オンライン会議などで、安定した声を出す方法をお伝えします(写真:kouta/PIXTA)

オンラインでミーティングや会議をするとき、途中でかすれたり声が小さくなったりすることなく、最後まで「いい声」を出し続けたいと思う人は多いでしょう。では、例えば1時間無理をしないで、自分にとってベストな声を出すにはどうすればいいのでしょうか。

アナウンサー経験25年の白崎あゆみが、安定した声を出す方法を具体的に紹介していきます(本稿は、白崎あゆみ箸『対面以上にうまくいく すごい! オンライン会話術』の一部を再編集したものです)。

「安定的な声」とはどういうことか

私がいた局は、テレビとラジオがある局でしたので、ラジオのワイド番組に入ると、何時間もしゃべりっぱなし、ということがよくありました。「よく声が潰れませんでしたね」と聞かれることもよくあります。私も、アナウンサーになる前は、アナウンサーが6時間近くの番組で、疲れずに、安定して声が出せることを不思議に思っていました。

新人アナウンサーの頃は、大きな声を出すと、声が潰れてしまうのではないか、と思い、省エネで、小さな小さな声で話そうとしていました。よく技術スタッフの方に「白崎だけ声が小さい」と言われたものです。

では、どのようにすれば、長時間、安定的に声が出せるようになるのでしょうか? 「安定的」というのは、今、突然、「1時間話してください」と言われたときに、最後までかすれることなく話せることです。最初は大きな声が出せても、時間が経つにつれ、声が小さくなってしまうことがなく、1時間ずっと同じ大きさや一定のスピードなど、同じペースで話せることです。

みなさんもオンライン会話で、最後までいい声を出し続けたいと思いませんか? 安定的に声を出すというのは、言い方を変えれば、1時間話すときに、自分の出しやすい声を最初から最後まで出せるということです。

それは、自分の無理をしない声の出し方を知ることからスタートします。例えば大きな声を出そうとして、喉を締めたまま、喉に必要以上の力が入った状態で声を出し続けると、喉を痛めてしまいます。無理をしない声とは、腹式呼吸で出した声です。腹式呼吸で出した声は、声そのものに力が出ます。

普段どんな呼吸をしているか意識する

「でも、自分が腹式呼吸になっているのかどうかがわからない」という方は、仰向けになって、お腹の動きを感じてみてください。仰向けに寝ると、すべての人が腹式呼吸になっているといわれています。息を吸ったときにお腹が膨らみ、吐いたときにお腹がへこむのが腹式呼吸の正解です。

この腹式呼吸を普段意識するだけで、長時間、声を出し続けることができます。でも、腹式呼吸を最初は意識していたけれど、よくわからなくなってしまったとか、どのようにやったらいいのか、わからないという人も多いと思います。

呼吸は無意識でしますよね。私もそうです。先日、かなり久しぶりにヨガをしたのですが、そのときに自分の呼吸が浅いことにびっくりしてしまいました。

ヨガの先生も仰っていましたが、自分が普段、どんな呼吸をしているのかを知ることが、腹式呼吸への第一歩です。「私、腹式呼吸ではないから、うまくいかないんだ」と自分を責めるのではなく、まず、自分は、どんな呼吸をしているかを知ることが大切です。

そのためには、仰向けになって、自分の呼吸がどのような呼吸になっているのかを知り、その呼吸のまま、立ったり座ったり、さらに実際に話す姿勢になってみます。姿勢を変えたときに、再度、腹式呼吸になっているか、をチェックする、という手順です。

また、腹式呼吸を続けるには、姿勢も大切です。背中が丸くなっていませんか? 腹式呼吸になっていることがわかったら、その息に声をのせていきます。吸って、吐いたときに、ただ息を吐くのではなく、「あー」という声にしていきましょう。このとき、吐くときに声が加わっただけなので、腹式呼吸であることはまったく変わりません。ここでも、自分の腹式呼吸をチェックする必要があります。

この腹式呼吸を普段意識するだけで、長時間、声を出し続けることができます。私は、今はアナウンサー時代以上に、セミナーや研修で長時間話す機会が多いですが、私の声のパワーがまったく衰えないのは、この腹式呼吸がベースになっているからだと思います。話すということには、想像以上にエネルギーがいるものです。

また、画面の向こうの相手に対して、長時間、話すとなると、慣れないときは、対面での会話以上にエネルギーが必要です。そんなとき、ベースになっている声が腹式呼吸の声だったら、自分の強い味方になってくれるはずです。

口はちゃんと「開いて」いますか

日本語は、母音の形だけ気をつければ、正しい口の開きになります。「あ・い・う・え・お」の形は、普段から正しく開いていますか? アナウンサーの私でも、本来は、もっと縦に開くべき口が、どんどん横に開くようになってしまいます。普段、プライベートや講座などで、みなさんの口の開きを拝見していても、縦に開かず、横にばかり大きく開いている人をよく見かけます。


口が正しく開いていないな、と感じたら、とにかく、もっと縦に開く意識を持ちましょう。また、口だけでなく、顔全体を動かして話す、という意識を持つと表情も豊かになるし、口も開いてきます。

アナウンサーはニュース原稿を読むだけでなく、レポートなどの情報番組の仕事もあります。その情報番組のときに、「顔の表情の変化だけで、いかに感情を伝えられるか」が大事になってきます。

例えば、食べ物を食べた後の、その一瞬の表情。カメラマンは私の顔のアップを捉えています。そのときに、口だけで感情を表現するのではなく、目のあたりや、目と目のあいだ、眉毛のあたりも意識し、それら全部を使って話していると思って声を出すようにします。

……縦と横の比率が同じくらいになるように、円を意識して開きます。
……唇を左右対称に引っ張って開きます。への字にならないように注意。
……キスをするような口で唇を前に突き出します。
……逆三角形になるように口を開きます。
……小さな円をつくり、唇を前に突き出します。