転職初心者にとって何かと心強い「転職エージェント」…ですが、利用したからといって必ずしも転職がうまくいくとは限りません。

思うように企業とマッチングしなかったり、担当アドバイザーと相性が合わなかったりして、退会を検討している方もいるでしょう。無事に内定を勝ち取ったものの、やっぱり辞退したいと心変わりすることもあるかもしれません。

とはいえ、尽力してくれているアドバイザーに「退会したい」「辞退したい」と言い出すのは難しいもの。上手な断り方はないかと頭を悩ませてしまう方も多いのではないでしょうか。

そこで新R25では、リクルートキャリアで転職エージェントとしての累計売り上げが歴代トップだったカリスマ転職コンサルタント・森本千賀子さんにご協力を依頼。

転職エージェントとの関係に角を立てない断り方を、“中の人”目線で教えていただきました。


※森本さんの詳細プロフィールは記事の下部に記載しています。

〈聞き手=佐藤宇紘〉

そもそも転職エージェントは「無理に退会しなくていい」

佐藤:
転職エージェントに断りの連絡を入れるケースは、退会申請や面接辞退、内定辞退と多岐にわたります。

まずは「退会したい場合の断り方」から教えてください。

そもそも、転職活動の途中で転職エージェントを退会する人って多いんでしょうか?

森本さん:
もちろんそういう方もいらっしゃいます。ただ、実はほとんどのケースで退会する必要はないと思っています。

佐藤:
えっ!なぜでしょう?

森本さん:
登録だけでもしておいたほうがメリットがあるからです。

たとえば、理想的な求人案件を紹介してもらえないからと、転職エージェントや転職活動そのものに見切りをつけてしまう方もいますよね。

ですが、あくまでタイミングの問題で、時間が経ったら相性のいい求人案件が見つかる可能性は大いにあります。

今後のチャンスを残すなら、あえて退会しなくてもいいと思います。

佐藤:
なるほど…

森本さん:
転職活動を見送る場合や、中断する場合も、転職エージェントには登録したままでも特に問題ありません。

中断期間に理想的な企業とマッチングするかもしれませんし、転職活動の再開に向けた情報収集にもなりますからね。

佐藤:
中断する場合は、どうやって伝えたらいいんでしょうか?

森本さん:
担当のアドバイザーや事務局などに、メールや電話で「一度転職活動を中断したい」と伝えるだけで大丈夫です。

「いい求人案件があったら応募も検討したいので、求人情報だけは送ってほしい」と伝えれば、ほとんどのエージェントが対応してくれるはずですよ。

もちろん、「転職活動を再開するときに連絡を入れるので、それまでは連絡をストップしてほしい」などといったリクエストにもできる限り対応します。

佐藤:
なるほど。転職活動をやめるからといって、転職エージェントを退会すべきとは限らないんですね。

でも、担当してくれるアドバイザーとの相性が合わない場合は、さすがに退会して別のエージェントに登録したほうがいいですよね?

森本さん:
その場合は、たしかにサービスそのものを乗り換えてしまう選択肢もあります。

ただ、個人の転職エージェントでなければ、担当のアドバイザーを変更してもらうことも可能です。

アドバイザー本人に連絡してもいいですし、言いづらい場合は問い合わせフォームなどから相談する手もあります。

もちろん無理に使い続ける必要はないですが、もしエージェントそのものを気に入っているなら、遠慮なくアドバイザーの変更を打診してみてください。

どうしても退会したい場合の「ベストな断り方」

佐藤:
とはいえ、どうしても退会を選ぶしかないケースもありますよね。

先ほどの“アドバイザーと相性が合わない場合”もそうですし、引っ越しなどでそのエージェントを使えない事情が生じる可能性も…

そういうときは、どのように伝えたらいいんでしょうか?

森本さん:
転職活動を中断するときの対応と同じで、担当のアドバイザーや事務局に、メールや電話で退会の意思を伝えるだけでOKです。

個人情報などのデータが削除され、すぐに退会が完了します。大手の場合、公式サイトに退会フォームが用意されていることも多いですね。

佐藤:
意外とあっさりなんですね!とはいえ、お世話になったアドバイザーさんに挨拶もなしに退会するのはちょっと気が引けます…

森本さん:
できればメールだけでもいいので、アドバイザー本人に退会の意思を伝えていただきたいですね。

もし時間があれば、電話や対面で伝えていただけるとなおうれしいです。

佐藤:
退会する理由は正直にお話していいんでしょうか?

森本さん:
個人的には、わかりやすい嘘よりも本音を教えていただきたいですね。

もしサービス内容に不満があった場合も、理由を聞ければ今後の仕事に活かせますから。

佐藤:
ちなみに、一度退会したあとに同じ転職エージェントに再登録することは可能なのでしょうか。

森本さん:
もちろん大丈夫ですよ。

同じアドバイザーの指名も可能なエージェントが多いので、自分のことをよくわかってくれているアドバイザーがいるなら次回も担当してもらいましょう。

もらった内定を辞退する場合はどうする? 選考中の「ベストな断り方」

佐藤:
ここからは、選考中に辞退する場合の断り方もお伺いしたいです。1次選考、2次選考、最終選考と、段階によっても変わってきそうですが…

森本さん:
1次選考や2次選考の場合は、アドバイザーにメールで連絡すれば充分だと思います。理由についても、言いたくなければ深く説明しなくても大丈夫です。

ただ、最終選考を辞退する場合は、電話や対面などでもう少し丁寧に伝えたほうがいいかもしれません

佐藤:
やっぱりそうなんですね…!

森本さん:
最終選考ともなると、企業もその求職者に強く興味を持っている状態です。

エージェント側からすると、企業との信頼関係に関わる可能性もありますので、企業側ともなるべく穏便に話を進めたいというのが本音です。

ですので、辞退する理由も含めて、詳しく教えていただきたいですね。

佐藤:
どんな理由を伝えれば、スムーズに断れますか?

森本さん:
変にウソをつく必要はないので、“悩んだポイント”を正直に教えてもらえればと思います。

たとえば「A社とB社で悩んでいて決めきれない」「本当にこの進路でいいのか答えを出せない」とか。

悩み抜いたうえで結論に至ったという誠意が伝われば、たとえ辞退であっても、なごやかに話が進みます。

佐藤:
あとは、内定後にやっぱり辞退したい、と気持ちが一変するケースもあると思います。

求職者としてはもっとも気まずいシチュエーションですが、角を立てない断り方はありますか?

森本さん:
「本当に最後の最後まで悩みましたが、他社に転職することに決めました」などと伝えてもらえれば、気を悪くするアドバイザーはいないと思います。

最終的に進路を決めるのは求職者ご本人ですので、出た結論にとやかく言うことはありません。

とにかく本音で誠実にお話いただくのが、アドバイザーとの信頼関係を築くコツだと思います。

ほかの経路で転職が決まった場合の「上手な断り方」

佐藤:
最後に、他社の転職エージェント経由や別のルートから内定を獲得した場合の伝え方について教えてください。

お世話になったのに転職先を別の経路で決めてしまうという、求職者としても心苦しいパターンですが…どうやって断るのがベストでしょうか?

森本さん:
前提として、他社の転職エージェントを併用しているのをまったく知らせず、土壇場になって「実は他社で転職が決まったので」と断るのは避けていただきたいです。

佐藤:
とはいえ、ほかのエージェントも併用していると伝えるのは、ちょっと申し訳ない気がしてしまいます…

森本さん:
私たち転職エージェント側も、競合サービスがひしめいていることは認識しています。

ですので、複数登録をしているからと言ってイヤな気持ちにはなりませんし、もちろんサポートの質を落とすこともありません。

むしろ、他社での進捗状況を正直にお話いただいたほうが、スケジュール管理などもスムーズに進みます。

佐藤:
なるほど。

森本さん:
社名を出すのがためらわれるなら、A社やB社などとぼかしていただいても構いませんので、転職活動をはじめる段階でお話いただけたほうがありがたいです。

転職エージェント以外でも、「こういう転職サイトに登録している」「先輩のツテでこういう企業を紹介してもらっている」などといった情報も逐一教えていただきたいですね。

佐藤:
ここまでお話を伺って、どんな場面でも、正直に本音を話すのが得策な気がしてきました。

森本さん:
そうですね。私たちも人間なので、心を開いて成功体験や失敗体験などのいろんな話をしてくれる求職者に出会うと「応援したいな」と思い、サポートにも一層力が入ります。

アドバイザーに正しく情報を提供した上で適切にサポートしてもらうほうが、お互いWin-Winになると思います。

私たちも全力のサポートを心がけますので、なるべくアドバイザーを信頼して、いいことも悪いことも正直にお話しいただけるとうれしいです。

【1128人が評価】おすすめの転職エージェント

新R25では、転職サービスの実態に精通した専門家にご協力いただき、「新R25キャリア総研」として、実際に利用したことのある約1000人を対象におすすめの転職エージェントについて調査しました。



この記事では、新R25キャリア総研の調査結果や過去におこなった専門家への取材をふまえて、特におすすめできる転職エージェントのみをご紹介します。

種別 | おすすめの
サービス名 | ユーザー
満足度 |
総合型 | マイナビ
エージェント
| 92% | 詳細を
見る
総合型 | リクルート
エージェント | 89% | 詳細を
見る
総合型 | パソナ
キャリア | 86% | 詳細を
見る
総合型 | doda | 83% | 詳細を
見る

種別 | おすすめの
特化型サービス名 | 満足度 |
ハイクラス向け | ビズリーチ | 89% | 詳細を
見る
ハイクラス向け | JAC
リクルートメント | 85% | 詳細を
見る
既卒・第二新卒向け | ウズキャリ
(UZUZ) | 86% | 詳細を
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既卒・第二新卒向け | 就職Shop | 82% | 詳細を
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IT/Web業界・
エンジニア向け | レバテック
キャリア | 83% | 詳細を
見る
IT/Web業界・
エンジニア向け | type
転職エージェント | 83% | 詳細を
見る

これ以外にも、詳細な評判やほかのおすすめサービスが知りたい方は、ぜひ下記のリンク先の記事もご覧ください。


【転職エージェント調査の概要】

・調査期間
2020/03/30〜2020/04/01
2020/04/02〜2020/04/06

・サンプル数
1128人(554+574)

・調査対象者
性別:指定なし
年齢:20〜39歳
地域:全国
条件:転職エージェントを利用したことがある人

〈取材・文=佐藤宇紘、編集=石川みく(@newfang298)〉

精通者の詳細プロフィール


【森本千賀子(もりもと・ちかこ)】1993年にリクルート人材センター(現リクルートキャリア)に入社。転職エージェントとして3万人を超える転職希望者と接点を持ち、2000人以上の転職に携わり、累計売り上げ実績は歴代トップの実績がある。2017年3月に株式会社morichを設立し、同年10月に独立。エグゼクティブ層の採用支援を中心に、活動領域を広げている。著書に『本気の転職 パーフェクトガイド』(新星出版社)や『35歳からの「人生を変える」転職』(秀和システム )などがある