フィルミーノと共存できる機会があれば、南野の良さは発揮しやすくなるかもしれない。しかし、南野はエバートンのハメス・ロドリゲスのような存在ではない。日本人MFの良さが発揮されるためのチーム作りなど今後も行われるはずがないので、与えられたポジションで結果を積み上げていくしか、生き残る道はない。

 そういった意味で、このミッティラン戦でノーインパクトに終わったことは大ダメージ。ここから這い上がることはできるか。

(文:小澤祐作)

text by 小澤祐作