都内の60代の自営業者が「ダイソンの通販サイトで、7700円の掃除機があるというので、さっそく注文した」のは、今年(2020年)8月下旬のこと。ところが、1週間後に届いたのはなぜか「マフラー」だった。手数料などを含めた代金8800円はクレジットカードで支払い済み。

サイトのメールアドレスに問い合わせると、英語で、「受け取った商品とパッケージの写真に追跡番号を添えて見せて頂けますか? 調査して最善の解決策を提供します」という返事がきた。男性は指示通りに商品の写真などを返信したが、掃除機は届かず、その後、相手にメールが送れなくなった。

消費者庁によると、男性が見ていたのは「ダイソンの偽サイト」だった。こうしたトラブルが相次いでいる。消費者庁は21日(2020年10月)、ホームページで注意を呼びかけた。マフラーを送ってきたのは「時間稼ぎ」と見られる。ITジャーナリストの三上洋さんは、「クレジットカード決済は入金が翌月末なので、被害者からクレジット会社に報告されないよう時間を稼ぐ」という。

わざと違う商品を送るのは時間稼ぎの巧妙な手口

偽サイトは正規のサイトとどこが違うのか。「dyson」のロゴや写真は同じ。違うのが「最大85%OFF」の文字。「さらに詳しく」をクリックすると。偽サイトは商品の説明が少なく、写真が大きい。ただ、値段が大きく違っている。正規サイトでは4万9500円の商品が、偽サイトでは7680円に。会社概要でも、メールアドレスとホームページのURLが異なっている。消費者庁は家具販売の「LOWYA」にも偽サイトがあると、注意を呼びかけている。

三上洋さんは、「表示される広告自体には一定の審査はあるが、リンク先のサイトまでには及ばない」という。詐欺集団が、ネット広告会社に代金を払って出している広告もサイトには混じっているという。

菊地幸夫弁護士「広告の本数・件数が多くて、いちいちチェックできていないというのが現状。広告会社側の約款としては、免責されている。しかし、途中でチェックを入れる必要性は、再検討すべきだ。これは詐欺なのだから」

しかし、当面は、極端に安い場合などには、URLなどを確認して、自分でチェックする必要がありそうだ。

文・栄