タイ・バンコクで警察を振り切ろうとする民主派デモ参加者(2020年10月15日撮影、資料写真)。(c)Mladen ANTONOV / AFP

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【AFP=時事】タイの裁判所は20日、国外逃亡中のタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相とつながりがあるニュースサイトに対し、首都バンコクで約1週間にわたり続く反政府デモの報道をめぐり法律違反があったとし、閉鎖を命じた。

 閉鎖を命じられたボイスTV(Voice TV)は、タクシン元首相の一族が一部保有しているウェブメディア。反政府デモの報道をめぐり現在、ボイスTVの他、プラチャータイ(Prachatai)、リポーターズ(The Reporters)、スタンダード(The Standard)が警察の捜査対象となっている。これらメディアは、フェイスブック(Facebook)で抗議デモを生配信していた。

 タイ政府は15日、5人以上の集会を禁じる緊急事態宣言を出したが、デモ隊はこれを無視し連日、抗議活動を続けている。

 若者が大半を占める反政府デモは、元陸軍司令官で2014年のクーデターを主導したプラユット・チャンオーチャー(Prayut Chan-O-Cha)首相の退陣と、軍政が制定した憲法の改正、長年タブーとされてきた強大な権力と膨大な資産を有するタイ王室の改革を求めている。

 プラユット氏は20日、「報道の自由は大切だが、一部の報道機関はゆがめられた情報を広めている。それが騒ぎをあおっている」とメディアを批判した。

 デジタル経済社会省は19日、これら4メディアが「コンピューター犯罪関連法および緊急事態宣言に違反する」記事や映像を配信した疑いがあると指摘していた。

 ボイスTV幹部のメーキン・ペットプラーイ(Makin Petplai)氏は、自社の報道は国家の安全保障を脅かしてはいないと主張している。

 また、ボイスTVで政治解説者を務めるウィロート・アーリー(Virot Ali)氏はAFPに対し、裁判所の命令を文書で受け取るまでインターネットの配信を続けるとし、政府は他社への見せしめのためボイスTVを選んだと指摘した。

【翻訳編集】AFPBB News

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