街をきれいな状態に保つために、至るところに掲示される注意書き。文言としては「ゴミを捨てるな」「犬のフンは持ち帰りください」といったものが多いだろう。

しかし、なかには一風変わった注意書きも。ツイッターで注目を集めているのが、こちらの立て札だ。


金塊...(画像は九十九屋さんた@tikutakuさん)

「ここに金塊以外すてるな」

つまり金塊は捨てていいのか...?いや、それ以前に金塊を持っている人など、そうそういない。ましてや捨てるなんて、よほどの事情がない限りあり得ないだろう。

この看板はツイッターユーザーの九十九屋さんた(@tikutaku)さんが2020年10月20日に投稿。立て札の写真に「わかる」とコメントをつけて投稿したところ、21日19時時点で2万件超のいいねが付くほど話題になっている。

立て札の真意はわからないが、おそらく遠回しに「ゴミを捨てるな」と表現したかったのだろう。厳しめの口調で注意しつつも、ユーモアが感じられる。

ツイッターではこの立て札に対し、

「そもそも金塊は捨てない」
「そして俺以外拾うな」
「ダイヤモンドもだめですかね?」
「これだけ全力でそりゃそーだ言える看板ある?凄いな」

といった声が寄せられている。なかにはこの立て札がすでに存在しないというコメントも見られるが...実際はどうなっているのだろうか。

設置されていたのは4、5年前?

Jタウンネットは10月21日、投稿者の九十九屋さんたさんに詳しい話を聞いた。

九十九屋さんたさんによれば、立て札は15年9月12日に千葉市中央区で撮影。以前撮った写真を整理していて目についたため、投稿した。

「わかる」とコメントした理由については、

「もはや共感しかなくて。おそらく出された方はゴミや犬の糞などで苦労されたと思うのですが、うちもゴミが飛んできたり捨てられたりするので。それをやんわり皮肉にくるめているのはすごいですけど」

と説明。撮影当時、現場に金塊はなかったという。

場所をさらに細かく調べると、立て札は同区内の亥鼻公園の敷地内にあったことが判明。湧水井戸の跡「お茶の水」の近くだったようだが、最新のGoogleストリートビュー(19年3月撮影)では確認できない。


19年3月のストリートビュー(C)Google


16年10月のストリートビュー(C)Google

ストリートビューを遡ると、立て札は14年4月時点では見当たらず、15年6月に出現。16年10月の時点ではまだ存在していたが、17年8月には姿を消している。

つまり立て札が設置されたのは14年4月〜15年6月、見当たらなくなったのは16年10月〜17年8月の間ということ。設置されていた期間は、長くて3年4か月、短くて1年4か月といったところだろう。

公園の管理者に聞いてみると...

さらに詳しい状況を知るために、Jタウンネットは20年10月21日、亥鼻公園を管理する千葉市中央・稲毛公園緑地事務所の担当者を取材した。

担当者によると、現時点で立て札はすでに存在しない。設置期間も設置主もわからないとしたが、「少なくとも管理者の設置ではない」とのことだった。

ゴミの投棄については、

「今現在で、不法投棄がひどいということはありません」

と話した。

ただ、ストリートビューを立て札が設置される前まで遡ると、14年4月の時点で、のちの立て札設置場所周辺はゴミ置き場のようになっている。ゴミ袋がいくつも置かれ、ネットが掛けられているのだ。


14年4月のストリートビュー(C)Google

これは正式なゴミ置き場なのか。担当者に聞いてみたが、「本来、公園はゴミ集積場所ではないのですが...」とコメント。当時のことは分からないようだ。

その後、立て札が設置される頃にはゴミ袋はなくなっている。