中途半端な機能ではかえって使いづらい!

 クルマの装備、機能には、想像以上に使って便利で役に立つものが数多くある。その解釈は人それぞれかもしれないが、たとえば、車内であまり人には見せたくないものをしまっておくのにちょうどいいシート下のトレー、一時停止時にブレーキを踏まずに済み、右足の負担が大幅に減り、料金所でチケットを取るときなどで大活躍してくれるオートブレーキホールド機能(ありがたみ絶大)、もはやこれがないとバックは不安、とさえ思わせてくれる必須の機能のひとつと言えるバックモニター、手漕ぎ式のウインドウ開閉が当たり前だった世代にはことさら便利に感じさせてくれるワンタッチパワーウインドウ、そして車内に長尺物を積み込むのに圧倒的に便利な後席4:2:4分割機構など。

 さらに暑い日でもシートに座った瞬間、上半身の汗がひくシートベンチレーション、そして車内の温度上昇や車外からの干渉を防いでくれるロールサンシェード、後席に家族やペットを乗せる機会が多いなら、後席エアコン吹き出し口などもそうだろう。もちろん、先進運転支援機能やSOSコール、通信機能もしかり。運転、ドライブに絶大なる安心を与えてくれる。

1)渋滞追従&停止保持しないACC

 ACCとはアダプティブクルーズコントロールのこと。ペダル操作なしに、設定した一定速度で、前車に追従して走ることができ、前車との距離が縮まれば自動で減速。再加速までこなしてくれる自動運転の第一歩と言える先進機能だ。

 プレ自動ブレーキの役割、前車に近づきすぎずに済むことから、あおり運転と間違えられない安心もある。が、実際に使ってみると、もっともありがたみを感じるのは渋滞時。そこでは停止保持機能が必須。電子パーキングブレーキとのセットが基本だが、そこで使えないタイプのACCは前時代的。ACCすべてが便利ではないということだ。クルマの購入時、ACCに期待するなら、渋滞追従、停止保持機能が付いているか、確認したい。

2)自動駐車機能

 すごく使えそう……と思えたものの、じつはあまり必要でなかった装備もあったりする。その筆頭が、出来のよくない自動駐車機能だろう。そもそもこれがうれしく感じるのは、運転、駐車に慣れていない、あるいは駐車が苦手なドライバーだ。自動運転のごとく、ワンタッチですべてを完結してくれる機能ならともかく、それに伴う操作を覚え、コツをつかみ、混雑した駐車スペース、往来の激しい道路の駐車スペースで実行するのは、運転歴40年以上のベテランドライバーのはずの筆者でも、かえって難しく、面倒に感じてしまう。

 スマホ操作にも「うとい」ようなシニアドライバーともなれば、その機能そのもの、操作、コツを覚えることなど、至難の業と言っていい。駐車が苦手だとしても、バックモニター、アラウンドビューモニターなどを頼りにすれば十分ではないだろうか。

3)リバース連動ドアミラー

 リバース連動ミラーというのも、好き嫌いが分かれる装備と言える。バック時、自動的にサイドミラーが下向きになり、白線などを見やすくしてくれる機能なのだが、後方確認という点では、視野が狭くなる。その機能をキャンセルしたいと思っているドライバーは運転歴を問わず、少なくないはずだ。

4)雨滴感知ワイパー

 場合によっては、痛い思いをする機能もある。それは雨滴感知ワイパー。フロントガラスが雨滴を感知すると、自動的にワイパーを作動させてくれる親切装備だが、エンジンをかけた状態、またはイグニッションONの状態で洗車、窓ふきをしていると、センサーが水気を雨滴と勘違いしていきなりワイパーが作動。手に当たって痛い思いをすることがある。

 それに、窓が汚れまくっていて、ワイパーブレードのゴムを痛めてしまう可能性があり、窓ふきをしてからワイパーを作動させようとしていても、容赦なく、ワイパーを作動させてしまうのだから、困ったものである。ワイパーが必要なら、レバーにタッチすればいいだけのこと。間欠機能もあり、手動でも十分ではないか。

使用できるときがあまりにも限定されている機能も……

5)外開きウインドー

 今では希少な装備として、外開きウインドーがある。昔のクルマの三角窓がそうだったが、上下には開閉せず、少し外側に開くという窓だ。

 ドアの構造上、ウインドーガラスを昇降させられないクルマの一部、例えば観音開きドアだったマツダRX-8のリヤウインドウがそうで、上下に開かないまでも、換気に良さそうに思えるが、ユーザーに聞いてみると、使ったためしはまずないそうだ。なので、マツダMX-30の観音開きリヤドアに不採用となったとか。

6)クール/ホット機能付きコンソールボックス

 一時、ファミリー層にウケがよかったのが、クール/ホット機能付きコンソールボックス。エアコンの風をコンソールボックス内に引き込み、内部を冷やしたり、暖めたりできる機能。が、温冷蔵庫的な効果があるわけではない。そもそも夏、エアコンは20〜25度ぐらいに設定するケースが多いはずだが、それで飲み物がキンキンに冷えるはずもない。冬、適温設定と言える25度で車内は十分に温まるはずだが、その温度で飲み物が熱々になることもない。

7)デジタルインナーミラー

 これは賛否が分かれそうな装備だが、ルームミラーに後方映像を映し出す機能を持つもの。ワゴンやSUV、ミニバンなどで、ラゲッジスペースに荷物を高く積んでも、カメラは車外にあるため、荷物に影響されない後方視界が確保できるのだ。そう聞くと、これは絶対に便利!! と思うだろうが、そもそも、一般ユーザーが普通のルームミラー、目視で後方がまったく見えないほど荷物を積み込むことなんて、めったにないはず。除湿機能もあるエアコンが標準化されている今では、リヤウインドウが曇ることもまずない。

 しかも、個人的な見解としては、遠近感がつかみにくく、ボヤけた画像が気に入らないため、装着車でもほぼ普通の鏡面で使っている。ただ、トヨタの新型ハリアーの録画機能付きにはメリットを感じる。

8)ドアミラーのデフロスター機能(フォルクスワーゲン・ゴルフ7)

 最後に、日本でも人気絶大な輸入車、世界のコンパクトカーの基準となる1台、フォルクスワーゲン・ゴルフ7について。ドアミラーには、角度調整や自動折り畳み機能とともに、デフロスター機能が付いている。鏡面が曇ったときに威力を発揮してくれるのだが、梅雨時の地下駐車場などで、湿気によって鏡面が曇りまくっても、えっ、作動しない。というのも、外気温20度以下でしか作動しない機能なのである。

 つまり、寒い時期、鏡面に雪や霜が付着したような場面を想定した!? 機能のようなのである。便利そうでも、これはめったに使えない。というか、ゴルフ7に6年乗っているが、まだ必要に迫られても、使えたことなし(雪のなかを走っていないせいもある)。ゴルフ8ではどうなっているのか??