新型コロナウイルス問題で大荒れに荒れた2020年も、残すところ2か月余り。朝晩もすっかり冷え込むようになってきた。秋を通り越して、もはや冬の訪れを感じる人もいるのではないか。

この時季、そろそろ美味しいだろうな、と思い浮かべる魚が、鮭だろう。そんなタイミングを見計らったかのように、2020年10月19日、次のようなツイートが投稿され、注目を集めている。

画像は、鮭の種類の見分け方を分かりやすく解説した一覧表である。

キングサーモン、アトランティックサーモン、サーモントラウト、紅鮭、白鮭、銀鮭の6種類が大きな切り身で比較されている。これなら切り身を見ただけで、見分けられるかもしれない。

それぞれの主要産地、特徴について簡潔に記されているのはもちろんだが、天然もの、養殖ものの比率までも明記されているのは興味深い。こんなところも見分けるポイントとなるのだろうか。

投稿したのは、東京都中央区に本社を置くスモークサーモン、水産加工物などの製造販売を行っている会社・王子サーモンの公式ツイッター（＠Oji_Salmon）である。「お買い物の際にお役立てください」というコメントが添えられている。

このツイートには、9万件を超える「いいね」が付けられ、今も拡散中だ（10月21日夕現在）。

ツイッターにはこんな声が寄せられている。

「素晴らしくわかりやすい表をありがとうございます」
「こういうの欲しかったw」
「これは分かりやすい！　サケマス類って料理の時迷うのでこの分別表は嬉しいです」

鮭の種類や見分け方についてはよく分からない、という人は多いだろう。北海道の人ならともかく、鮭を熟知した人にはあまり会ったことがない。

そこでJタウンネット記者は、王子サーモンの担当者に取材することにした。

「鮭の違いが分からない」の声がきっかけ


王子サーモン【公式】（＠Oji_Salmon）のツイートより

まず、この「鮭の種類」一覧表を企画したきっかけを聞いた。

「もともとお客様から『鮭の違いが分からないから教えてほしい』というお声をいただいていました。インターネットで検索しても、専門的で難しいサイトか、部分的な説明しかされていないサイトしかないので、全体が把握できないのだと思います。
そこで私たち鮭専門の会社として、専門用語を避けて分かりやすくまとめた一覧をお客様に情報提供しようと思いました」


王子サーモン【公式】（＠Oji_Salmon）のツイートより

「鮭の種類」一覧表企画の狙い・目的は何だろう？

「すべてを覚えていただけるとは思っておりませんが『鮭にも色々な種類がある』という認知が広がっていくと嬉しいです」

ツイッターで大変な反響があったが、感想はいかが？

「実は今までも何度か鮭の違いについて投稿したことがあるのですが、あまり反応は良くなかったのです。社内でもやはりお客様は鮭の違いなんて興味ないのか......という空気だったのですが、今回専門的な情報は避けて誰にでも分かりやすいようにまとめさせていただいたところ、反響をいただき、とても嬉しいです」

専門的な情報よりも、切り身の見分け方から、読者を掴んだ点が良かったのではないか。黒い地色に、白抜き文字というデザインも、なかなかスマートな印象だ。

デパートやスーパーの鮮魚コーナーに、この一覧表を持って行き、鮭の品定めをしてみたい。Jタウンネット記者はすっかりその気になってしまった。今年の年末は楽しみが一つ増えたと思う。