小木逸平アナ 撮影/渡邊智裕

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 テレビ朝日の小木逸平アナが大車輪の活躍だ。
 
 現在は『報道ステーション』(平日夜9時54分〜)月〜水曜のメインキャスター。加えて、10月18日にスタートした『サンデーステーション』(毎週日曜夜9時〜)でもメインキャスターに。これまで同番組は、日曜夕方の放送だったが、夜9時へお引っ越し。プライムタイムの生放送に週4登板で、まさに“テレビ朝日の夜の顔”に。

【写真】リモートでの打ち合わせ中、自撮りするお茶目な小木逸平アナ

「大変だと感じたことは正直、ないですね。テレビに出ていること自体が好きなので。プレッシャーも感じないタイプ。むしろ、テンションを上げないと緩んじゃうタイプなので、時に“緊張しろ、緊張しろ”と自らに呼びかけているくらい(笑)」
 
 タフで強心臓。画面を通じて感じられる、あの落ち着きの秘密はここにあった。

「自分で言うのもなんですが、よく“安定感抜群”と言われたりはしますね。逆に言うと、それしか売りがなかったかもしれないぐらい(笑)」
 
 ほんの半年前、『報道ステーション』には金曜のみの出演だったが、

「このコロナ禍で、必然的に何かとんでもないことになっちゃって。恐ろしく忙しいことになりました」

お父さんって、ちゃんと
仕事してたんだね

 決して派手ではない。むしろ地味。しかしながら落ち着いた進行、高いアナウンス力、誠実そうな人柄。抜群の安定感が視聴者に好評だ。

「外に出てないので、視聴者の反応は全然わからないんですよ(笑)。でも、子どもからの評価が上がったのが、ちょっとうれしかったですね」
 
 3人の子どもを持つ父親でもある。長女は高校生、長男は中学生、次女は小学生だ。

「子どもたちの生活時間だと、僕の出演番組を見ることが全然なかった。お父さんは中途半端な時間に帰ってきて、昼ぐらいまで寝ている。“この人、何してる人なんだろう?”みたいな感じが、どうもずっとあったらしいんですよ(笑)。

 でも休校期間中に、出演番組を見てくれたみたいで。あるとき突然、息子が“お父さんって、ちゃんと仕事してたんだね”と。さらに“本当にありがとう”と。すごく大変な中、働いていることをようやくわかってくれたみたいです(笑)」

出社後は控室に
閉じこもりっきり

 多忙を極める小木アナは、1日をどのように過ごしているのか?

「朝は10時くらいに起きて、なんとなく洗濯物をたたみ始めますね」
 
 家事ヤロウだったとは意外。

「やらないと怒られるので(笑)。最近は、そうやってスペースをつくってからヨガマットを広げ、ストレッチやボクササイズ。めいっぱい汗かいた後、だいたいお昼ご飯を作りますね。担当は、私とかみさんの半々ぐらい」
 
 なんと、料理もするの?

「料理は大好き。休みの日の夕食は私の担当です。レパートリー? ラザニアなど。いちいち凝りすぎるので、家族に不評っていうのは若干ありますが(笑)。だしもとりますし、骨付き鶏のぶつ切りをほろほろになるまで煮込んだり……」
 
 まさに男の料理。話をスケジュールに戻すと、ランチ後は軽く昼寝し、3時くらいに出社。

「パソコンとiPadを1台ずつ持ち歩いています。出社する間に新聞を読んだり、ネットニュースを見たり。出社後は控室にずーっと閉じこもりっきり。もらった資料を読み込みながら、午後のワイドショーなども見つつ、準備しています」
 
 夕方4時半くらいから、リモート会議を約1時間。

「その後は自分で調べものしたり社内のコンビニで夕食を買ってきて、控室で寂しく食べたり。出社から、番組が始まる30分くらい前まで、ほぼ人と会わない生活です」
 
 夕食後は、ちょっと暇になるそうで、

「腹筋し始めますね。最近、鍛えてるんですよ。腹筋、割ろうと思っていて(笑)」
 
 これまた意外の3連単。昨秋、『報道ステーション』で“整う”と話題のサウナ企画を担当。

「それ以降、趣味になっちゃって。4キロくらいやせたかな? みんなに“やせたでしょ?”“よっぽどの心労なんだね”って言われていますが、本当はただ自分で鍛えていただけ(笑)。アハハハハ。今は飲みに行けないから、絞りやすかったという側面はありますね」
 
 大の酒好き。10時間以上でも飲み続けられると笑う。

「ずーっと明るく、ずーっとしゃべり倒してますね。アナウンサーって、番組内では聞く仕事でもある。だから、飲みの場では逆に全然、人の話を聞かない(笑)」

 趣味&特技は、落語。中央大学時代には落語研究会に在籍していた。

「浪人期間中に、立川談志師匠がやってた『落語のピン』( '93年・フジテレビ系)にハマりまして。そしたら、意外と落語番組があることに気づき。深夜・早朝問わず、落語ばっかり見てたんですよ。

 いつしか大学に入る目標が、“大学に入ったら落研に入る”に変わって(笑)。だから、大学は“落研のある大学だったらどこでもいい”ぐらいの感じになっちゃいましたね(笑)」
 
 大学3年生の時には、学生落語選手権で優勝。

「審査委員長が立川志らく師匠で、舞台上での私を“こういう人こそ落語界に入らなくてはいけない!”って絶賛してくれたんですよ。その後、エレベーターに乗ったら偶然、志らく師匠と一緒になって。“名刺渡しますか?”って弟子が尋ねていて。“来た! これが落語家への道かぁ”なんて思ったら、志らく師匠は“いや、いい”と(笑)。“ええええー! いいの!?”って思いましたね(笑)」

 噺家になることも考えなくはなかったが、落語のネタを毎日考え続ける生活に耐えられる自信もなかったという。気づけば、就職活動シーズンに突入していた。

「後輩に“アナウンサーとか受けてみればいいじゃないですか?”って言われて。僕、アナウンサーって歌舞伎みたいに世襲制だと思ってたので、“アナウンサーって一般の人が受けるものなの?”って聞き返して(笑)」
 
 在京キー局の試験はほぼ終わっていたが、2社のみ残っていた。

「“なぜアナウンサーになりたいんですか?”っていう質問がいちばん困りましたね。“いや、別にないし”と思ってたから(笑)。でもテレ朝とご縁があって」
 
 ノリと運でなってしまったアナウンサー。

「なっちゃったからには、やってみたら面白いかな、と思って。やってみたら、合っていた。今では天職だと思ってますね」

“これは今、伝わった”
ゾーンのような快感

「“このところよく見る”と言っていただきますが、私、20年くらいテレビに出てるんですけどね(笑)」
 
 社会事件など、取材レポーターの時期は長かった。“もっと存在感を出せ”という上からの要求に戸惑ったり、サスペンダー&蝶ネクタイ姿で印象づけようと試みた時期もあったという。

「でも“男性アナは40代、50代になってから輝いてもいいんじゃない?”“それまでは地道に経験を積めばいい”と言ってくれる人もいて。その言葉を頼りにやってきましたね。とことん調べたうえで、無駄を排除すると“これは今、伝わったな”っていう瞬間があるんです。スポーツ選手でいう“ゾーン”のような。すごく気持ちがいいんですよ」
 
 終始笑わせながらも、いつの間にかアナウンサーとしての信念を飲み込ませる――。小木アナの受け答えは、噺家のようでもある。

「目標? まじめになりますけど、番組全体を自分で仕切って、人を生かして、それで評価されるような番組を作りたい。『サンデーステーション』を、まさにそんな番組にしたいですね。日曜日の夜9時って、家族にとってものすごく大切な時間。そこにお供できるような番組にできればいいなと思っています」
 
 まじめで物静か、どちらかといえば堅物。そんなイメージを小木アナに勝手に抱いていたが、大ハズレ。

「すごくそう思われがちなんですけど、実際、そう思ってるスタッフはいないですね。なにせ“おしゃ”って呼ばれてますから(笑)。“またおしゃがしゃべってる”って(笑)。

 だから『サンデーステーション』では、平日よりもう少し柔らかい空気も出していけたら。そうしたら“なんか、安定してないぞ!?”って評価が下がったりして(笑)。アハハハハ」

PROFILE
こぎいっぺい。埼玉県出身。175僉O型。中央大学卒業後、'98年にテレビ朝日入社。数々の情報番組を経て、'18年10月より『報道ステーション』金曜メインキャスターに(現在は月〜水曜)

『サンデーステーション』
毎週日曜夜9時〜(テレビ朝日系)

撮影/渡邊智裕