楽しい時間をともにし、あなたのことを支えてくれる大切な存在になりうる“友人”。

SNSの普及により交友関係が広まり、多くの“友達”と様々な方法で繋がることができるようになりました。しかし、その一方で、どこからがどこまでが「本当の友達」なのか、曖昧な人も少なくないはず。

本記事では、専門家に聞いた「本当の友達」を見極めるサインをご紹介します。

【INDEX】


「本当の友達」を見極めるための6つの特徴
質問を返してくれる?
連絡が来るのはどんなとき?
感謝してくれる?
「いいね」だけじゃなく、会話をしてくれる?
ありのままでいられる?
「本当の友達」と呼べるのはどんな関係?
説明なしに連絡を途絶えないこと
お互い「話を聞いてもらっている」と感じること
嫉妬をコントロールできていること
どちらかが落ち込んでいるときに気づくこと
友人をセラピストにしないこと
友情を長く継続させる方法

「本当の友達」を見極めるための6つの特徴

ここからは、本当の友達を見極めるためのコツを精神科医ジョアンナ・ペトリデスさんの解説ともに紐解きます。

質問を返してくれる?

友達は、あなたが「今週はどうだった?」と聞いたときに質問を返してくれますか? それとも会話はいつも一方通行ですか? 人はお互いのことをシェアし合うほど、相手について知れるもの。

だけど会話が偏っていると、友達ではなく、ただの話し役と聞き役になってしまいます。ペトリデス医師は「どんな人間関係においても、ギブアンドテイクが基本です」と説明。

「もし会話のほとんどが、どちらか一方のニーズにフォーカスされていると思ったら、自分に問いかけてみてください。これがいつものパターンなのか、それとも友達のほうがよりサポートを必要としているのか、と。もしこれがいつものパターンなのであれば、会話を純粋に楽しめなかったり、話すことで精神的な疲労を感じたりしていませんか?」

連絡が来るのはどんなとき?

いくら友達とはいえ、突然連絡をしてこられたり、いつも何かを要求されつづけたりすると、その人のことを不誠実に感じるかもしれません。それは、相手があなたのことを思って連絡をしたのではなく「必要なことがあるから」だからです。

「『最近どうしてるの』というメッセージから、突然何か情報やサポートを求められることはよく起こること。もしその友達との会話が、キャッチアップや楽しい会話をするのではなく、いつもこうなのであれば、バランスがとれた友人関係とは言えません」

感謝してくれる?

具体的な話にはなりますが、友達の引越しを手伝った後、自分の引越しのときに助けを求めたら、言い訳だけされて逃げられてしまった…なんてことはありませんか?

こういう態度をとられたら、「自分には感謝してくれない友達のためになぜ頑張ってるんだろう…」と落ち込んでしまっても当然。ペトリデス医師はこれについて、次のように説明しました。

「感謝をすることは、相手を認めて敬意を表す、最も良い方法です。心を込めてお礼の言葉を伝えたり特別なギフトを贈ったりと、表現の仕方は様々。もし、いつも自分ばかりが何かを与えつづけていると感じるのであれば、関係を見直す必要があるかもしれません」

「いいね」だけじゃなく、会話をしてくれる?

友達と繋がりつづけるため、SNSに頼ることが増えた現代。けれど、お互いの投稿に「いいね」をするだけでは、友情が芽生えているとは言えません。これについて、ペトリデス医師はこう指摘。

「ネット上の友達と、距離を超え、本当の友情を築くことはできます。しかし、それは一概に言えるものではありません。交流の仕方が投稿に反応するだけなのであれば、友達というよりも‟フォロワー”に近いのかもしれません」

ありのままでいられる?

本当の友達といるときは、心配や不安を感じず、自分らしくいられるはずです。それを確かめるべく、友達といるときに「自分の体の声を聞いてあげることも大切」とペトリデス医師。

「友達からLINEや電話がきたときにビクッと反応してしまったり、胃がけいれんしたりしたら、あなたはその相手と過ごす時間を好んでいないのかもしれません。自分のボディランゲージに注目してみると、あなた自身の正直な気持ちが発見できる可能性があります」
「他にも、相手と話すときに腕を体の前で組んでしまったり、相手に体を向けていなかったり、呼吸が早くて浅くなってしまったりするのは、防衛反応のサイン。目の前の人に全てを許しているわけではないことがわかります」

アルコールがなくても成立する?

ペトリデス医師は、「『多様性は人生のスパイス』というけれど、これは友情においても言えることです」と解説します。

「友情を継続するには、様々な経験や、新しい記憶をつくる必要があります。1つのパターンに行き詰まって、いつも同じことばかりしていると、友達でいる理由がそれしかなくなってしまいます。ただ、それで良い友情もあります。もし、あなたがその友達との限界を知っていて、期待値を正しくもっていればのことですが」

また、友達があなたが接してもらいたいように接してくれないのであれば、相手に素直に伝えてみましょう。恋愛関係と同じで、友達も成長し、進化します。

「友情の形は多種多様です。あなたにとっての‟正しい友情”を見つけるのみなのです」

「本当の友達」と呼べるのはどんな関係?

ここからは、<コスモポリタン アメリカ版>がニューヨーク大学医学部の心理学者で精神医学の教授であるアイリーン・S・レバイン先生に伺った、「本当の友達」の特徴についてお届け。

説明なしに連絡を途絶えないこと

「友情は時間ともに変化するもの。環境の変化に合わせて、関係性も柔軟である必要があります」とレバイン先生。

誰しも、恋愛や新しい仕事などで忙しいと、「気づけば数週間、友達と会わなかった…」といった経験はあるはずです。そのなかでも、お互いに会おうと努力したり、メッセージを送り合ったりする気遣いが大切とのこと。

「たとえ忙しくても、本当に良い友達は、あなたに連絡をする時間をつくろうとします。たとえ音信不通になってしまうことがあっても、その理由を説明してくれるはずです」

お互い「話を聞いてもらっている」と感じること

観ているドラマや映画の好みが同じなどといった共通の趣味は素敵ですが、一緒にいるときの話題がそれについてばかりだという人は要注意。

「アクティブリスニングができる人が、本当の友達だと言えるでしょう。たとえば、スマホなどには触らず、ちゃんと相手の目を見て話を聞ける人ですね。『自分の話を聞いてもらえた』と実感できることは、アドバイスや解決策を得るのとほぼ同じくらい重要なのです」

嫉妬をコントロールできていること

嫉妬心が生まれるのは自然ですが、その対象が自分の親友であると、混乱してしまう可能性が。

「友達と自分を比較してしまうのは、いたって普通です。そのため、おそらく相手も、あなたを羨ましく思っていた時期はあったということを覚えておいてください」

たとえ羨ましいと思っていたとしても、それを口にするのは控えたほうが、恨みを寄せつけないカギになります。というのも、あなたが嫉妬心を表すことで、その先友人は朗報を伝えるたび「あなたの気分を害すのではないか」と罪悪感をもつことになってしまうかもしれないからです。

同時に、あなた自身も友達の幸せを素直に喜べなくなるかもしれず、双方に悪影響がある可能性が。

どちらかが落ち込んでいるときに気づくこと

「友人の不幸には、敏感になる必要があります」とし、レバイン先生は次のように説明しました。

「友人に不幸が起きたとき、気をつかって自分の幸せを隠す必要はありません。しかし、相手がそれを聞いて、自分のことのように素直に喜び、ましてや応援してくれるだろうと期待するのは控えましょう」

別れたばかりの友達に、新しくできた自分の恋人を紹介するのは無神経だという人も少なからずいるはずです。ここで大切なのは、自分の自慢話をするのではなく、友達の感情を優先するという姿勢なんだとか!

友人をセラピストにしないこと

「もしあなたに何かあったときに助けてくれるような親密な関係の友人を助けるのは、公平ですよね」とレバイン先生。

「しかし、どちらか一方がいつも助けを求め、絶えず頼ってくる場合、もう一方はどんどん疲弊してしまう可能性があります。友人をセラピストやカウンセラーにすることは避けましょう」

友情を長く継続させる方法

「年をとればとるほど、同じ場所にずっといつづけることは難しくなります。友人と遠距離になった場合、なかなか積極的に交流できないのは自然なこと。離れていても良い関係を築くには、相互に強い感情的な繋がりがあることと、その友情を継続させようとする双方の努力が大切なのです」

※この翻訳は抄訳です。Translation: Haruka Thiel、YUUMI IKEUCHIRedbook、COSMOPOLITAN US