この大会からパッティングに変化が(撮影:GettyImages)

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今週の30日(金)に開幕する「樋口久子 三菱電機レディス」から国内女子ツアーに復帰する予定の渋野日向子。8月から2カ月間は海外女子メジャー2試合を含む6試合に出場するため、長い海外遠征に臨んだ。合計19ラウンドの場で渋野は何を得たのか。4カ月ぶりの国内大会を前に、スタッツと渋野自身のコメントで海外の経験を振り返ってみる。今回は海外女子メジャー第2戦について。
8月のスコットランドでは思わぬかたちで2戦連続予選落ち。そして、渋野が向かったのは日本ではなく米国だった。2週間の空きをはさみ、9月10日開幕の海外女子メジャー第2戦の「ANAインスピレーション」に備えた。
スコットアンドでは、アイアンショット、アプローチ、パッティングに苦しんだ。ティショットには及第点をつけたが、グリーンが近づくにつれ思いとは裏腹にミスを重ねてしまう。そんな状態を打破するための2週間は順調にすすんだ。
マネージャー、そして昨年からタッグを組んでいる定由早織キャディとの女性3人合宿。みっちりと練習を重ねた。スコットランドではコーチの青木翔氏がキャディとして帯同したが、青木コーチは一時帰国。渋野はひとりで課題と向き合う時間を得て、ANAに臨んだ。
例年は3月末から4月上旬の開催だが、9月開催もあって、40度を超える猛暑がコースを襲った。連日の練習では47度も体験。そんな暑さに対する心配もあったが、スコットランドの曇った空の下では見せなかった笑顔が見られた。
「2週間ほど時間があったので、ほぼゴルフ場にこもってずっと練習していました。特にショットで何かを取り組んだというよりも、毎日18ホールラウンドする中で、しっかり振ってピンを狙っていくこと。練習はそれくらいです。気持ちの問題というか、そういうことに気をつけながらやってきました」と心と体のバランスの調整に努めた。
ここでは“前年優勝者”という看板もなかった。「前回の全英に比べたら気持ちも楽になってきて、この2週間でだいぶプラス思考な部分も戻ってきた。調子も戻りつつあるので、ちょっと楽しみな気持ちはある」とスッキリとした表情で会見に応じた。
迎えた初日のラウンドでは2連続バーディ。終わってみれば4バーディ・2ボギーで首位とは4打差、19位タイの好スタート。「今年いちばんのゴルフ」と振り返った渋野には目に見えた変化が見られた。まずパッティングの握りを左手が下にくるクロスハンドグリップにした。これがはまった。「思い切り振れない」と話していたアイアンショットでも改善が見られ、フェアウェイキープに苦しみながらもパーオン12ホールに加え28パット。上がり2ホールでは7メートルのパーセーブに50センチのベタピンバーディ。渋野らしい笑顔で初日を締めくくった。
「吹っ切れたんだと思います。3試合予選落ちだったので。2週間自分で考えながら練習できたり、すごく楽しく2週間を過ごせたからか、本当に吹っ切れた」。そう話した渋野の表情は翌日、また一瞬だけ曇ることになる。2日目は前半で一つ伸ばすと、後半は終盤に落とし穴が待ち受けた。18番パー5は3打目がラフ。グリーン手前には池のシチュエーションで、渋野の3打目は大きくショートし池にはまった。ここでダブルボギー。結果3つ落とした。
今季初の予選通過にも、悔しさと怒りが入り混じった。「上がりの自分の情けなさにはすごい腹が立っている。あと2日挑戦できるのはすごいうれしいので、あと2日ともアンダーで回れるように、こんなポンコツなゴルフはしないように頑張りたいと思います」怒りはハッキリと翌日のゴルフに表れた。昨年国内バーディ率1位の貫禄を見せて6バーディ(1ボギー)を奪った。
「久しぶりの土曜日のゴルフだったので、のびのびと楽しくできたのがよかったと思います」。むりに攻めず、チャンスが来ればパッティングを沈める。「ロングパットやショートパットのタッチを合わせるところは合わせる、しっかり打つところは打つ、というふうにメリハリをつけてできていたのが、今日の25パットにつながったと思います」。会心の「67」に久しぶりのシブコスマイル。ところが、翌日は再び落ち込むことになる。
「前半のゴルフが30、40点くらいだとしたら、後半はゼロに近いですね。むしろマイナスといっていいくらいのゴルフだった。(後半の)9ホールだけで3日間のゴルフを台無しにしてしまったかなと思います」。前半はバーディ先行もすぐさまボギー。その後はチャンスなくピンチをしのいでパーを並べたが、後半に入り緊張の糸が切れた。10番で3パットのボギーを喫するなど6つスコアを落としてしまう。
最終日はフェアウェイキープが6ホールのみに「33」パット。前半こそパーセーブで耐えしのいだが、厳しい流れの中で好転することができなかった。今季4試合目で初の予選通過を果たしたが、終わってみれば51位タイ。「70」、「75」、「67」、そして「78」。トータル2オーバーまで落としてしまったが、4日間とおしてパー5で6アンダー。兆しは見えてきた。
ホールアウト後は気丈にインタビューに答えたが、「家族に会いたい、ベッドにダイブしたい」と本音を明かす場面もあった。不振から脱却したかに見えたが、またしても不満足なラウンド。それでも、米ツアー転戦を決意した渋野は、次週の地、オレゴン州へと向かうことになった。

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