NHKはベッドを撤去しないと報じた

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畳を撤去したワケ

 デイリー新潮は10月22日、「市役所に勝手に住み着いた大阪『池田市長』 家庭用サウナも持ち込んだ証拠動画」の記事を配信した。この件で、冨田裕樹市長(44)は23日、市役所で謝罪会見を開いた。

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【動画】サウナ、ベッドを持ち込み 池田市役所の内部を撮影した動画

 朝日新聞の大阪版が24日に掲載した「池田市長、市役所に私用サウナ 謝罪『リハビリに使った』」からご紹介しよう。

大阪府池田市の冨田裕樹市長(44)は23日、市役所に簡易サウナを一時設置していたことを明らかにした。ニュースサイト「デイリー新潮」の報道を受けて市役所で記者会見を開いた》

《冨田市長は「公私混同と誤解を招くことになり、猛省している」と謝罪。「腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニアなどのリハビリのために利用していた」と述べた。使用した電気代は算出して返還するという》

(註:全角数字を半角にするなど、デイリー新潮の表記法に合わせた、以下同)

 記事を読むと、冨田市長は深く反省しているようだ。何しろ《猛省》という単語も使っている。

NHKはベッドを撤去しないと報じた

 だが、冨田市長は会見で「ホームレス市長などと報道されておりましたが、控え室で生活しているわけではございません」と記事の一部を否定した。

(註:YouTube「TBS NEWS」10月23日「大阪・池田市長が市役所内にサウナ【news23】」より)

穴の開いたベッド

 むろん関係者は、この発言を疑問視している。ある市政関係者は「大阪のMBS(毎日放送)が報じたニュースに注目すべき点がありました」と指摘する。

会見では、家族の指摘で撤去と説明した

 同社の公式サイトで配信されているのは《『市役所に家庭用サウナ』持ち込んだ市長が記者会見「猛省します」光熱費は返金へ》の動画と記事だ。

「市長がベッドやサウナを持ち込んでいたのは市役所の3階です。MBSの動画では、マイクを持った記者が登場し、23日の様子をカメラに収めました。注目すべきはベッドで、デイリー新潮が報じた“証拠動画”とは見た目が違っているのです」(市政関係者)

 デイリー新潮の動画に映ったベッドは、床面は全て畳だった。ところが、MBSが撮影したベッドの場合、床面の色は鮮やかな緑色。おまけに床面の一部には、ちょうど人間の顔面がすっぽり入るくらいの“穴”が空いている。

マッサージ用のベッドに畳が置かれている

 この穴はマッサージ用のベッドで開けられているもので、「有孔」と呼ばれる。俯せになった時、顔を入れる穴のことだ。

「市長は最初、緑色で『有孔』の開いたマッサージ用ベッドを手に入れ、市役所に置いたのです。ところがしばらくすると、マッサージ用ベッドの上に畳を敷いてしまいました。それがデイリー新潮の動画に映っていたベッドです」(同・関係者)

リハビリは口実

 なぜ、冨田市長はマッサージ用ベッドの上に畳を敷き詰めたのか、それは市長がベッドを市庁舎に置いた“口実”と密接な関係がある。

 NHKのニュースサイトNHK NEWS WEBは10月23日、「市役所にサウナ 池田市長が謝罪」の記事を配信した。

 市役所にベッドを置いた理由として、NHKは《簡易ベッドについては、腰の持病があり必要だなどとして、現在も残してあるということです》と報じた。

「冨田市長は高校、大学とアメフト部に所属しました。サウナを市庁舎に持ち込んだのも《サウナはスポーツ障害の後遺症状緩和のリハビリのため》と説明しています。

 要するに市長はベッドを置く時、堂々と『市役所で寝泊まりしています』と宣言できないことは分かっていたのでしょう。

 そこで、わざわざマッサージ用のベッドを用意し、《リハビリ用》という口実との“整合性”を取ろうとしたのです」(同)

 ところが、市長はリハビリ用ベッドの上に畳を置いた。この意味は大きいという。

サウナと畳を撤去

「冨田市長はリハビリ用のベッドに寝ていましたが、やはり寝心地が良くはなかったのではないでしょうか。普通のベッドに体を横にしたいと考え、畳を敷いたのだと思います」(同)

 市長が寝心地を追求した理由は、かなりの頻度で寝ていたからだろう。ベッドに置かれた畳から、市長が市役所で“生活”していた実態が見えてくる。

「実はデイリー新潮が取材を申し込む前、別のメディアが冨田市長にサウナやベッドの設置について取材しました。市長は慌てて、サウナやベッドに敷いた畳を撤去したのです」(同・市政関係者)

 つまり市長は、「“腰の持病”という口実を考えると、マッサージ用のベッドなら隠さなくてもOKだが、敷いた畳は隠さないとまずい」と判断した可能性がある。「畳ベッドだと市役所で生活していたことがバレてしまう」と考えたのではないだろうか。

「本音では、ベッドを市役所に置いたら有権者の理解を得られないと分かっていたはずです。それを“リハビリ用”という口実でごまかそうとしたのでしょうが、姑息すぎました」(同)

Twitterで反論を公開

 また冨田市長は、Twitter上で、釈明、反論の文書を公開した。その中に、少なくとも1点、これまでの主張と矛盾する記述がある。

 もともと市長には「今年の夏休みは淡路島へ帰省するとしながら、実は種子島に行った」という疑惑が取り沙汰されており、その件に関する反論の部分だ。

 特に市長が夏休みを取っていた間、池田市の高齢者施設で新型コロナのクラスター感染が発生した。市公式サイトには、《8月11日現在、市内の民間高齢者施設で、市外居住者を含めた27名の感染が確認されています》という広報文が掲載されている。

 この時、種子島にいたかどうかが問題となっているわけだが、Twitterに発表された文章には、以下のような記述がある。まず帰省の部分からご紹介しよう。

《今夏のお盆に、亡くなった祖母のお墓参りや田畑の整理等のため、母方の田舎へ帰省しました。その最中に、市内の民間施設でクラスターが発生しました》

《しかし、遠隔でも対応できる態勢を整えた上での帰省でしたので、職務代理者の副市長と綿密な打ち合わせを行い、新型コロナの感染予防については、対策本部長として十分な対応ができたものと考えております》

矛盾する反論

 そして種子島については、以下のように説明した。

《種子島へは、クラスターが落ち着いた後、週末の時間を使って私費で伺ったものです》

 ところが9月市議会で、冨田市長は種子島を訪れたことを否定しているのだ。矛盾と言っていい。

「議会では市議の1人が『コロナの発生時、市役所で陣頭指揮を取らなかったのはなぜですか』と、もう1人の議員が『実は種子島に行っていたでしょう』と質問しました。これに市長は激昂するなどし、詳細な反論は一切せず、答えをはぐらかしてしまいました。要するに種子島に行ったことを否定したのです」(同)

 市議会では「種子島には行ってない」としながら、Twitterでは「種子島に行った」と認めた。これには市政関係者も呆れる。

「文字通りの議会軽視で、これは市議会としても抗議が必要な問題です。市長の“虚偽説明”は追求されるべきでしょう」

光熱費の問題

 最後に「光熱費返還」についての痛烈な批判をご紹介しよう。

「市役所の電気メーターは一括です。市長が使った電子レンジやサウナの電気代はどうやって計算するのでしょうか?

 きっと市長は、市の担当職員に『計算しとけ』で終わりでしょう。ですが、具体的に計算方法を編み出し、金額を算出するのは市職員です。これが尻拭いでなくて何でしょうか。

 冨田市長は自分で電気代の算出方法を編み出し、それを職員に指示すべきです。それができないのなら、市長の反省を信じることはできません」(同)

 デイリー新潮は10月27日、弁護士を通じて質問状を送付した。翌28日、《記者会見の場で申し上げたとおりでございます》と文書で回答があった。

週刊新潮WEB取材班

2020年10月28日 掲載