定番人気と言えば当然フルサイズピックアップトラックだ

 アメリカでの王道といえば、やはり、フルサイズピックアップトラックだ。

 直近の2020年9月の販売実績を見ても、アメリカで販売されている全カテゴリーのなかで、もっとも販売台数が多いのが、フォードのFシリーズ(7万4000台)、次いでRamトラック(5.2万台)、3位がGMシボレーシルバラード(5万台)である。

 こうしたラダーフレーム構造のフルサイズピックアップトラックは、フルサイズSUVの母体のような存在でもあり、高い量産効果によって、メーカーやディーラーにとっては利益率が高い商品である。

 作る側、売る側、そして買う側もハッピーとなる、アメリカ経済を下支えする存在だ。

 日本でもサーファーや、キャンパーなどでアメリカン・フルサイズピックアップトラックに乗っている人がいるが、日本の道ではかなり大型なボディサイズに見えることもあり、特殊車両といった雰囲気がある。

 それがアメリカでは、一般家庭でフルサイズピックアップトラックを所有するケースは珍しくない。アメリカ人は食料品を買うにも、チェーン店のウォルマートなどで大量に買ったり、家の補修をする機材や建材をホームデポで買ったりと、日常生活で大きな荷物を積むことがある。日本でならば、ミニバンで収まるようなイメージだが、なにせ、アメリカは何事でも、扱うモノ自体のサイズが大きいため、フルサイズピックアップトラックが重宝する。ベッドや家具などを買っても、デリバリーしてもらわず、荷台に積んでそのまま持って帰る人も多い。

 実際、筆者も長年に渡り、アメリカでピックアップトラックのお世話になってきた。

最近は選ばれるSUVのサイズが徐々に小さくなっている

 そんなアメリカで、ここ10年ほどで一気に変化したのが、コンパクトSUVの普及だろう。

 アメリカの乗用車の定番といえば、トヨタ・カローラ、カムリ、ホンダ・シビック、アコードという、C/Dセグメントとされてきた。

 ここに、日産、フォード、GM、そしてヒュンダイなどが絡むという図式があった。

 ところが、1990年代から2000年代にかけて浸透した、SUVブームがフルサイズからミッドサイズ、さらに2010年代になってコンパクトSUVへと波及した。

 なかでも人気は、トヨタRAV4である。

 もうひとつ、最近アメリカで大ブレイクしているのは、テスラ・モデル3だ。直近では月販3万台となり、これはC/DセグメントセダンやコンパクトSUVと同格の売れ行きだ。

 2017年に発表以来、大量のバックオーダーを抱え、テスラは生産能力を拡大してきたが、ここへきて、生産も安定してきた。

 日本でも、モデル3は人気車だが、アメリカのような”普通のクルマ”のように売れるイメージではない。

 2023年ごろには、2万5000ドル(約265万円)のエントリーモデルの登場も期待されるテスラ。今後、どこまで需要を伸ばすのか、動向を注視していきたい。