地球近傍小惑星「ベンヌ」の地表に接近する米航空宇宙局の無人探査機「オシリス・レックス」の想像図(2020年8月11日提供)。(c)AFP PHOTO /NASA/GODDARD/UNIVERSITY OF ARIZONA/HANDOUT

写真拡大

【AFP=時事】米航空宇宙局(NASA)の無人探査機「オシリス・レックス(OSIRIS-Rex)」が20日、地球近傍小惑星「ベンヌ(Bennu)」に、サンプル採取のための着地に成功した。

 地球から3億3000万キロ離れたベンヌの地表から、石や塵(ちり)のサンプルを採取する「タグ(TAG、Touch-And-Goの略)作戦」は、米コロラド州デンバー(Denver)にある米航空防衛機器大手ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)の管制室から行われた。

 現地時間20日午後6時12分(日本時間21日午前7時12分)、「着地完了。サンプル採取、進行中」と放送があると、科学者らは喜びに沸いた。

 計画開始から12年、地球から4年かけてベンヌに到達した大型バンほどの大きさの探査機は、地表接近へ向けた最終段階で、直径490メートルのベンヌの北極に位置する「ナイチンゲール(Nightingale)」と呼ばれるクレーターへ向かって毎秒10センチの速さで慎重に下降。

 直径わずか8メートル、車3台分の駐車スペース程度の目標ゾーンに精密なロボットアームを伸ばし、16秒間の接地の間に圧縮窒素を地表に吹きかけた。舞い上がった地表物質を採取する計画だ。

 ロッキード・マーチンのベス・バック(Beth Buck)氏は、ベンヌに完全に着陸することは不可能なため「地表にキスをした程度だ」と説明した。

 今回、目標とするサンプル量を採取できたかどうかは、24日に判明する。科学者らは最低60グラムのサンプルが必要としているが、探査機は2キロまでのサンプルを採取できるよう設計されている。

 オシリス・レックスは2023年9月に地球帰還を予定しており、サンプルを無事持ち帰れば、月面探査計画アポロ(Apollo)以降で最多となる宇宙物質サンプルを持ち帰ることになる。科学者らは太陽系の起源解明に役立つと期待を寄せている。

■「ロゼッタストーン」

 科学者らが太陽系小惑星の組成分析に関心を抱いているのは、そうした小惑星が惑星と同じ物質でできているからだ。

 NASAのトーマス・ザブーケン(Thomas Zurbuchen)科学局長は、「ほとんどロゼッタストーンのようなもので、そこに存在し、過去数十億年の太陽系、そして地球全体の歴史を物語るものだ」と説明する。

 今回、NASAは地球からの距離が近く、年代が古いことから探査対象に小惑星ベンヌを選んだ。ベンヌは、45億年前に誕生した太陽系の初期1000万年の間に形成されたと計算されている。

【翻訳編集】AFPBB News

■関連記事
NASA探査機、地球近傍小惑星「ベンヌ」を初めて撮影
小惑星リュウグウ着陸機の最新画像、惑星形成解明への手掛かりに(2019年)
【図解】小惑星リュウグウの大きさ