2007年から13年連続でミシュランの三ツ星を獲得し、多くの美食家たちを魅了し続けてきた、品川・御殿山にあるフレンチの名店『カンテサンス』。

そのダイニングに、今年デビュー10周年を迎えた女優・有村架純さんをお連れした。

一方は、長年、東京の最高峰として君臨し、一方は日本を代表する実力派女優として日々存在感を増す。異なる分野で輝く両者が出合ったとき、果たして何が見えてくるのか。




有村架純さん、東京が誇るフレンチはいかがでしたか?

「建物の存在には気づいていましたが、中に入ったのは今日が初めて。席数がほどよく、落ち着いて食事を楽しめる空間だと思いました」

有村架純さんは『カンテサンス』の印象を語ると、柔らかく微笑んだ。その顔つきにどことなく充足感が見て取れたので訳を訊ねると、次のように教えてくれた。

「シェフのお料理を求めて、海外からもたくさんのゲストがいらっしゃるんですよね。異なる言語を使う人が一堂に会し、同じものを口にする。そして、満たされる。

言葉でコミュニケーションを図れなくても感動は共有できると思ったら、なんだかうれしくなってしまったんです」



有村さんが体験したひと皿は、『カンテサンス』で、通年で供されるスペシャリテ。山羊のミルクで作ったバヴァロアの上に、ゆり根とマカダミアナッツを添えた前菜「山羊のバヴァロア」だ。

ミルクそのものの、ほんのりとした甘みを引き立てるのは、フランスはブルターニュ産の岩塩と、香り豊かなオリーブオイル。岩塩のざくざくとした食感が楽しく、調味料に対する岸田周三シェフの敬意が表れている。

無駄のない端正なビジュアルに、有村さんもじっと見入っていた。



『カンテサンス』がミシュランの三ツ星を保持し、第一線を走り続けているのは、いま一番美味しい食材を最高の状態で提供するために、火入れを極め、食べる人に響く味を真摯に追求するからであろう。

一方、観客の心を動かすために、切磋琢磨して演技を磨く役者にも似たようなことが言えるはずだ。

芝居する上でどんなことを大切にしているのか、聞いてみた。すると、彼女は「表面的な演技はしたくない」ときっぱり口にした。

スポットライトを浴びながらも、決して演技に妥協しない彼女と、数々の栄光を手にしながらも、ただひたすら素材と向き合い続ける岸田シェフとの間には、共鳴し合う何かがあった。『カンテサンス』に誘うべき女優はやはり、彼女しかいなかった、と思った。



■プロフィール
有村架純 1993年生まれ。兵庫県出身。NHK連続テレビ小説『ひよっこ』でヒロインを務め、人気が不動のものに。現在はカンテレ・フジテレビ系ドラマ『姉ちゃんの恋人』(毎週火曜21時〜)に出演中。ラブコメで新境地を拓く。

■衣装
ワンピース¥176,000〈マックスマーラ/マックスマーラ ジャパン TEL:0120-030-535〉、イヤーカフ(右)¥64,000〈ヒロタカ/ヒロタカ 玉川高島屋S・C店 TEL:03-6805-7122〉



月刊誌最新号のインタビューでは、有村架純さんの女優魂や心の葛藤など、普段は見せることのない一面が。さらに、東京最高峰のレストラン『カンテサンス』の魅力にも迫っている。ぜひ、チェックしてほしい!